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ついにぶっこわれたか

　何処にも居ない。
「ねぇ…」
　ママにドラえもんの居場所を聞こうと話かけると怖い顔で睨まれて話せなくなってしまう。
　外に飛び出して友達にドラえもんについて聞いても皆苦笑いして全然相手にしてくれない。

ジャイアンに殴られたらふつうに警察に相談すればいい

「シズカちゃ〜ん」
　シズカちゃんが見え、声を掛けた。
「どうしたののび太さん？」
「ドラえもんが居ないんだ!　何処に居るか知らない？」
「あのね、のび太さん…」
　シズカちゃんは何故か言いにくそうに言葉を濁らせて口をモゴモゴとさせている。
「どうしたの？」
「あのね、ドラえもんなんて居ないのよ」
　シズカちゃんはそれだけ言うと走り去ってしまった。

　シズカちゃんの言葉の意味がわからなかった。
　もしかしてこれは悪い夢ではないかと決めつけて家に帰った。

「ただいま〜」
　今夜の夜ご飯はなんだろうとさっきのしずかちゃんの言葉の事を忘れて家に帰って来たが、頬に強烈な衝撃を感じて驚いた。ママが殴ったのだ。テストは最近無かったし悪いこともしてない筈だ。理由が分からず頭が混乱した。

イマジナリーフレンド落ち？

　二階に上がって引き籠もった。ママもパパも可笑しくて夕飯にも呼ばずに二人でニコニコ笑いながら晩ごはんを食べていた。
「お腹すいたー」
　声を掛けるとママもパパも恐ろしい顔をして殴って罵倒を浴びせてくる。怖くて逃げ出して布団に潜り朝を迎えた。

　朝、誰にも起こされず、時計を確認するともう遅刻決定の時間だった。
　急いで準備して顔を洗おうとするも鏡に変な痩せこけた同い年くらいの子供が写って怖くなった。
　朝ごはんも結局食べられずにお腹が空いたまま学校に向かう。

　学校に向かいクラスに入ると、何時もは先生に怒られて廊下に立たされるのに何故か何も言われずに席に座れた。
　学校も不思議で誰も話かけて来ず給食を迎えた。
　美味しそうな給食の匂いに我慢できず沢山夢中になっておかわりして食べる。人気の揚げパンも誰も文句を言わず食べられた。

　放課後になってしずかちゃんに話しかけた。昨日の言葉が気になったから。
「本当の事を話してほしいんだ」
「…良いわよ」
　次の瞬間驚くべき真実を聞かされた。
「あのね、のび太さん。ドラえもんの前にちゃんと聞いてほしいことがあるの。それはね、のび太さんと私の記憶では違うわ」
「え？」
「私の前では妄想を語っていたから、まず違う部分を話すわ。のび太さんは虐待されてて親に殴られていた処をたけしさんのせいにしてたのよ。たけしさんはスネ夫さんと友達でのび太さんとは一切遊んで無いの。ドラえもんもねアナタの妄想なの。皆現実からのび太さんが逃げて作り出した妄想なの」
「うそだ！」
　しずかちゃんを信じられず逃げ出した。

　家に帰っても誰も優しく声を掛けてくれない。家に帰ってもご飯は食べられず無視されて殴られてもう散々だ。
　しずかちゃんの言っていた言葉が本当なのだと絶望して学校の屋上から飛び降りた。だって、友達が居ない世界なんて要らないから。

「真実を言わなきゃ良かった」
　唯一学校で話し掛けていたしずかちゃんは喪服を着て屋上を見上げた。
「ドラえもんか…」
　本当にそんな夢のような存在が居ればのび太さんは助かるのよね。
　必死に勉強してドラえもんという猫型ロボットを必死に作った。でも、未来は変えられないと知り絶望した。けれど、何処かの世界…つまり未だ未来でも過去でも無い。現在小学生ののび太さんが居る世界に送り込めば、違うのび太さんだけど幸せに生きてくれるかなと初恋の相手を思いながら平行世界にドラえもんを送り出した。

「のび太くん遅いな～」
　手軽に平行世界に行ける道具を出してのび太を並行世界に送り出したけどなかなか帰ってこない。スイッチをぽんと押すだけなのに、もしかして違う世界ではのび太くんは人気者だったりするのかなと呑気に待ち続けた。

　此れにて終了です。
　確認せず、どんどん書き込みしたので可笑しい部分もあると思います。理解出来ないと云われる可能性も含め説明しますと、ドラえもんにジャイアンに殴られたと喚き散らし、どら焼きに夢中になっていたドラえもんは並行世界（時間は違和感のないように同じ時間になるように設定された）を貰いスイッチを勉強机の下へ隠し虐待されていたのび太の世界へと行きます。で、のび太の意思が別世界のび太の中に入りますが記憶があやふやになったものの、直ぐに違和感に気づいてしまいます。しずかちゃんは前からドラえもんの話（イマジナリーフレンド）の事を聞いていたので違うのび太とは気が付かずに此の世界での本当の話をしてしまい。絶望したのび太は自殺しました。そして、ドラえもんは帰って来るはずのないのび太を待ち続けます。