1:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:00:09.80 :cO9ADCLDO
多少の鬱展開を含みます
苦手な方は避けてください
多少の鬱展開を含みます
苦手な方は避けてください
2:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:00:37.59 :cO9ADCLDO
はかせ「うん...」
なの「今日の晩ご飯は、はかせの好きな山菜と、三本向こうの道に生えてるキノコと、なんと猪肉です!」
はかせ「豪華...だね」
なの「はい! 頑張ったんですよ~。猪、すごい逃げるから、途中で小指飛んでいっちゃって...」
はかせ「あれ、取れないようにしなかったっけ...?」
なの「うーん、たぶん仕掛けのところが錆びちゃったんじゃないですかねえ」
はかせ「...はかせ、腕落ちちゃったかも」
なの「誰にでもミスはありますよ。私なんて、はかせには到底及びません」
はかせ「うん...」
なの「今日の晩ご飯は、はかせの好きな山菜と、三本向こうの道に生えてるキノコと、なんと猪肉です!」
はかせ「豪華...だね」
なの「はい! 頑張ったんですよ~。猪、すごい逃げるから、途中で小指飛んでいっちゃって...」
はかせ「あれ、取れないようにしなかったっけ...?」
なの「うーん、たぶん仕掛けのところが錆びちゃったんじゃないですかねえ」
はかせ「...はかせ、腕落ちちゃったかも」
なの「誰にでもミスはありますよ。私なんて、はかせには到底及びません」
3:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:01:11.81 :cO9ADCLDO
はかせ「ご馳走...」
なの「ご馳走様でした。もうお腹いっぱいです~」
はかせ「...」
なの「そういえば、はかせ、昔はご飯の前にお菓子食べちゃって、完食できないことが結構ありましたよね」
はかせ「...あの頃はごめんね。せっかくなのが作ってくれてたのに」
なの「いいんですよ。今はこうして全部食べてくれることが何よりの幸せです」
はかせ「ご馳走...」
なの「ご馳走様でした。もうお腹いっぱいです~」
はかせ「...」
なの「そういえば、はかせ、昔はご飯の前にお菓子食べちゃって、完食できないことが結構ありましたよね」
はかせ「...あの頃はごめんね。せっかくなのが作ってくれてたのに」
なの「いいんですよ。今はこうして全部食べてくれることが何よりの幸せです」
4:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:01:46.99 :cO9ADCLDO
はかせ「...ねえ、なの」
なの「何ですか?」
はかせ「...実は、今日なんだ」
なの「...え?」
はかせ「これが最後の晩餐、って言うのかも...」
なの「...もう、何言ってるんですか!? からかわないでください!」
はかせ「からかってないよ?」
なの「嘘です!」
はかせ「嘘じゃないよ?」
なの「だって、だって...うぅ...」グスッ
はかせ「なの...」ナデナデ
なの「まだですよ...だって、だって...私、一人になっちゃう...」
はかせ「...ごめんね」
はかせ「...ねえ、なの」
なの「何ですか?」
はかせ「...実は、今日なんだ」
なの「...え?」
はかせ「これが最後の晩餐、って言うのかも...」
なの「...もう、何言ってるんですか!? からかわないでください!」
はかせ「からかってないよ?」
なの「嘘です!」
はかせ「嘘じゃないよ?」
なの「だって、だって...うぅ...」グスッ
はかせ「なの...」ナデナデ
なの「まだですよ...だって、だって...私、一人になっちゃう...」
はかせ「...ごめんね」
5:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:02:38.19 :cO9ADCLDO
なの「本当に...今日なんですか?」
はかせ「うん...あと一時間もないかも」
なの「そんな...なんで、もっと早く言ってくれなかったんですか? こんな料理じゃ...」
はかせ「ううん。凄く美味しかった。絶品だったかも」
なの「でも、でも...」
はかせ「それにね...なのには、できるだけいつもどおりでいて欲しかったの」
なの「そんなの...無理ですよぉ」グスッ
なの「本当に...今日なんですか?」
はかせ「うん...あと一時間もないかも」
なの「そんな...なんで、もっと早く言ってくれなかったんですか? こんな料理じゃ...」
はかせ「ううん。凄く美味しかった。絶品だったかも」
なの「でも、でも...」
はかせ「それにね...なのには、できるだけいつもどおりでいて欲しかったの」
なの「そんなの...無理ですよぉ」グスッ
6:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:05:17.34 :cO9ADCLDO
----------
-----
---
-
今から千年と数百年前、人類は滅亡してしまった
気候変動により、徐々に人類が対応できない環境になってしまったからだ
でも、私は...私達は違った
ロボットだからだ
はかせも自身ロボットだということは、人類が絶滅するちょっと前に聞いた
そして、私が作られた目的もその時聞いた
大昔、人類は滅亡した
それを補おうと、はかせは忠実に『人』を大量に作った
でも、いずれ来る人類滅亡の時に、一人で残されるのが怖い
...その時のために、『人』ではない私は作られた
-
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今から千年と数百年前、人類は滅亡してしまった
気候変動により、徐々に人類が対応できない環境になってしまったからだ
でも、私は...私達は違った
ロボットだからだ
はかせも自身ロボットだということは、人類が絶滅するちょっと前に聞いた
そして、私が作られた目的もその時聞いた
大昔、人類は滅亡した
それを補おうと、はかせは忠実に『人』を大量に作った
でも、いずれ来る人類滅亡の時に、一人で残されるのが怖い
...その時のために、『人』ではない私は作られた
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7:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:05:43.03 :cO9ADCLDO
はかせ「なの...」
なの「...はい」
はかせ「怒ってる?」
なの「グスッ...何にですか?」
はかせ「はかせが...なのを作ったこと」
なの「いいえ...むしろ感謝してます」
はかせ「へ...?」
なの「おかげで、学校のみんなと出会うことができました。坂本さんと出会うことができました」
なの「出会いは、私の心を豊かにしてくれました」
なの「その分、別れも辛かったですけど...それでも、それが無ければ良かったなんて思ったことはありません」
なの「それに...はかせがいましたから」
はかせ「はかせ...?」
なの「はい。はかせは、私にいろいろ教えてくれました。物の名前や技術、それに...心です」
はかせ「えへへ、褒められちゃった...」
なの「...はかせ」
はかせ「なに...?」
なの「一人に、しないでください...ううぅぅ」
はかせ「...ごめんね、なの」
はかせ「なの...」
なの「...はい」
はかせ「怒ってる?」
なの「グスッ...何にですか?」
はかせ「はかせが...なのを作ったこと」
なの「いいえ...むしろ感謝してます」
はかせ「へ...?」
なの「おかげで、学校のみんなと出会うことができました。坂本さんと出会うことができました」
なの「出会いは、私の心を豊かにしてくれました」
なの「その分、別れも辛かったですけど...それでも、それが無ければ良かったなんて思ったことはありません」
なの「それに...はかせがいましたから」
はかせ「はかせ...?」
なの「はい。はかせは、私にいろいろ教えてくれました。物の名前や技術、それに...心です」
はかせ「えへへ、褒められちゃった...」
なの「...はかせ」
はかせ「なに...?」
なの「一人に、しないでください...ううぅぅ」
はかせ「...ごめんね、なの」
8:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:06:12.00 :cO9ADCLDO
なの「...私は、どうすればいいんでしょう?」
はかせ「え...?」
なの「私も、ロボットを作ればいいのかもしれません。でも、私はまだまだ技術が足りないから、私よりも早く停止してしまいます」
なの「結局...最後は一人です」
はかせ「大丈夫。何回も作れば、なのも上手になるよ」
なの「でも...」
はかせ「なの、料理上手だったもん」
なの「...」
なの「...私は、どうすればいいんでしょう?」
はかせ「え...?」
なの「私も、ロボットを作ればいいのかもしれません。でも、私はまだまだ技術が足りないから、私よりも早く停止してしまいます」
なの「結局...最後は一人です」
はかせ「大丈夫。何回も作れば、なのも上手になるよ」
なの「でも...」
はかせ「なの、料理上手だったもん」
なの「...」
9:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:06:39.66 :cO9ADCLDO
はかせ「...なの?」
なの「もっと...もっと良い料理を作ればよかった...」
なの「もっとはかせと遊んどけばよかった...」
なの「もっと色々教えてもらえばよかった...」
なの「もっと、もっと...はかせ...」
はかせ「...ねえ、なの。お願いがあるの」
なの「うぅ...何ですか?」
はかせ「いつもみたいに、一緒にお昼寝して欲しいかも...」
なの「でも...いえ、分かりました」
はかせ「...なの?」
なの「もっと...もっと良い料理を作ればよかった...」
なの「もっとはかせと遊んどけばよかった...」
なの「もっと色々教えてもらえばよかった...」
なの「もっと、もっと...はかせ...」
はかせ「...ねえ、なの。お願いがあるの」
なの「うぅ...何ですか?」
はかせ「いつもみたいに、一緒にお昼寝して欲しいかも...」
なの「でも...いえ、分かりました」
10:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:07:10.05 :cO9ADCLDO
はかせ「えへへ、やっぱり、なのと寝るの好きかも」
なの「私もですよ。でも、このネジがあるせいで、ずっと寝づらいです」
はかせ「でも、それが可愛いんだもん...」
なの「ふふ、はいはい」
はかせ「...ねえ、なの」
なの「何ですか?」
はかせ「生まれてくれて、ありがとう...」
なの「はかせ...」
はかせ「おやすみ...」
なの「...おやすみなさい、はかせ。大好きです」
はかせ「えへへ、やっぱり、なのと寝るの好きかも」
なの「私もですよ。でも、このネジがあるせいで、ずっと寝づらいです」
はかせ「でも、それが可愛いんだもん...」
なの「ふふ、はいはい」
はかせ「...ねえ、なの」
なの「何ですか?」
はかせ「生まれてくれて、ありがとう...」
なの「はかせ...」
はかせ「おやすみ...」
なの「...おやすみなさい、はかせ。大好きです」
11:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:07:40.33 :cO9ADCLDO
なの「...んん、あ、もう朝だ。ご飯作らないと」
なの「はかせ、起きてください。はかせ~」
なの「...はかせ、起きてくださいよ」
なの「お寝坊は...ううっ、ゆる...許しませんから...ひっく」
なの「はかせ...」
なの「...んん、あ、もう朝だ。ご飯作らないと」
なの「はかせ、起きてください。はかせ~」
なの「...はかせ、起きてくださいよ」
なの「お寝坊は...ううっ、ゆる...許しませんから...ひっく」
なの「はかせ...」
12:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:08:33.30 :cO9ADCLDO
なの「...はかせ、私、どうすればいいんでしょう?」
なの「分からないけど...でも、何かしないと、私が昨日停止した時に、天国ではかせに怒られちゃう」
なの「まずは...はかせのお墓作りかな」
なの「...はかせ、私、どうすればいいんでしょう?」
なの「分からないけど...でも、何かしないと、私が昨日停止した時に、天国ではかせに怒られちゃう」
なの「まずは...はかせのお墓作りかな」
13:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:09:04.38 :cO9ADCLDO
なの「...ふう、できた。はかせの...新しいおうちですよ」
なの「毎日会いに来ます」
なの「毎日おしゃべりしましょう」
なの「私...はかせのこと、忘れません。忘れられません」
なの「...ふう、できた。はかせの...新しいおうちですよ」
なの「毎日会いに来ます」
なの「毎日おしゃべりしましょう」
なの「私...はかせのこと、忘れません。忘れられません」
14:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:09:46.53 :cO9ADCLDO
なの「いただきます」
なの「...」モグモグ
なの(やっぱり、一人で食べるご飯は寂しいな...)
なの「お友達...欲しいな」ボソッ
なの「いただきます」
なの「...」モグモグ
なの(やっぱり、一人で食べるご飯は寂しいな...)
なの「お友達...欲しいな」ボソッ
15:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:10:23.92 :cO9ADCLDO
なの「...できた!」
1号「コンニチハ。ワタシハ、ロボットイチゴウ!」
なの「こんにちは! うふふ、これから色んなこと教えてあげるね!」
なの「そうだ、はかせに紹介しよう」
なの「はかせ。私の新しい友達、ロボット1号です。これからはイチローと呼びたいと思います」
なの(あ、でも、昔のすごいスポーツ選手でイチローさんっていたような...まあいいか)
1号「ナノサン」
なの「うん、何?」
1号「コレハナンデスカ?」
なの「えっとね、それは---」
なの「...できた!」
1号「コンニチハ。ワタシハ、ロボットイチゴウ!」
なの「こんにちは! うふふ、これから色んなこと教えてあげるね!」
なの「そうだ、はかせに紹介しよう」
なの「はかせ。私の新しい友達、ロボット1号です。これからはイチローと呼びたいと思います」
なの(あ、でも、昔のすごいスポーツ選手でイチローさんっていたような...まあいいか)
1号「ナノサン」
なの「うん、何?」
1号「コレハナンデスカ?」
なの「えっとね、それは---」
16:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:11:16.38 :cO9ADCLDO
なの「...また壊れちゃった」
なの「九十九くん、今までで一番長く行きててくれたな...」
なの「イチローなんて、一週間くらいで死んじゃって...」
なの「うう...もうやだよ」
なの「これじゃ、私が殺してるみたいだよ...」
なの「結局...ずっと、一人ぼっち」
なの「...また壊れちゃった」
なの「九十九くん、今までで一番長く行きててくれたな...」
なの「イチローなんて、一週間くらいで死んじゃって...」
なの「うう...もうやだよ」
なの「これじゃ、私が殺してるみたいだよ...」
なの「結局...ずっと、一人ぼっち」
17:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:11:46.81 :cO9ADCLDO
なの「...できた。起きて、ひゃっくん」
100号「んん~...あれ、ここはどこ?」
なの「!」
なの(凄い...初めて滑らかに喋る子ができた)
なの「ここはね、東雲家だよ」
100号「東雲家...」
なの「そうだよ」
100号「僕は?...僕は誰?」
なの「君はね、ひゃっくん。ロボット100号だから、ひゃっくん」
100号「ひゃっくん...そうだ! 君の名前は?」
なの「私はね...」
?(...あれ?)
100号「? どうしたの?」
?「え、あの、あれ?」
なの(...私は誰? 名前すらも分からない。今までで、私に興味を持ってくれるような子を作れなかったから...自分の事なんてどうでも良くて...)
100号「?」
?「私は...」
はかせ2「...私はね、はかせ」
100「はかせ?」
はかせ2「そうだよ。私があなたを作ったの」
100「そうなの!? ありがとう、はかせ!」
はかせ2「こちらこそ、生まれてくれて、ありがとう!」
なの「...できた。起きて、ひゃっくん」
100号「んん~...あれ、ここはどこ?」
なの「!」
なの(凄い...初めて滑らかに喋る子ができた)
なの「ここはね、東雲家だよ」
100号「東雲家...」
なの「そうだよ」
100号「僕は?...僕は誰?」
なの「君はね、ひゃっくん。ロボット100号だから、ひゃっくん」
100号「ひゃっくん...そうだ! 君の名前は?」
なの「私はね...」
?(...あれ?)
100号「? どうしたの?」
?「え、あの、あれ?」
なの(...私は誰? 名前すらも分からない。今までで、私に興味を持ってくれるような子を作れなかったから...自分の事なんてどうでも良くて...)
100号「?」
?「私は...」
はかせ2「...私はね、はかせ」
100「はかせ?」
はかせ2「そうだよ。私があなたを作ったの」
100「そうなの!? ありがとう、はかせ!」
はかせ2「こちらこそ、生まれてくれて、ありがとう!」
18:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:12:56.32 :cO9ADCLDO
はかせ2「...ねえ、りと」
りと「何ですか? はかせ」
はかせ2「...今日が、あの日なんだ」
はかせ2「...ねえ、りと」
りと「何ですか? はかせ」
はかせ2「...今日が、あの日なんだ」
19:いいいい ◆CcW4KPdZhU:2015/12/05(土) 22:13:37.48 :cO9ADCLDO
以上です
以上です
20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/12/05(土) 23:17:44.40 :tPfHxflqO
乙ですじゃ。日常のSSは題材がほのぼのしているためかシリアスな話が映えますじゃ。あと、はかせ凄すぎですじゃ
乙ですじゃ。日常のSSは題材がほのぼのしているためかシリアスな話が映えますじゃ。あと、はかせ凄すぎですじゃ
21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/12/05(土) 23:20:40.99 :1fvYSX7ZO
なの(...私は誰? 名前すらも分からない。
これ中の人か。お大事に。
なの(...私は誰? 名前すらも分からない。
これ中の人か。お大事に。