提督「不覚…」

提督「風邪を引いてしまうとは…」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

提督「情けない…」



コンコン――



提督「ん？」


早霜『早霜です』


提督「どうぞ」



ガチャ―――



早霜「おはようございます」

提督「おはよう」

提督「どうした？」

早霜「司令官が風邪を引いてしまったと…伺ったので」

早霜「看病にとでも…ふふ」

提督「おぉ…そうか」

提督「でもせっかくで悪いがうつすと悪いから大丈夫だ」

早霜「いえいえ」

早霜「大丈夫です」

早霜「艦娘は風邪…引かないんです」

提督（朝霜が引いていたんだよなぁ…）

早霜「では早速…取り掛かりましょうか」ｶﾞｻｺﾞｿ

提督「ん？」

早霜「えー…っと」ｺﾞｿｺﾞｿ

提督（下げていたバックを漁っている…）

早霜「三つ…」

提督「え」

早霜「ふふ…三つご用意しました」

提督「なにを？」

早霜「ふふふ…」

早霜「まず一つ目が…コチラ」ｺﾞｿｯ

早霜「ナース服」

提督「それで！」

早霜「…………」

早霜「…いささか早計では？」

提督「いーや、こればっかりは揺るがないね！」

早霜「そうでしょうか…？」

早霜「せっかくですし見るだけでも」

提督「まぁ、そうだな」

提督「変わらないとは思うけど」

早霜「ふふ…どうでしょう」

提督（余程自信があると見えるな…さてさて）

早霜「では…」

早霜「二つ目…」ｺﾞｿｯ

早霜「古き良き…割烹着」

提督「なん…だと」

提督（どうせメイド服あたりだろうと踏んでいたが…）

提督（意外や意外…これは一発やられちまったぜ…）

早霜「ふふ…司令官」

早霜「迷っていますね？」

提督「………」

提督「…正直な」

早霜「ふふ…素直ですね」

提督「そこが俺の唯一の取柄だ」

早霜「…そんなことないですよ」

早霜「司令官は…もっといいとこ…あります」

提督「はは、ありがとう」

早霜「いえ…」

提督「…それで、三つ目は」

早霜「はい」

早霜「………」

提督「？」

早霜「み、三つ目は…こ、コレです」ｺﾞｿｯ

早霜「み…水着エプロン…です///」

提督「ひょぉ…」

早霜「…///」うつむき

提督（まさか明石スタイルだとは…）

提督（驚き過ぎて変な声出ちまった）

提督（夏が終わり肌色の季節が終わったとみせかけた高度な奇襲）

提督（なんてっこったい…）

提督（ナース服が霞んでしまうなんて…）

早霜「さ…司令官…お好きなものを」三着かかげー

提督「うーむ…」

提督（気持ち水着エプロンを隠し気味に掲げているのが最高に可愛い）

提督「そうだなぁ…ここは」

早霜「………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

提督「割烹着でいこうか」

早霜「…！」

早霜「分かりました…」

早霜「では…少々お待ちを…」

提督「うむ」



バタン―――



提督「はぁ…」

提督（水着着て変に風邪引かれたりしたら困るし）

提督（ナースは落ち着かくなりそうだし）

提督（これでよかったんや…これで…）

提督「あぁ…」

提督（でも…）

提督（水着エプロン一択だよなぁ…）



コンコン―――



提督（来たか…）

提督「はい」

早霜『失礼します…』



ガチャ―――



提督「おぉ…」

早霜「ど…どうでしょう？」

提督「………」

早霜「…司令官？」

提督「……ぃぃ」

早霜「…へ？」

提督「かわいい」

早霜「……///」

提督「割烹着にして良かった」

提督「よく似あっている」

早霜「そうですか…？」

提督「あぁ」

早霜「うふふ」

早霜「では、司令官」

提督「はい」

早霜「看病…してあげますね」

提督「はい」

早霜「まずは熱を測りましょう」

提督「はい」

早霜「では…」前髪かき上げ

提督「へ？」


おでこぴたっ―――


提督「ちょっ」ｶｵﾁｶｲﾖｰ

早霜「…じっとしていてくださいね」

提督「はひ…」

早霜「………」

提督「………」

早霜「ふぅ…そこまで熱は…無さそうね…」

提督「それはそれは…」

提督（照れて顔が熱いんだが…）

提督（ていうか）

早霜「…///」ｶｵﾏｯｶ

提督（よく見たら早霜も顔真っ赤じゃねぇか！！）

提督（恥ずかしかったんかい！）

早霜「一応…濡れタオル当てておきましょうか」

提督「頼んだ」

早霜「よいしょ…」ぎゅー

早霜「はい…では」タオル置きー

提督「おぉ…冷たくて気持ちがいい」

早霜「ふふ…」

提督「……あー」

早霜「…どうかしました？」

提督「ちょっと眠いかも…」

早霜「ふふ…お構いなく」

提督「悪いな」

早霜「いえ…」

早霜「休んでもらわないと…治りませんので」

提督「そうだな…」

早霜「布団一枚では…寒くありません？」

提督「まぁ、大丈夫かな…」

早霜「そうですか」

提督「んじゃ、悪いが寝させてもらう」

早霜「はい」

提督「おやすみ…」

早霜「おやすみなさい…ふふ」


提督「………」

提督「すぅ…すぅ…」

早霜「寝てしまいましたね…」

早霜「さて…今のうちに」

数時間が経ち――――


提督「……んぁ」

早霜「お目覚めですか」

提督「おぉ…早霜…」

早霜「はい…お水」

提督「…悪いな」

提督「んぐ…」ｺﾞｸｺﾞｸ

早霜「気分はいかが…？」

提督「だいぶ楽にはなったかな」

提督「体が少しダルいが、明日には治りそうだな」

早霜「それは良かったわ…」


提督の腹『ぐるるるー！』

提督「お」

早霜「うふふ…」

提督「朝から何も食べてなかったからなぁ」

提督「腹減っちまったよ」

早霜「そうだろうと思って」

早霜「実は…準備してあるんです」

提督「おぉ…」

早霜「少々お待ちを…」

提督「おう」

しばらくして―――


早霜「おまたせしました…」

提督「わぁ」

早霜「定番の…おかゆですよ」トンッ

提督「おいしそうだ」ｺﾞｸﾘ

提督「それでは」

提督「いただきまーす」

提督「…ん？」

提督「あれ…匙がない」

早霜「ふふ…」

提督「早霜悪いけど匙が…」

早霜「いえ…ありますよ」

提督「へ？」

早霜「ここに」匙を構える

提督（まさか…）

早霜「司令官…」おかゆ掬い…

提督（まさかぁっ！？）

早霜「ふぅー…ふぅー…」

提督（食べさせてもらえるんですかぁ！！）

早霜「はい…」

提督「はむ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

早霜「熱く…ないですか？」

提督「あぁ、うまい」ニコッ

早霜「ふふ…よかったわ」

早霜「ふぅー…ふぅー…」

早霜「はい…」

提督「はむ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

――――――――
―――――――
――――――
―――――
――――

提督「ごちそうさま」手をあわせー

早霜「おそまつさまでした…」

提督「ありがとう、おいしかったよ」

早霜「そういってもらえると…作ったかいがあったわ」

提督「ふぅ…」

早霜「どうかしました…？」

提督「いや、早霜来てくれて良かったなって」

早霜「ふふ…そうでしょう」

提督「あぁ」

早霜「風邪に限らず…頼ってもらって構いませんよ」

提督「そうさせてもらおうかなぁ」

早霜「うふふ…」

提督（最近は笑顔を見せることが多くなってきたな）

早霜「…♪」ニコニコ

提督（かわいい）

早霜「さぁ司令官…横になって」

提督「はい」

早霜「…っしょ」タオルギュー

早霜「どうぞ…」頭にのせー

提督「ありがとう」

早霜「いえ…」

提督「ここまで至れり尽くせりなのは子供の時以来だな」

早霜「お母さん…みたいですか？」

提督「そうだな」

提督「その格好も相まって」

早霜「うふふ…」

提督「選んで正解だったよ」

早霜「そうでしょう…」

提督「あぁ」

早霜「男は皆…マザコンだと聞きましたので」

提督（誰に聞いたんだ…？まぁ、助言した奴はナイスだな）

提督「そうだな」

提督「母親が嫌いな男なんてそうそういない」

早霜「やっぱり…そうなんですね」

提督「早霜はいい母になれそうだな」

早霜「ふふ…そうでしょうか」

提督「あぁ」

早霜「ありがとうございます…」

提督「あ」

早霜「どうしました…？」

提督「悪いが早霜、薬取ってくれないか」

早霜「はい」

提督「そこの引き出しに入ってる」指さしー

早霜「分かりました…」ﾃｸﾃｸ


早霜「…どうぞ」

提督「ありがとう」

早霜「いえ」

早霜「水…準備してきますね」

提督「頼んだ」


早霜「はい…」

提督「ども」

提督「…んぐ」ｺﾞｯｸﾝ

提督「はぁ」

早霜「大丈夫…？」

提督「あぁ…」

提督「少し錠剤って飲むタイミング難しいよな」

早霜「飲んだことないので…なんとも」

提督「そうか」

提督「噛まずに何か飲み込むのって違和感があるんだ」

早霜「そうなのね…」

提督「だからといって顆粒状のやつは飲みやすいが口の中で広がって苦い」

早霜「色々とあるのね…」

提督「まぁな…」

早霜「タオル…変えますね」

提督「あぁ」

早霜「…っしょ」ｷﾞｭｰ

早霜「…どうぞ」

提督「ありがとう」

早霜「いえ」

提督「薬も飲んだし」

提督「また少し眠っていいかな」

早霜「えぇ…構いませんよ」

提督「すまないな…」

早霜「いえいえ…ふふ」

提督「…なにかおかしいか？」

早霜「いえ…こんな弱々しい司令官…あんまり見れないので」

提督「そうか…？」

早霜「えぇ」

提督「そうか…」

早霜「では…おやすみなさい」

提督「あぁ、おやすみ…」

数十分後―――



提督「……ん」

提督「あぁ…結構寝たかな？」

早霜「………すぅ」ｺｸｺｸ

提督「早霜…」

提督（座ったまま船を漕いで寝ているな…）

提督「よいっしょ」ｽｸｯ

提督「確か枕もう一個あったよな…」押入れ探しー

提督「あった」

提督「………」

提督「匂いは…」ｸﾝｸﾝ

提督「大丈夫かな…まぁオッサンの枕よりはマシだろ」

提督「ほーら、早霜さんや」

提督「横になって」

早霜「……んぅ」ｺﾞﾛﾝ

提督「畳の上ですまないが」

提督「一緒の布団だと色々と問題なのでな…」ｺﾞﾛﾝ

提督「………」じぃー

早霜「…すぅ…すぅ」

提督（かわいい）

提督「今日は朝からありがとうな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

早霜「…んふふ」にんまり

提督（かわいい）

早霜「…すぅ…すぅ」

提督「起きるまで眺めておくか…」

しばらくして―――


早霜「………ん」

早霜「はっ」

提督「おはよう」ニヤリ

早霜「あ…」

早霜「お、おはようございます……///」

提督「かわいい寝顔だった」

早霜「そんなこと…///」

提督「いや、ホントに」

早霜「うぅ…///」

提督（かわいい）

提督「しかし、大分良くなった」

早霜「そうですか…」

提督「今から執務してもいいくらいだ」

早霜「無理しては…」

提督「あぁ、今日は休むけどな」

早霜「それなら…よかったわ」

提督「早霜のおかげだ、ありがとう」

早霜「いえいえ」

提督「早霜が風邪引いたときは看病しよう」

早霜「ふふ…司令官忘れたの？」

早霜「艦娘は…風邪引かないのよ」

提督「どうかなぁ…」

提督（だって朝霜ry）

早霜「それよりも…間宮さん」

早霜「一緒に行きましょう…」

提督「あぁ、分かった」

提督「いつ行こうか？」

早霜「司令官が大丈夫なら…明日はどうでしょう？」

提督「大丈夫だ」

早霜「ふふ…では明日」

提督「おう」

翌日―――


早霜「風邪…引いてしまったわ」コホッゴホッ

提督「………」

提督「やっぱり風邪引くじゃん！！」







おわり

ただ看病する様子を書いただけなんですがいかがだったでしょう？
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

すばら

乙！
すばら