1：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:37:17.74 ：AOLu572vo
勇者「なぜだ！？ 魔王は倒したのに、姫が目を覚ましてくれない！」
魔術師「魔王の呪いで昏睡状態となった姫を救う方法はただひとつです」
勇者「どうすればいいんだ！？」
魔術師「ずばり……姫が愛する者のキス」
魔術師「つまり勇者殿、あなたのキスです！」
勇者「なっ……！」
勇者「なぜだ！？ 魔王は倒したのに、姫が目を覚ましてくれない！」
魔術師「魔王の呪いで昏睡状態となった姫を救う方法はただひとつです」
勇者「どうすればいいんだ！？」
魔術師「ずばり……姫が愛する者のキス」
魔術師「つまり勇者殿、あなたのキスです！」
勇者「なっ……！」
2：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:38:53.74 ：AOLu572vo
勇者「でも、キスだなんて……！ 他に方法はないのか！？」
魔術師「これしかないのです」
勇者「しかし……お手に触れたことすらないのに……」
国王「勇者よ、余からも頼む。娘を起こしてやってくれ」
勇者「陛下がそうおっしゃられるのなら……」
勇者「では……」ｺﾞｸｯ
勇者「でも、キスだなんて……！ 他に方法はないのか！？」
魔術師「これしかないのです」
勇者「しかし……お手に触れたことすらないのに……」
国王「勇者よ、余からも頼む。娘を起こしてやってくれ」
勇者「陛下がそうおっしゃられるのなら……」
勇者「では……」ｺﾞｸｯ
3：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:40:11.71 ：AOLu572vo
勇者「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
勇者「起きない！ 起きないじゃないか！」
魔術師「おかしいですねえ……もう一回やってもらえませんか」
勇者「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
勇者「起きない！ 起きないじゃないか！」
魔術師「おかしいですねえ……もう一回やってもらえませんか」
4：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:43:26.62 ：AOLu572vo
勇者「……」ﾁｭｯ
魔術師「もう一回」
勇者「……」ﾁｭｯ
魔術師「もう一回」
勇者「……」ﾁｭｯ
勇者「ダメじゃないか！ どういうことだよ！」
魔術師「うむむ、つまりこれはようするに……」
魔術師「勇者殿は姫から愛されてなかった、ということになります」
勇者「なんだってぇぇぇ！？」
勇者「……」ﾁｭｯ
魔術師「もう一回」
勇者「……」ﾁｭｯ
魔術師「もう一回」
勇者「……」ﾁｭｯ
勇者「ダメじゃないか！ どういうことだよ！」
魔術師「うむむ、つまりこれはようするに……」
魔術師「勇者殿は姫から愛されてなかった、ということになります」
勇者「なんだってぇぇぇ！？」
5：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:45:46.83 ：AOLu572vo
勇者「あああ……」ｶﾞｸｯ
魔術師「これは予想外の展開です」
魔術師「早急に姫が愛している者を探し出さねば……」
国王「となれば、余しかおるまい！」
国王「愛する父親のキスで目覚める娘、実にロマンチックではないか！」
勇者「あああ……」ｶﾞｸｯ
魔術師「これは予想外の展開です」
魔術師「早急に姫が愛している者を探し出さねば……」
国王「となれば、余しかおるまい！」
国王「愛する父親のキスで目覚める娘、実にロマンチックではないか！」
6：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:47:55.64 ：AOLu572vo
国王「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
魔術師「起きませんね」
勇者「ダメでしたね」
国王「うぐぐ……」
国王「こうなったら、全力で姫を目覚めさせる者を探すのだぁっ！」
国王「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
魔術師「起きませんね」
勇者「ダメでしたね」
国王「うぐぐ……」
国王「こうなったら、全力で姫を目覚めさせる者を探すのだぁっ！」
7：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:49:38.04 ：AOLu572vo
王妃「父親のキスではなく、母親のキスという手もありますわよ」
王妃「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
王妃「こぉの、親不孝者がぁっ！！！」
王妃「父親のキスではなく、母親のキスという手もありますわよ」
王妃「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
王妃「こぉの、親不孝者がぁっ！！！」
8：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:52:36.86 ：AOLu572vo
騎士「私は幼い頃、姫と遊んでいた時期がありました」
騎士「私ならば目覚めさせられるかも……」
騎士「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
騎士「うぐぅぅ……逆玉に乗るチャンスだったのに……」
騎士「私は幼い頃、姫と遊んでいた時期がありました」
騎士「私ならば目覚めさせられるかも……」
騎士「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
騎士「うぐぅぅ……逆玉に乗るチャンスだったのに……」
9：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:54:35.34 ：AOLu572vo
貴族娘「わたくしの出番がきましたわー！」
貴族娘「わたくし、姫の親友ですわ！」
貴族娘「わたくしならば、姫を目覚めさせられるはずですわ！」
貴族娘「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
貴族娘「ダメでしたわー！」
貴族娘「わたくしの出番がきましたわー！」
貴族娘「わたくし、姫の親友ですわ！」
貴族娘「わたくしならば、姫を目覚めさせられるはずですわ！」
貴族娘「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
貴族娘「ダメでしたわー！」
10：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:56:26.21 ：AOLu572vo
村長「わしは姫に会ったことなどないんじゃが……」
国王「いいからやれ！」
村長「は、はいっ！」
村長「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
国王「起きなかったか……」
村長（ぐふふ、この唇は一生洗わんぞ……！）
村長「わしは姫に会ったことなどないんじゃが……」
国王「いいからやれ！」
村長「は、はいっ！」
村長「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
国王「起きなかったか……」
村長（ぐふふ、この唇は一生洗わんぞ……！）
11：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:58:20.43 ：AOLu572vo
魔王「我を復活させたと思ったら、キスをしろだと！？」
勇者「そうだ。もしかしたら、お前を愛してた可能性もあるからな！」
国王「早くしろっ！ 間に合わなくなっても知らんぞ！」
魔王「わ、分かった！」
魔王「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
国王「よし、再び抹殺しろ」
勇者「イエッサ」ｻﾞｼｭｯ
魔王「ギャーッ！」
魔王「我を復活させたと思ったら、キスをしろだと！？」
勇者「そうだ。もしかしたら、お前を愛してた可能性もあるからな！」
国王「早くしろっ！ 間に合わなくなっても知らんぞ！」
魔王「わ、分かった！」
魔王「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
国王「よし、再び抹殺しろ」
勇者「イエッサ」ｻﾞｼｭｯ
魔王「ギャーッ！」
12：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 01:59:41.90 ：wJOAePw9o
鏡にキスさせたら目覚めるとか言うオチじゃあるまいな？
13：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:00:16.23 ：m6QfVpFf0
魔王が呪いかけたんなら解いてもらえばいいのに...
魔王が呪いかけたんなら解いてもらえばいいのに...
14：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:01:07.65 ：AOLu572vo
国王「こうなったら誰でもいい！ 誰か娘を目覚めさせてくれーっ！」
チンピラ「……」ﾁｭｯ
村娘「……」ﾁｭｯ
スライム「……」ﾁｭｯ
馬「……」ﾁｭｯ
武道家「……」ﾁｭｯ
兵士「……」ﾁｭｯ
神父「……」ﾁｭｯ
酒場の親父「……」ﾁｭｯ
セーブポイント「……」ﾁｭｯ
ミミック「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
国王「こうなったら誰でもいい！ 誰か娘を目覚めさせてくれーっ！」
チンピラ「……」ﾁｭｯ
村娘「……」ﾁｭｯ
スライム「……」ﾁｭｯ
馬「……」ﾁｭｯ
武道家「……」ﾁｭｯ
兵士「……」ﾁｭｯ
神父「……」ﾁｭｯ
酒場の親父「……」ﾁｭｯ
セーブポイント「……」ﾁｭｯ
ミミック「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
15：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:01:39.96 ：uJ2Qo3Uro
セーブポイントの唇どこだよ
セーブポイントの唇どこだよ
16：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:03:43.57 ：AOLu572vo
国王「くそぉ……どうして目覚めんのだ……。娘は誰を愛していたというのだ……」
魔術師「私にもさっぱり……」
勇者「――あ、もしかして！」
魔術師「なんですか？」
勇者「魔術師、あんたは姫の魔法授業を担当していただろう？」
魔術師「たしかにそうですが……」
勇者「もしかしたら、姫はあんたにこそ恋をしていたのかもしれない！」
魔術師「！」ﾊｯ
魔術師「そうだったのかーっ！」
国王「くそぉ……どうして目覚めんのだ……。娘は誰を愛していたというのだ……」
魔術師「私にもさっぱり……」
勇者「――あ、もしかして！」
魔術師「なんですか？」
勇者「魔術師、あんたは姫の魔法授業を担当していただろう？」
魔術師「たしかにそうですが……」
勇者「もしかしたら、姫はあんたにこそ恋をしていたのかもしれない！」
魔術師「！」ﾊｯ
魔術師「そうだったのかーっ！」
17：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:05:23.27 ：AOLu572vo
魔術師「姫、今あなたを救い出します！」
魔術師「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
国王「ダメだったね」
勇者「ドンマイ」
魔術師「あああああ……」ｶﾞｸｯ
魔術師「姫、今あなたを救い出します！」
魔術師「……」ﾁｭｯ
ｼｰﾝ…
国王「ダメだったね」
勇者「ドンマイ」
魔術師「あああああ……」ｶﾞｸｯ
18：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:07:27.64 ：AOLu572vo
魔術師「ちくしょう！」ｶﾞｼｯ
魔術師「このクソアマ！ てめえはどうやったら起きるんだよぉぉぉっ！」ﾕｻﾕｻ
勇者「お、おいっ！」
国王「コラ、乱暴にするでないわ！」
魔術師「うおおおおおおおおおおおお！！！」ﾕｯｻﾕｯｻ
ﾁｭｯ
勇者「あ、乱暴に揺さぶられて、姫の唇が姫の手に当たった……」
魔術師「ちくしょう！」ｶﾞｼｯ
魔術師「このクソアマ！ てめえはどうやったら起きるんだよぉぉぉっ！」ﾕｻﾕｻ
勇者「お、おいっ！」
国王「コラ、乱暴にするでないわ！」
魔術師「うおおおおおおおおおおおお！！！」ﾕｯｻﾕｯｻ
ﾁｭｯ
勇者「あ、乱暴に揺さぶられて、姫の唇が姫の手に当たった……」
19：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:09:34.52 ：AOLu572vo
姫「――ん」ﾊﾟｯﾁﾘ
姫「ふぁぁ、よく寝たわ」
勇者「な……」
勇者「なにぃぃぃ！？」
国王「なんじゃと！？」
魔術師「なんで！？」
勇者「こ、これはつまり……姫が愛していたのは――」
姫「――ん」ﾊﾟｯﾁﾘ
姫「ふぁぁ、よく寝たわ」
勇者「な……」
勇者「なにぃぃぃ！？」
国王「なんじゃと！？」
魔術師「なんで！？」
勇者「こ、これはつまり……姫が愛していたのは――」
20：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:11:37.85 ：AOLu572vo
姫「あら、こんなところに手鏡があるわ」ｻｯ
姫「キャーッ！ 私ったら相変わらずセクシー！」
姫「んもう、鏡の中の自分にキスしちゃう！」ﾁｭｯﾁｭｯﾁｭｯ
勇者「そういえば、長い間眠ってたからすっかり忘れてたけど……」
国王「娘は元々……」
魔術師「こういう人でしたよね……」
姫「あら、こんなところに手鏡があるわ」ｻｯ
姫「キャーッ！ 私ったら相変わらずセクシー！」
姫「んもう、鏡の中の自分にキスしちゃう！」ﾁｭｯﾁｭｯﾁｭｯ
勇者「そういえば、長い間眠ってたからすっかり忘れてたけど……」
国王「娘は元々……」
魔術師「こういう人でしたよね……」
21：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:13:46.37 ：AOLu572vo
勇者「アホらし……」
国王「政務に戻るか……」
魔術師「……失礼します」
ﾊﾞﾀﾝ…
姫「あら、誰もいなくなってしまったわ」
勇者「アホらし……」
国王「政務に戻るか……」
魔術師「……失礼します」
ﾊﾞﾀﾝ…
姫「あら、誰もいなくなってしまったわ」
22：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 02:15:23.69 ：AOLu572vo
姫「ま、いっか」
姫「私には私さえいれば……ね！」
― 完 ―
姫「ま、いっか」
姫「私には私さえいれば……ね！」
― 完 ―
23：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 04:31:41.63 ：w3V39qwC0
早々にオチ当てられてるじゃねえか！！
24：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします：2016/12/14(水) 05:58:33.21 ：Wf3Nrs2KO
親不孝者で笑ったｗｗ
親不孝者で笑ったｗｗ
