1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:27:33.07 :IFbyYgVB0
「という事で、やってみた! どう? 似合う?」
そう言って、くるりと回ってみせる南条光。その名の通りの二対のふさが、ふわりと踊る。
似合う。
最高。
完璧。
それらの言葉を一旦飲み込む。
「……とても、よく似合ってるよ」
「ありがとう! 」
ぺかー! という擬音が見えそうな笑顔で朗らかに答える。めっちゃいい子やなこの子。
「という事で、やってみた! どう? 似合う?」
そう言って、くるりと回ってみせる南条光。その名の通りの二対のふさが、ふわりと踊る。
似合う。
最高。
完璧。
それらの言葉を一旦飲み込む。
「……とても、よく似合ってるよ」
「ありがとう! 」
ぺかー! という擬音が見えそうな笑顔で朗らかに答える。めっちゃいい子やなこの子。
2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:27:58.20 :IFbyYgVB0
「あ、そうだ、麗奈は?」
「小関さんならこれからお仕事。そろそろくると思うよ。何か用事かい?」
「用事ってわけじゃないんだけど……ほら、お揃いだからさ」
そう呟き、少し恥ずかしそうに顔を赤らめる。
なるほど、たしかに小関さんがステージに立つ時は、大体ツインテールだ。
「アタシ、髪長いけど、あんまり髪型いじったりとかしなかったからさ。今日がツインテールの日って聞いて、お母さんにやってもらったんだ!」
「そうかそうか、お母様にも今度お礼言っとくよ」
「? ……なんでプロデューサーが?」
「いやいやいやいや、こう、深い意味は無くてね、いつもお世話になっています的なね、あれですよ」
「あ、そうだ、麗奈は?」
「小関さんならこれからお仕事。そろそろくると思うよ。何か用事かい?」
「用事ってわけじゃないんだけど……ほら、お揃いだからさ」
そう呟き、少し恥ずかしそうに顔を赤らめる。
なるほど、たしかに小関さんがステージに立つ時は、大体ツインテールだ。
「アタシ、髪長いけど、あんまり髪型いじったりとかしなかったからさ。今日がツインテールの日って聞いて、お母さんにやってもらったんだ!」
「そうかそうか、お母様にも今度お礼言っとくよ」
「? ……なんでプロデューサーが?」
「いやいやいやいや、こう、深い意味は無くてね、いつもお世話になっています的なね、あれですよ」
3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:28:29.68 :IFbyYgVB0
そんな他愛も無いをしていると
「おはようございまーす」
やって来ましたレイナサマ
「あ、麗奈! おはよう!」
「あん? 誰よアンタ……ウチの子? 新人? いきなり呼び捨てとはいい度胸だけど、アタシのことはレイナサマと呼んで崇め奉りなさい」
チラと見てそう返すレイナサマ。……え、マジ? 気付いてない? あ、南条さんも固まってる。
「と言うか小さいわねー、アンタ。小学生? ちょっとプロデューサー、紹介くらいしなさいよ。……なに笑ってんのよ。よく見ろって……ん? え、アンタ、光? どうしたのその頭」
気付き、矢継ぎ早に質問を浴びせる小関さん
「なんでわかんないんだよー! そんなに変か!?」
顔を赤くして小関さんに詰め寄る南条さん
そんな他愛も無いをしていると
「おはようございまーす」
やって来ましたレイナサマ
「あ、麗奈! おはよう!」
「あん? 誰よアンタ……ウチの子? 新人? いきなり呼び捨てとはいい度胸だけど、アタシのことはレイナサマと呼んで崇め奉りなさい」
チラと見てそう返すレイナサマ。……え、マジ? 気付いてない? あ、南条さんも固まってる。
「と言うか小さいわねー、アンタ。小学生? ちょっとプロデューサー、紹介くらいしなさいよ。……なに笑ってんのよ。よく見ろって……ん? え、アンタ、光? どうしたのその頭」
気付き、矢継ぎ早に質問を浴びせる小関さん
「なんでわかんないんだよー! そんなに変か!?」
顔を赤くして小関さんに詰め寄る南条さん
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:28:57.32 :IFbyYgVB0
「いや、変って言うか……その、髪とか、ちょっととかして基本そのままじゃない、アンタ。いや……ゴメンって、そんな怒んないでよ」
「まあまあまあまあ、南条さん、落ち着いて。ほら、小関さんはお仕事の準備しないといけないからね。ほれ小関さん、メイクさん待ってるから行っといで」
「むー……」
「そんなムクれないでよ、ゴメンって言ってるじゃない。このレイナサマが謝ってんのよ? むしろお礼を言って欲しいくらいだわ」
なんだその理論。
「……可愛い?」
「は?」
「似合ってる? これ」
はあ、と大きくため息をつく小関さん。
「カワイイカワイイ、似合ってるわよ。これでいい? もう行くからね」
そう言って部屋を後にする
「うあー……麗奈ひどい……」
うなだれるなって、髪ボサボサになるぞ
「でもさ、気付かないってある? 服装も……まあ、いつもと違うけどさ」
たしかに、今日はツインテールに合わせたのか、なんとなーくふんわりとした、気持ち女の子のような格好である。
「まあ、いいじゃないか。今日はこれから何人か来るし、見てもらえれば」
「そうだけどさ……」
「いや、変って言うか……その、髪とか、ちょっととかして基本そのままじゃない、アンタ。いや……ゴメンって、そんな怒んないでよ」
「まあまあまあまあ、南条さん、落ち着いて。ほら、小関さんはお仕事の準備しないといけないからね。ほれ小関さん、メイクさん待ってるから行っといで」
「むー……」
「そんなムクれないでよ、ゴメンって言ってるじゃない。このレイナサマが謝ってんのよ? むしろお礼を言って欲しいくらいだわ」
なんだその理論。
「……可愛い?」
「は?」
「似合ってる? これ」
はあ、と大きくため息をつく小関さん。
「カワイイカワイイ、似合ってるわよ。これでいい? もう行くからね」
そう言って部屋を後にする
「うあー……麗奈ひどい……」
うなだれるなって、髪ボサボサになるぞ
「でもさ、気付かないってある? 服装も……まあ、いつもと違うけどさ」
たしかに、今日はツインテールに合わせたのか、なんとなーくふんわりとした、気持ち女の子のような格好である。
「まあ、いいじゃないか。今日はこれから何人か来るし、見てもらえれば」
「そうだけどさ……」
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:29:41.44 :IFbyYgVB0
ううむ、どうしたものか。
思案していると、メイク室から足音が聞こえてくる。
「あ、麗奈戻って来たかな?」
「いやいやいや、早すぎるだろ。まだ10分も経ってないぞ」
などと言っているうちに、ノックがされ、ドアが開く。
「失礼します」
そう言って入って来たのは、まさに絵本から出て来たような、可愛らしい少女だった。
「あの……こちらで挨拶するように伺って来たんですけど……プロデューサーさん、ですよね? それと、南条光さん」
しずしずと、私と南条さんを順に見やる。
……は? え、誰!? 南条さんも固まっている。本日二度目。
「私、今日からこちらに配属になりまして……その、よろしくお願いします」
頭を深々とさげるその子の振る舞いは、まさにお嬢様と呼んで差し支えないものだった
ううむ、どうしたものか。
思案していると、メイク室から足音が聞こえてくる。
「あ、麗奈戻って来たかな?」
「いやいやいや、早すぎるだろ。まだ10分も経ってないぞ」
などと言っているうちに、ノックがされ、ドアが開く。
「失礼します」
そう言って入って来たのは、まさに絵本から出て来たような、可愛らしい少女だった。
「あの……こちらで挨拶するように伺って来たんですけど……プロデューサーさん、ですよね? それと、南条光さん」
しずしずと、私と南条さんを順に見やる。
……は? え、誰!? 南条さんも固まっている。本日二度目。
「私、今日からこちらに配属になりまして……その、よろしくお願いします」
頭を深々とさげるその子の振る舞いは、まさにお嬢様と呼んで差し支えないものだった
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:30:10.10 :IFbyYgVB0
「えーと……初めまして? よろしくね! アタシは南条光!」
流石の南条さん、もうリカバリーして握手を求めに行っている。
「いえ、初めてじゃありませんよ。わかりませんか?」
「え? えっと、そうだっけ? どこかで会ったっけ……」
うんうんと頭を捻る南条さん。どうやら以前に会ったことがあるらしい
少女はその様を見て、笑いを堪えるように震えている。
……あ、わかった。
「ごめん、わかんない!」
「ね? わかんないでしょ?」
そう言って、口の端をニヤリと吊り上げる。レイナサマだ。
「えーと……初めまして? よろしくね! アタシは南条光!」
流石の南条さん、もうリカバリーして握手を求めに行っている。
「いえ、初めてじゃありませんよ。わかりませんか?」
「え? えっと、そうだっけ? どこかで会ったっけ……」
うんうんと頭を捻る南条さん。どうやら以前に会ったことがあるらしい
少女はその様を見て、笑いを堪えるように震えている。
……あ、わかった。
「ごめん、わかんない!」
「ね? わかんないでしょ?」
そう言って、口の端をニヤリと吊り上げる。レイナサマだ。
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:30:48.33 :IFbyYgVB0
「麗奈?……え、麗奈だったの!?」
「うるっさいわね、耳元で大声出さないでよ。これでわかったでしょ? 髪型とか雰囲気とかで、いくらでも別人になれるのよ。
特にアタシたちはアイドルなんだから、それくらいできないでどうすんのよ」
ぐうの音も出ない。
「ま、結局はどんなカッコしててもアタシはアタシだけどね。ただ、それをプロデューサーが見抜けないってのはどうなの?」
イタズラっぽく笑うレイナサマ。ごもっともであるが、しかし……
「化けたなあ。こういう格好の仕事、してみる?」
「絶対イヤ!」
チッ
「舌打ちすんな! ……光」
「え? あ、はい!」
「その、本当に、普段と違ってて気付かなかったってだけだから」
「はい」
「……似合ってるから、自信持ちなさい」
「はい、ありがとうございます」
「何で敬語?」
「なんか、いつもの麗奈って感じがしないなーって、別人みたいでさ」
「今まさにその話してたでしょ!? 聞いてた!? カッコが違ってもアタシはアタシなの!」
「そうなんだけどさ……でも、やっぱりいつもの麗奈の方が好きだな、アタシは」
「麗奈?……え、麗奈だったの!?」
「うるっさいわね、耳元で大声出さないでよ。これでわかったでしょ? 髪型とか雰囲気とかで、いくらでも別人になれるのよ。
特にアタシたちはアイドルなんだから、それくらいできないでどうすんのよ」
ぐうの音も出ない。
「ま、結局はどんなカッコしててもアタシはアタシだけどね。ただ、それをプロデューサーが見抜けないってのはどうなの?」
イタズラっぽく笑うレイナサマ。ごもっともであるが、しかし……
「化けたなあ。こういう格好の仕事、してみる?」
「絶対イヤ!」
チッ
「舌打ちすんな! ……光」
「え? あ、はい!」
「その、本当に、普段と違ってて気付かなかったってだけだから」
「はい」
「……似合ってるから、自信持ちなさい」
「はい、ありがとうございます」
「何で敬語?」
「なんか、いつもの麗奈って感じがしないなーって、別人みたいでさ」
「今まさにその話してたでしょ!? 聞いてた!? カッコが違ってもアタシはアタシなの!」
「そうなんだけどさ……でも、やっぱりいつもの麗奈の方が好きだな、アタシは」
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:31:42.72 :IFbyYgVB0
「ねえ、こいつ引っ叩いていい?」
「やーめろって。と言うか、後ろ見てみろ」
「麗奈ちゃーん、そろそろいいかな? もう準備しないと……」
メイクさんが様子を見に来ていた。どうにも押しているようで、申し訳ない
「あ、ごめんなさい! すぐ行きます」
そう言って、小走りにかけて行く。
「凄いなあ、麗奈」
「凄いねえ」
「アタシもあれくらいできるようにならなきゃなあ」
「できてるでしょ」
「え?」
「だって、南条さんの今のカッコを見て、小関さんはわからなかったし、対抗してあの格好をしたわけでしょ?
なら、少なくとも小関さんからしたら、あれくらい可愛く見えたって事なんじゃないかな」
「そうかなあ……へへ、そっか。可愛いかあ、アタシ」
恥ずかしげに微笑む。最高かよ。
「ねえ、こいつ引っ叩いていい?」
「やーめろって。と言うか、後ろ見てみろ」
「麗奈ちゃーん、そろそろいいかな? もう準備しないと……」
メイクさんが様子を見に来ていた。どうにも押しているようで、申し訳ない
「あ、ごめんなさい! すぐ行きます」
そう言って、小走りにかけて行く。
「凄いなあ、麗奈」
「凄いねえ」
「アタシもあれくらいできるようにならなきゃなあ」
「できてるでしょ」
「え?」
「だって、南条さんの今のカッコを見て、小関さんはわからなかったし、対抗してあの格好をしたわけでしょ?
なら、少なくとも小関さんからしたら、あれくらい可愛く見えたって事なんじゃないかな」
「そうかなあ……へへ、そっか。可愛いかあ、アタシ」
恥ずかしげに微笑む。最高かよ。
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:32:36.73 :IFbyYgVB0
程なくして、小関さんが戻ってきた。いつもの舞台衣装と、おなじみのツインテールだ
「何ニヤニヤしてんのよ、気持ち悪い」
「ふふふ、お揃いだな、麗奈!」
「そうね、アタシの方が似合ってるけど」
「アタシ、ツインテール似合わないかな?」
「そうじゃないけど、やっぱり年季の違いよ、こういうのは。見慣れないから、違和感の方が強いもの。あんたもステージではこっちにしてみれば?」
「ツインテールのヒーロー……うーん、どうだろう」
「どっちかって言ったら魔法少女ね」
「魔法少女でヒーローでアイドル! ……いけそう!」
「盛りすぎじゃない? それ」
「お話もいいけど、小関さんはそろそろお仕事だからね。ほら、行くよ。送ってから」
「はーい、じゃ、後でね、光」
「うん! プロデューサーも、行ってらっしゃーい!」
そう言ってブンブンと手を振る南条さんを背に、小関さんとお仕事へ向かう。
程なくして、小関さんが戻ってきた。いつもの舞台衣装と、おなじみのツインテールだ
「何ニヤニヤしてんのよ、気持ち悪い」
「ふふふ、お揃いだな、麗奈!」
「そうね、アタシの方が似合ってるけど」
「アタシ、ツインテール似合わないかな?」
「そうじゃないけど、やっぱり年季の違いよ、こういうのは。見慣れないから、違和感の方が強いもの。あんたもステージではこっちにしてみれば?」
「ツインテールのヒーロー……うーん、どうだろう」
「どっちかって言ったら魔法少女ね」
「魔法少女でヒーローでアイドル! ……いけそう!」
「盛りすぎじゃない? それ」
「お話もいいけど、小関さんはそろそろお仕事だからね。ほら、行くよ。送ってから」
「はーい、じゃ、後でね、光」
「うん! プロデューサーも、行ってらっしゃーい!」
そう言ってブンブンと手を振る南条さんを背に、小関さんとお仕事へ向かう。
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:33:19.56 :IFbyYgVB0
――
「ねえ」
「はい?」
「光、可愛すぎない?」
「それな」
「データ」
「こちらに」
「ん、見返りは?」
「先ほどの格好を、改めて披露する場を」
「……一回だけよ」
「御意に」
後に三好紗南を巻き込み、三人でツインテール部に殴り込みをかけるのは、また別のお話。
おわり
――
「ねえ」
「はい?」
「光、可愛すぎない?」
「それな」
「データ」
「こちらに」
「ん、見返りは?」
「先ほどの格好を、改めて披露する場を」
「……一回だけよ」
「御意に」
後に三好紗南を巻き込み、三人でツインテール部に殴り込みをかけるのは、また別のお話。
おわり
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/02/03(土) 10:34:43.14 :IFbyYgVB0
ニューヨークはまだツインテールの日だから(震え声)
南条さんのSSRください
ニューヨークはまだツインテールの日だから(震え声)
南条さんのSSRください