（翌日）

杏奈「（やっぱり…今のままじゃどの装備でもステータスが足りない）」

杏奈「（あ、そうだ…確か結婚したらステータスに補正かかるし、それでいこうかな）」

杏奈「（相手は…いつもログインしてるし、百合子さんにしよう）」

(ｶﾞﾁｬｯ)

百合子「やっとお仕事終わった〜…あっ、杏奈ちゃん！ごめんね、ちょっと遅れちゃった」

杏奈「ううん、杏奈もちょうど考え終わったところだから…」

百合子「それじゃ、早速昨日のリベンジを…」

杏奈「その前に、一回相談したいことがあるんだけど…」

百合子「どうしたの？」

杏奈「そろそろ結婚しようかなって思ってて…」

百合子「（ええぇぇぇぇえ！？いくらなんでも唐突すぎるよ！私達はアイドルだから恋愛禁止だし、そもそも杏奈ちゃんはまだ14歳で、結婚できる年齢じゃないし！）」

杏奈「百合子さん、どうしたの…？」

百合子「えっ！？あぁうん、大丈夫、ちょっと取り乱しただけで…（多分私の聞き間違いだよね。さすがにそんなことはないはず）」

杏奈「それで…やっぱり結婚するべきだよね…？」

百合子「（やっぱり聞き間違いじゃなかったああああ！！！）え、えーっとまだ早いんじゃないかなーって」

杏奈「そうかな…？」

百合子「うん、私たちはアイドルだからまだするべきじゃないと思うよ？」

杏奈「（ネトゲに熱中してないでレッスンに励めってこと…？）でも、結婚しないとステータス的に厳しいと思う…」

百合子「（アイドルって幼妻がステータスになるの！？そこまで険しい道だったなんて思わなかった…）」

杏奈「（やっぱり、今日の百合子さん、変…）そういうわけだから、杏奈は結婚するよ…」

百合子「ちょっ、ちょっと待って！結婚っていうけど、相手は決まってるの？（この事務所の中で言ったらプロデューサーさんかな？社長はないだろうし…)」

杏奈「百合子さんと、したいかな…（一番ログインしてるし…）」

百合子「わ、私！？（杏奈ちゃんってソッチの趣味だったの！？そんな私のことが好きだったなんて…）」

杏奈「うん…百合子さんが良かったらだけど、ダメかな…？」

百合子「ま、まだ心の整理がついてないから待って！それに私たち同性同士だし…」

杏奈「（そういえばどっちも男の子で作成してたっけ…）それなら大丈夫…同じ性別でも結婚できるから…」

百合子「（結婚できるって…まさか海外まで行く気！？）あ、杏奈ちゃん…結婚した後はどうするつもり？」

杏奈「どうするって…いつもと同じだけど…」

百合子「あっ変わらないんだ…だったらなんでそこまで結婚にこだわるの？（結婚自体に興味があるみたいだけど…）」

杏奈「さっきも言ったけど…強くなれるし、二人で色んなことできるから…（特にデメリットなかったと思うけど…百合子さんは一匹狼がいいのかな）」

百合子「（い、色んなことってつまり大人の営みとかｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ…みたいなことまで！？）杏奈ちゃん…そこまで本気だったんだね…」

杏奈「じゃあ、早く結婚しよ…？」

百合子「ううん、その前に杏奈ちゃん、どうせなら私から言わせて！」

杏奈「？別にいいけど…(なにかやることあったかな…)」

百合子「（突然のことだったけど、意識すると急にドキドキしてきた…でも、杏奈ちゃんは私のこと好きみたいだし…私も杏奈ちゃんが好きだったからそれに応えたい！）」

百合子「…杏奈ちゃん、私も杏奈ちゃんのことが好きです！どうか付き合ってください！」

杏奈「…えっ…？」

百合子「（とうとう言っちゃった…ちょっと恥ずかしい）」

杏奈「…結婚するって、ゲームの話だよ…？」

百合子「…え？」

（さらに翌日）

杏奈「…やった、これでやっと倒せた」

百合子「ありがとう杏奈ちゃん！これで必要な素材全部揃ったよ！」

杏奈「やっぱり、結婚したから簡単に倒せるようになったね…でも、百合子さんが現実の結婚の話だと勘違いするって…」

百合子「〜っ、杏奈ちゃん、その話は恥ずかしいからやめて！」

杏奈「ふふっ…でも、杏奈は本当に結婚してもいいくらい百合子さんのこと、好きだよ…？」

百合子「杏奈ちゃん、それって…」

杏奈「でも…杏奈たち、今はアイドルだから、恋愛禁止…残念です…」

杏奈「…だから、今の間はこれで我慢してね…？」ﾁｭｯ

百合子「あっ…」

おわり

5月31日は杏奈ちゃんのお誕生日です
おめでとうございます