1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:10:51.08 :O5k8MW0Fo
【モバマスSS】です
元ネタは、SF映画「サイレントランニング」
【モバマスSS】です
元ネタは、SF映画「サイレントランニング」
2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:11:27.12 :O5k8MW0Fo
地上からアイドルは消えた。
パッションな情熱など要らない。
クールな魅力など要らない。
キュートな仕草など要らない。
地上にアイドルの居場所はなくなった。
アイドルを活動させる場所などなくなった。
地上から、アイドルは、消えた。
地上からアイドルは消えた。
パッションな情熱など要らない。
クールな魅力など要らない。
キュートな仕草など要らない。
地上にアイドルの居場所はなくなった。
アイドルを活動させる場所などなくなった。
地上から、アイドルは、消えた。
3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:11:56.92 :O5k8MW0Fo
P「……」
A「また、君はそれを見ているのか?」
P「……ああ」
B「なんだ、そりゃ」
A「アイドルのライブだ」
B「アイドル?」
A「昔、歌や踊りで社会を楽しませていたらしい」
B「歌? 踊り? 楽しいのか、そんなの?」
P「……」
A「また、君はそれを見ているのか?」
P「……ああ」
B「なんだ、そりゃ」
A「アイドルのライブだ」
B「アイドル?」
A「昔、歌や踊りで社会を楽しませていたらしい」
B「歌? 踊り? 楽しいのか、そんなの?」
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:12:23.75 :O5k8MW0Fo
A「昔は、楽しかったらしい」
B「おい、P。楽しいのか? それ」
P「……」
B「返事くらいしろよ」
P「楽しいよ」
A「と、いうことだ」
B「……わかんね」
P「……僕たちの、積み荷じゃないか」
A「昔は、楽しかったらしい」
B「おい、P。楽しいのか? それ」
P「……」
B「返事くらいしろよ」
P「楽しいよ」
A「と、いうことだ」
B「……わかんね」
P「……僕たちの、積み荷じゃないか」
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:12:51.70 :O5k8MW0Fo
A「それはそうだが」
B「は?」
P「データが積まれてる」
A「知らなかったのか、B」
B「へ? なに、積んでるデータって、こいつらのデータなの?」
A「そうだ」
B「へー、そりゃ知らなかった」
P「僕も知らなかったよ」
B「こんな美人さんども積んでるのかよ……」
P「……」
B「へへへ」
A「それはそうだが」
B「は?」
P「データが積まれてる」
A「知らなかったのか、B」
B「へ? なに、積んでるデータって、こいつらのデータなの?」
A「そうだ」
B「へー、そりゃ知らなかった」
P「僕も知らなかったよ」
B「こんな美人さんども積んでるのかよ……」
P「……」
B「へへへ」
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:13:20.87 :O5k8MW0Fo
かつて……
地上に人は溢れた。
人は、星が養える数を遥かに超えようとしていた。
人は思った。
人を減らすべきだと。
自分以外の人を減らすべきだと。
しかし、全てを減らすことは全てを滅ぼすこと。
ならば、減るべき人を選べ。
かつて……
地上に人は溢れた。
人は、星が養える数を遥かに超えようとしていた。
人は思った。
人を減らすべきだと。
自分以外の人を減らすべきだと。
しかし、全てを減らすことは全てを滅ぼすこと。
ならば、減るべき人を選べ。
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:13:48.24 :O5k8MW0Fo
いずれ多種多様の才が必要となるときが来るだろう。
滅ぼすわけではない。ただ眠りにつくだけ。
いずれ必要となるべき時まで眠りについて待つがいい。
その日まで、宇宙で眠ればいい。
真摯な誘いは初めから唯の戯言だった。
必要な才を保存すると誤魔化し、滅ぼすわけではないと言い訳、他者を放逐する世界。
宇宙に眠るのは必要な才ではない。それは、地上にとって邪魔な才。
いずれ多種多様の才が必要となるときが来るだろう。
滅ぼすわけではない。ただ眠りにつくだけ。
いずれ必要となるべき時まで眠りについて待つがいい。
その日まで、宇宙で眠ればいい。
真摯な誘いは初めから唯の戯言だった。
必要な才を保存すると誤魔化し、滅ぼすわけではないと言い訳、他者を放逐する世界。
宇宙に眠るのは必要な才ではない。それは、地上にとって邪魔な才。
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:14:15.32 :O5k8MW0Fo
【Pの個人日誌】
この宇宙船に積まれているのは、昔アイドルと呼ばれていた人たちのデータだった。
誰の仕業かはわからないけれど、アイドル達の活動している姿もデータバンクに残されていた。
もうこんな人たちは地上にいない。
地上にいるのは、金持ちどもと政府のご機嫌を伺う人間だけ。
それが出来ない者はデータにされるか、僕たちのように下っ端の労働者になる。
どちらにしろ、地上とはおさらばしているのだ。
データにされるのは、殺されるよりはマシなのだろうか。
データから復活した人間がもう一度アイドルになれるのか、なれないのか。
いや、そもそもデータからもう一度産み出される機会があるのか。
【了】
【Pの個人日誌】
この宇宙船に積まれているのは、昔アイドルと呼ばれていた人たちのデータだった。
誰の仕業かはわからないけれど、アイドル達の活動している姿もデータバンクに残されていた。
もうこんな人たちは地上にいない。
地上にいるのは、金持ちどもと政府のご機嫌を伺う人間だけ。
それが出来ない者はデータにされるか、僕たちのように下っ端の労働者になる。
どちらにしろ、地上とはおさらばしているのだ。
データにされるのは、殺されるよりはマシなのだろうか。
データから復活した人間がもう一度アイドルになれるのか、なれないのか。
いや、そもそもデータからもう一度産み出される機会があるのか。
【了】
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:14:42.75 :O5k8MW0Fo
P「……」
ロボ「……」
P「ロボ、第四区画の掃除は終わったの?」
ロボ「ウサ」
P「じゃあ、次は第二区画通気口のメンテナンスだ」
ロボ「ウサ」
P「……君たち三人にも名前がいるか」
ロボ「ウサ」
P「……」
ロボ「……」
P「ロボ、第四区画の掃除は終わったの?」
ロボ「ウサ」
P「じゃあ、次は第二区画通気口のメンテナンスだ」
ロボ「ウサ」
P「……君たち三人にも名前がいるか」
ロボ「ウサ」
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:15:09.98 :O5k8MW0Fo
P「ウサミンロボにしよう」
ロボ「ウサ」
P「いい名前だろ?」
ロボ「ウサ」
P「気に入ってくれて僕も嬉しい」
ロボ「ウサ」
P「君が一号、隣の君が二号、そっちの君が三号だ」
一号「ウサ」
二号「ウサ」
三号「ウサ」
P「ウサミンロボにしよう」
ロボ「ウサ」
P「いい名前だろ?」
ロボ「ウサ」
P「気に入ってくれて僕も嬉しい」
ロボ「ウサ」
P「君が一号、隣の君が二号、そっちの君が三号だ」
一号「ウサ」
二号「ウサ」
三号「ウサ」
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:15:37.10 :O5k8MW0Fo
B「何やってんだ、お前。ロボと遊びやがって」
P「名前、つけた方が呼びやすいと思って……」
B「馬鹿か? こんなの、どれでも一緒だろ」
P「待ってよ」
B「あ?」
P「一号は、二号より手先が器用なんだ」
B「は?」
P「三号は三人の中では一番力が強い」
B「何やってんだ、お前。ロボと遊びやがって」
P「名前、つけた方が呼びやすいと思って……」
B「馬鹿か? こんなの、どれでも一緒だろ」
P「待ってよ」
B「あ?」
P「一号は、二号より手先が器用なんだ」
B「は?」
P「三号は三人の中では一番力が強い」
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:16:04.54 :O5k8MW0Fo
B「何言ってんのお前?」
P「ちゃんと、よく見れば違いは……」
B「キモッ」
P「……」
B「勝手に遊んでろ、根暗野郎」
P「……」
A「何やってるお前ら、喧嘩じゃないだろうな」
B「おお、A、聞いてくれよ」
P「あ、あの、ロボに名前を付けようと」
B「この馬鹿……」
B「何言ってんのお前?」
P「ちゃんと、よく見れば違いは……」
B「キモッ」
P「……」
B「勝手に遊んでろ、根暗野郎」
P「……」
A「何やってるお前ら、喧嘩じゃないだろうな」
B「おお、A、聞いてくれよ」
P「あ、あの、ロボに名前を付けようと」
B「この馬鹿……」
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:16:32.55 :O5k8MW0Fo
A「確かに、ロボに名前を付けるのはいいアイデアだな」
B「え」
A「区別が付かないのは不便だろう」
B「あ、ああ、俺もそう思ってたんだ、なぁ、P」
P「え?」
B「なぁ、P?」
P「あ、う、うん」
A「さあ、仕事の時間はとっくに始まってるぞ、定期巡回はロボに任せて、君たちには君たちの仕事がある」
B「うぃー」
P「はい」
A「確かに、ロボに名前を付けるのはいいアイデアだな」
B「え」
A「区別が付かないのは不便だろう」
B「あ、ああ、俺もそう思ってたんだ、なぁ、P」
P「え?」
B「なぁ、P?」
P「あ、う、うん」
A「さあ、仕事の時間はとっくに始まってるぞ、定期巡回はロボに任せて、君たちには君たちの仕事がある」
B「うぃー」
P「はい」
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:16:58.74 :O5k8MW0Fo
【Bの個人日誌】
データの複製と実体化について、Aの許可を取ることにする
【了】
【Bの個人日誌】
データの複製と実体化について、Aの許可を取ることにする
【了】
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:17:27.11 :O5k8MW0Fo
P「……」
二号「ウサ」
二号「ウサ」
P「……どうしたの、ロボ?」
P「まだこんな時間……僕の当直時間はまだだよ」
二号「ウサウサ」
P「何かあったのかい? 異変があれば、コンピュータが直接通話してくるはずだけど……」
二号「ウサ」
P「わかった、信じるよ、二号」
二号「ウサ」
P「……」
二号「ウサ」
二号「ウサ」
P「……どうしたの、ロボ?」
P「まだこんな時間……僕の当直時間はまだだよ」
二号「ウサウサ」
P「何かあったのかい? 異変があれば、コンピュータが直接通話してくるはずだけど……」
二号「ウサ」
P「わかった、信じるよ、二号」
二号「ウサ」
16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:18:08.99 :O5k8MW0Fo
P「Bの部屋じゃないか、こんな所に何が」
???「!!」
P「今、何か聞こえた?」
二号「ウサ」
P「なんだよ、これ……」
B「……なんだ、Pか。何覗いてやがる」
P「ドアが開いてたから見えたんだけど……なに、してるんだ?」
B「見て、わかんねえのか?」
P「Bの部屋じゃないか、こんな所に何が」
???「!!」
P「今、何か聞こえた?」
二号「ウサ」
P「なんだよ、これ……」
B「……なんだ、Pか。何覗いてやがる」
P「ドアが開いてたから見えたんだけど……なに、してるんだ?」
B「見て、わかんねえのか?」
17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:18:36.33 :O5k8MW0Fo
P「……わかんないよ」
B「……馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、そこまで馬鹿だったか」
P「僕には、君が規律違反をしているように見える」
B「データの複製と実体化は別に違反じゃない」
P「え」
B「無断だと違反になるが、許可は取ってる。これくらいは裁量の範疇だ」
P「それだけじゃ……ないだろう」
P「……わかんないよ」
B「……馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、そこまで馬鹿だったか」
P「僕には、君が規律違反をしているように見える」
B「データの複製と実体化は別に違反じゃない」
P「え」
B「無断だと違反になるが、許可は取ってる。これくらいは裁量の範疇だ」
P「それだけじゃ……ないだろう」
18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:19:03.59 :O5k8MW0Fo
B「実体化したデータを俺がどう扱おうが俺の自由だ。それとも……」
B「てめえも一緒に楽しみたいのか?」
P「……泣いてるじゃないか」
B「は?」
P「その子を……アイドルを苛めるな」
B「はぁ?」
P「苛めるなぁっ!!」
B「なんなんだよ、てめぇはっ!!」
B「実体化したデータを俺がどう扱おうが俺の自由だ。それとも……」
B「てめえも一緒に楽しみたいのか?」
P「……泣いてるじゃないか」
B「は?」
P「その子を……アイドルを苛めるな」
B「はぁ?」
P「苛めるなぁっ!!」
B「なんなんだよ、てめぇはっ!!」
19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:19:30.10 :O5k8MW0Fo
【Aの個人日誌】
PとBの喧嘩。
Bの個人的娯楽をPが妨害した模様。
Pには罰として、ロボを使わずに第三区画の清掃をするように命じた。
Pの感情不安定について本部に報告する必要があるかもしれない。
【了】
【Aの個人日誌】
PとBの喧嘩。
Bの個人的娯楽をPが妨害した模様。
Pには罰として、ロボを使わずに第三区画の清掃をするように命じた。
Pの感情不安定について本部に報告する必要があるかもしれない。
【了】
20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:19:58.27 :O5k8MW0Fo
三号「ウサ」
P「ああ、ご飯だよ。君たちと違って、僕たちはこうやってエネルギーを補給するんだ」
三号「ウサウサ」
P「うん。食べ終わったら、次は君たちの補給を始めようか」
三号「ウサ」
P「……」
三号「……」
P「三号、君も椅子に座れ」
三号「ウサ?」
三号「ウサ」
P「ああ、ご飯だよ。君たちと違って、僕たちはこうやってエネルギーを補給するんだ」
三号「ウサウサ」
P「うん。食べ終わったら、次は君たちの補給を始めようか」
三号「ウサ」
P「……」
三号「……」
P「三号、君も椅子に座れ」
三号「ウサ?」
21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:20:24.85 :O5k8MW0Fo
P「足下にいるんじゃなくて、僕の対面に……そう、そこだ、その椅子に座っていてくれ」
三号「ウサ」
P「ここは食堂で、働く場所じゃない。君も椅子に座って寛ぐべきだ」
三号「ウサ……」
P「そうだ、それでいい。あとは、そうだな……君が世間話を出来るようになれば完璧だ」
三号「ウサウサウサ」
P「あはは……ん?」
三号「……」
P「あの子……」
P「足下にいるんじゃなくて、僕の対面に……そう、そこだ、その椅子に座っていてくれ」
三号「ウサ」
P「ここは食堂で、働く場所じゃない。君も椅子に座って寛ぐべきだ」
三号「ウサ……」
P「そうだ、それでいい。あとは、そうだな……君が世間話を出来るようになれば完璧だ」
三号「ウサウサウサ」
P「あはは……ん?」
三号「……」
P「あの子……」
22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:20:50.99 :O5k8MW0Fo
???「……」
P「やあ、君も食事かい?」
???「!!」
P「待って、落ち着いて、僕は君に危害を加える気はない。何もしない、何もしないよ」
???「……」
P「そう、ただ、ちょっと、君に話しかけたかっただけだ」
???「……」
P「……そうか、Bの食事を取りに来たのか……」
???「……」
P「待って、それって、一人分だよね、君の分は……」
???「……」
P「あ、あのさ、よかったら食べていかないか。君一人の食事くらいなら僕の信用単位でも……」
???「……」
P「やあ、君も食事かい?」
???「!!」
P「待って、落ち着いて、僕は君に危害を加える気はない。何もしない、何もしないよ」
???「……」
P「そう、ただ、ちょっと、君に話しかけたかっただけだ」
???「……」
P「……そうか、Bの食事を取りに来たのか……」
???「……」
P「待って、それって、一人分だよね、君の分は……」
???「……」
P「あ、あのさ、よかったら食べていかないか。君一人の食事くらいなら僕の信用単位でも……」
23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:21:17.47 :O5k8MW0Fo
【Pの個人日誌】
あの子は言った。僕に迷惑がかかる、と。
あの子はBのおこぼれを食べているだけだった。
あの子は食事を受け取らなかった。
だけど、あの子は笑ってくれた。
あの子のデータを見たと言ったとき、笑ってくれた。
あの子のライブを見たと言ったとき、笑ってくれた。
僕に、何が出来るのか
【了】
【Pの個人日誌】
あの子は言った。僕に迷惑がかかる、と。
あの子はBのおこぼれを食べているだけだった。
あの子は食事を受け取らなかった。
だけど、あの子は笑ってくれた。
あの子のデータを見たと言ったとき、笑ってくれた。
あの子のライブを見たと言ったとき、笑ってくれた。
僕に、何が出来るのか
【了】
24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:21:44.02 :O5k8MW0Fo
二号「ウサ」
P「ありがとう、ロボ」
三号「ウサ」
P「ああ、そこはもう少し右に」
A「何をやっているんだ? こんなところで」
P「邪魔、でしたか?」
A「いや、ここは予備区画だから、今すぐに開ける必要は無いが……一体何をしてるんだ?」
P「ステージです」
A「ステージ?」
二号「ウサ」
P「ありがとう、ロボ」
三号「ウサ」
P「ああ、そこはもう少し右に」
A「何をやっているんだ? こんなところで」
P「邪魔、でしたか?」
A「いや、ここは予備区画だから、今すぐに開ける必要は無いが……一体何をしてるんだ?」
P「ステージです」
A「ステージ?」
25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:22:10.46 :O5k8MW0Fo
P「アイドルのステージですよ」
A「……ああ、君もデータの複製と実体化を申請するつもりか? 残念だが、君の信用単位では……」
P「いえ、申請するつもりはありません」
A「どういうことかな?」
P「Bが実体化させたアイドルのためです」
A「無理だろうな」
P「Bには僕から話します、だって、可哀想じゃ……」
A「そうじゃない」
P「アイドルのステージですよ」
A「……ああ、君もデータの複製と実体化を申請するつもりか? 残念だが、君の信用単位では……」
P「いえ、申請するつもりはありません」
A「どういうことかな?」
P「Bが実体化させたアイドルのためです」
A「無理だろうな」
P「Bには僕から話します、だって、可哀想じゃ……」
A「そうじゃない」
26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:22:36.63 :O5k8MW0Fo
P「え?」
A「昨日Bから報告があってね、あれは破棄されたよ」
P「え」
A「無反応になってつまらない。とBは言っていたがね。資材がもったいないとは、私も思うよ」
P「……」
A「だが、彼の信用単位で許される範囲の浪費だ。クレームはつけられないな」
P「……」
一号「ウサ?」
P「え?」
A「昨日Bから報告があってね、あれは破棄されたよ」
P「え」
A「無反応になってつまらない。とBは言っていたがね。資材がもったいないとは、私も思うよ」
P「……」
A「だが、彼の信用単位で許される範囲の浪費だ。クレームはつけられないな」
P「……」
一号「ウサ?」
27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:23:02.70 :O5k8MW0Fo
【Pの個人日誌】
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bが殺した
Bが殺した
Bが殺した
Bが殺した
Bが
Bが
【了】
【Pの個人日誌】
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bがあの子を殺した
Bが殺した
Bが殺した
Bが殺した
Bが殺した
Bが
Bが
【了】
28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:23:29.29 :O5k8MW0Fo
P「いいかい、一号、しっかりと覚えるんだ」
一号「ウサ」
P「酸素ボンベに赤いライン。これは三時間分の酸素」
一号「ウサ」
P「青いラインは一時間分だ」
一号「ウサ」
P「それじゃあ問題だ。僕ともう一人が船外活動中に救助を求めている」
P「僕のボンベは青いライン。もう一人のボンベは赤いラインだ。いいかい?」
一号「ウサ」
P「いいかい、一号、しっかりと覚えるんだ」
一号「ウサ」
P「酸素ボンベに赤いライン。これは三時間分の酸素」
一号「ウサ」
P「青いラインは一時間分だ」
一号「ウサ」
P「それじゃあ問題だ。僕ともう一人が船外活動中に救助を求めている」
P「僕のボンベは青いライン。もう一人のボンベは赤いラインだ。いいかい?」
一号「ウサ」
29:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:23:55.30 :O5k8MW0Fo
P「キミはどちらを先に助けるべきだい?」
一号「ウサ」
ウサミンロボ一号はPを指さす。
P「そうだ、一号。よく出来たね。賢いぞ」
一号「ウサ~」
P「青いラインは一時間、赤いラインは三時間。いいね?」
一号「ウサ、ウサ」
P「いい子だ」
P「キミはどちらを先に助けるべきだい?」
一号「ウサ」
ウサミンロボ一号はPを指さす。
P「そうだ、一号。よく出来たね。賢いぞ」
一号「ウサ~」
P「青いラインは一時間、赤いラインは三時間。いいね?」
一号「ウサ、ウサ」
P「いい子だ」
30:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:24:21.87 :O5k8MW0Fo
【Pの個人日誌】
仕掛けは終わった
あとは機会を待つ
【了】
【Pの個人日誌】
仕掛けは終わった
あとは機会を待つ
【了】
31:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:24:50.86 :O5k8MW0Fo
P「え……」
A「君が一号と呼んでいたロボを破壊処理した、と言ったのだ」
P「何故……」
A「三日前のBの死亡事故の件だ。ロボによるミスのための事故だと結論される」
P「ロボの……ミス」
A「ボンベの酸素残量を何故か間違って記憶していたらしい。初期設定の手違いとも思えないからな」
P「そんな」
A「記憶が失われるならまだしも、記憶が間違えられているというのは大問題だ」
P「で、でも、稼働一旦停止ぐらいで」
A「ロボが貴重な労働力であるのはわかるが、危険が大きすぎる。事後報告になってしまったがよろしく頼むよ」
P「え……」
A「君が一号と呼んでいたロボを破壊処理した、と言ったのだ」
P「何故……」
A「三日前のBの死亡事故の件だ。ロボによるミスのための事故だと結論される」
P「ロボの……ミス」
A「ボンベの酸素残量を何故か間違って記憶していたらしい。初期設定の手違いとも思えないからな」
P「そんな」
A「記憶が失われるならまだしも、記憶が間違えられているというのは大問題だ」
P「で、でも、稼働一旦停止ぐらいで」
A「ロボが貴重な労働力であるのはわかるが、危険が大きすぎる。事後報告になってしまったがよろしく頼むよ」
32:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:25:19.04 :O5k8MW0Fo
【Pの個人日誌】
僕が一号を殺した
違う
違う
一号を殺したのはAだ
【了】
【Pの個人日誌】
僕が一号を殺した
違う
違う
一号を殺したのはAだ
【了】
33:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:25:45.79 :O5k8MW0Fo
二号「ウサ」
三号「ウサ」
P「……うん。僕たち三人だけになったね」
二号「ウサ」
P「データを実体化させれば賑やかになるかも知れないけれど」
三号「ウサ」
P「うん。ここで生まれても、行く場所なんてない」
P「いずれ、地上から連絡が来る。それまで……」
P「……二号、三号……君たちの稼働限界は?」
二号「ウサ?」
二号「ウサ」
三号「ウサ」
P「……うん。僕たち三人だけになったね」
二号「ウサ」
P「データを実体化させれば賑やかになるかも知れないけれど」
三号「ウサ」
P「うん。ここで生まれても、行く場所なんてない」
P「いずれ、地上から連絡が来る。それまで……」
P「……二号、三号……君たちの稼働限界は?」
二号「ウサ?」
34:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:26:12.05 :O5k8MW0Fo
【Pの個人日誌】
Bはウサミンロボにデータを実体化をさせていた。
宇宙船は、ウサミンロボだけでも動かすことが出来る。
だったら答えは、一つだ。
【了】
【Pの個人日誌】
Bはウサミンロボにデータを実体化をさせていた。
宇宙船は、ウサミンロボだけでも動かすことが出来る。
だったら答えは、一つだ。
【了】
35:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:26:38.21 :O5k8MW0Fo
P「明日、地上からの定期通信が来る予定だ」
P「ウサミンロボ、君たちはデータと共に行くんだ」
P「もう、僕たちの星にアイドルはいない」
P「君たちが、アイドルを守るんだ」
P「君たちが旅立った後、僕は残ったモジュールを爆発させる」
P「君たちは誰も追えない」
P「人間には不可能な速度で進むんだ、いいね」
P「アイドル以外の人間のデータもある。君たちならそれを読み込んで自分のものに出来るだろう」
P「いろいろな知識が君たちを助けるよ」
P「遠いどこかで、君たちがもう一度アイドルを……人間を、蘇らせてくれ」
P「ウサミンロボ。アイドルたちによろしく」
P「明日、地上からの定期通信が来る予定だ」
P「ウサミンロボ、君たちはデータと共に行くんだ」
P「もう、僕たちの星にアイドルはいない」
P「君たちが、アイドルを守るんだ」
P「君たちが旅立った後、僕は残ったモジュールを爆発させる」
P「君たちは誰も追えない」
P「人間には不可能な速度で進むんだ、いいね」
P「アイドル以外の人間のデータもある。君たちならそれを読み込んで自分のものに出来るだろう」
P「いろいろな知識が君たちを助けるよ」
P「遠いどこかで、君たちがもう一度アイドルを……人間を、蘇らせてくれ」
P「ウサミンロボ。アイドルたちによろしく」
36:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:27:04.97 :O5k8MW0Fo
【Pの個人日誌】
(データは全て破棄されている)
【了】
【Pの個人日誌】
(データは全て破棄されている)
【了】
37:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:27:40.66 :O5k8MW0Fo
長い長い刻が過ぎました。
ウサミンロボは、一つの星を見つけました。
人間が生きていくことの出来る星。
ウサミンロボは、データを実体化しました。
人間たちを助け、ウサミンロボは頑張りました。
ウサミンロボに護られた人間たちは、その星を「ウサミン星」と名付けました。
ウサミンロボが稼働限界を迎えて眠りについた頃、人間はロボたちを星の守護神と呼んでいました。
ロボたちは、人間たちの守り神として語り継がれていったのです。
長い長い刻が過ぎました。
ウサミンロボは、一つの星を見つけました。
人間が生きていくことの出来る星。
ウサミンロボは、データを実体化しました。
人間たちを助け、ウサミンロボは頑張りました。
ウサミンロボに護られた人間たちは、その星を「ウサミン星」と名付けました。
ウサミンロボが稼働限界を迎えて眠りについた頃、人間はロボたちを星の守護神と呼んでいました。
ロボたちは、人間たちの守り神として語り継がれていったのです。
38:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:28:06.43 :O5k8MW0Fo
やがて…………
一人のウサミン星人が地球を訪れます。アイドルとして。
そして、プロデューサーと出会い、アイドル仲間と出会います。
「よし、出来た。ウサミンデザインの、ウサちゃんロボだ」
「さすが晶葉ちゃんですね」
「しかし、ウサミンにこんなデザインセンスがあったとは」
「ウサミン星人なら皆知っている、ウサミン星人の守り神さまですよ」
「ふーん、こんなのが」
「こんなの、じゃないです」
やがて…………
一人のウサミン星人が地球を訪れます。アイドルとして。
そして、プロデューサーと出会い、アイドル仲間と出会います。
「よし、出来た。ウサミンデザインの、ウサちゃんロボだ」
「さすが晶葉ちゃんですね」
「しかし、ウサミンにこんなデザインセンスがあったとは」
「ウサミン星人なら皆知っている、ウサミン星人の守り神さまですよ」
「ふーん、こんなのが」
「こんなの、じゃないです」
39:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:28:36.92 :O5k8MW0Fo
……ロボ、アイドルによろしく
……ロボ、アイドルによろしく
40:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 00:29:03.69 :O5k8MW0Fo
知らない男の声が聞こえたような気がして、菜々と晶葉は一瞬、顔を見合わせたのでした。
知らない男の声が聞こえたような気がして、菜々と晶葉は一瞬、顔を見合わせたのでした。
41: ◆NOC.S1z/i2:2015/04/30(木) 00:31:23.30 :O5k8MW0Fo
以上、お粗末様でした
初見でめちゃくちゃ泣いた「サイレントランニング」
大好きな映画を元ネタにしてSSやってみたかったんです
後悔はしていない
以上、お粗末様でした
初見でめちゃくちゃ泣いた「サイレントランニング」
大好きな映画を元ネタにしてSSやってみたかったんです
後悔はしていない
42:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 03:30:05.28 :XPBRFzA+O
よかった
43:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 03:42:18.24 :Xm8OlyMao
乙!
ウサミン星のこういうこと描かれ方は何か壮大でいいな
ウサミン星のこういうこと描かれ方は何か壮大でいいな