1: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 22:19:52.99 :UBIhOAlo0
試験的な作品です.
自己満足のための投稿です.
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2: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 22:20:14.72 :UBIhOAlo0
コンコン。執務室のドアが鳴る。
霞「クズ司令官、作戦が終了したわ。報告を聞きなさい。」
提督「霞か、遠征はどうだった」
霞「成功よ。まったく、つまらない任務だわ」
提督「ご苦労。ゆっくり休んでくれ」
霞「ふん!」
霞は不機嫌そうに執務室を後にし、自分の部屋に戻る。
霞が不機嫌なのはいつものことであり、
提督は何事もなかったように、執務に戻る。
コンコン。執務室のドアが鳴る。
霞「クズ司令官、作戦が終了したわ。報告を聞きなさい。」
提督「霞か、遠征はどうだった」
霞「成功よ。まったく、つまらない任務だわ」
提督「ご苦労。ゆっくり休んでくれ」
霞「ふん!」
霞は不機嫌そうに執務室を後にし、自分の部屋に戻る。
霞が不機嫌なのはいつものことであり、
提督は何事もなかったように、執務に戻る。
3: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:00:38.50 :UBIhOAlo0
霞「あー! もう本当に嫌になる!」
満潮「また司令官に冷たく当たったの? 全く、いい加減仲良くすればいいのに」
霞「私だって、本当は仲良くしたい。でも・・・なんというか・・・」
大潮「素直じゃないねぇ。素直に、『司令官大好き!』とか言えばいいのに」
霞「そ、そういうのじゃないわよ! あんなクズを好きになるわけ・・・」
大潮「好きになるわけ?」
霞「・・・ああ! もう、大潮姉さんのいじわる!」
提督に対してきつい言葉をかける霞であるが、決して提督を嫌っているわけではない。
むしろ、提督の実直かつ臨機応変なところに、好意に近い思いさえ抱いていた。
しかし、不器用な霞は、その思いを素直に表に出すことができなかった。
霞「あー! もう本当に嫌になる!」
満潮「また司令官に冷たく当たったの? 全く、いい加減仲良くすればいいのに」
霞「私だって、本当は仲良くしたい。でも・・・なんというか・・・」
大潮「素直じゃないねぇ。素直に、『司令官大好き!』とか言えばいいのに」
霞「そ、そういうのじゃないわよ! あんなクズを好きになるわけ・・・」
大潮「好きになるわけ?」
霞「・・・ああ! もう、大潮姉さんのいじわる!」
提督に対してきつい言葉をかける霞であるが、決して提督を嫌っているわけではない。
むしろ、提督の実直かつ臨機応変なところに、好意に近い思いさえ抱いていた。
しかし、不器用な霞は、その思いを素直に表に出すことができなかった。
4: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:10:20.53 :UBIhOAlo0
霞「・・・というか、満潮姉さんは、どうやって司令官と仲良くなれたの?」
満潮「うん? 別に、普通にしているだけよ」
大潮「素直が一番! 朝潮姉さんを見てごらんよ」
朝潮「わ、私は普通に、尊敬する人に尊敬の念で接しているだけよ」
大潮「ほらね」
荒潮「うふふふふ」
霞「うーん・・・その『素直』が、私には難しいのよ」
好意は十二分にある。しかし、表現できない。
荒潮「そうだ! 今夜、みんなで提督に、自分の素直な気持ちを伝えに行きましょう」
大潮「いいね! みんなでやれば、霞も素直になれるんじゃない?」
霞「うん・・・それなら、たぶん・・・」
***
霞「・・・というか、満潮姉さんは、どうやって司令官と仲良くなれたの?」
満潮「うん? 別に、普通にしているだけよ」
大潮「素直が一番! 朝潮姉さんを見てごらんよ」
朝潮「わ、私は普通に、尊敬する人に尊敬の念で接しているだけよ」
大潮「ほらね」
荒潮「うふふふふ」
霞「うーん・・・その『素直』が、私には難しいのよ」
好意は十二分にある。しかし、表現できない。
荒潮「そうだ! 今夜、みんなで提督に、自分の素直な気持ちを伝えに行きましょう」
大潮「いいね! みんなでやれば、霞も素直になれるんじゃない?」
霞「うん・・・それなら、たぶん・・・」
***
5: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:10:53.58 :UBIhOAlo0
***
その日の夜、約束通り、執務室の前に集まる。
満潮「ならまず、私が見本を見せるわ」
霞「ちょ、ちょっと、みんなでお礼を言うって話じゃ」
荒潮「うふふふふ。自分の気持ちを伝えるのだから、一人ずつでしょ」
霞「そ、そんな・・・」
姉妹で提督の前に立って、姉と共に適当な言葉を言う。
そんなものと考えていた霞は、早くも不安になる。
きっとまた、その気もないのに罵倒してしまうのだろうと。
***
その日の夜、約束通り、執務室の前に集まる。
満潮「ならまず、私が見本を見せるわ」
霞「ちょ、ちょっと、みんなでお礼を言うって話じゃ」
荒潮「うふふふふ。自分の気持ちを伝えるのだから、一人ずつでしょ」
霞「そ、そんな・・・」
姉妹で提督の前に立って、姉と共に適当な言葉を言う。
そんなものと考えていた霞は、早くも不安になる。
きっとまた、その気もないのに罵倒してしまうのだろうと。
6: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:11:54.36 :UBIhOAlo0
満潮が執務室をノックする。
姉妹は満潮の様子を、隙間から器用に観察する。
満潮「失礼します」
提督「おお満潮、どうした?」
満潮「特に用って、わけでもないけど・・・」
満潮は、提督の椅子の真横へまっすぐ歩く。
満潮の顔は、すでに耳まで赤い。
そして、提督の顔を見て、言う。
満潮「司令官、いつもありがとう!」
照れ混じりの満面の笑みでもって、満潮は言った。
そして満潮は言い終えると、小走りで執務室から出て行った。
満潮が執務室をノックする。
姉妹は満潮の様子を、隙間から器用に観察する。
満潮「失礼します」
提督「おお満潮、どうした?」
満潮「特に用って、わけでもないけど・・・」
満潮は、提督の椅子の真横へまっすぐ歩く。
満潮の顔は、すでに耳まで赤い。
そして、提督の顔を見て、言う。
満潮「司令官、いつもありがとう!」
照れ混じりの満面の笑みでもって、満潮は言った。
そして満潮は言い終えると、小走りで執務室から出て行った。
7: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:12:22.95 :UBIhOAlo0
満潮「どうよ!」
荒潮「う〜ん、ちゅーまですれば、完璧だったのに」
満潮「ちょ、ちょっと、私にはまだ早いって」
霞「・・・・・・」
霞は、自分でも驚くほどのショックを受けた。
満潮を、自分と同じようなキツイ言葉をかける娘であると思っていた。
しかし、今の満潮は違う。
自分にはない輝きを放っていたのだ。
大潮「なら、次はこの2番艦大潮が!」
大潮は満潮に続いて、ドアをノックする。
満潮「どうよ!」
荒潮「う〜ん、ちゅーまですれば、完璧だったのに」
満潮「ちょ、ちょっと、私にはまだ早いって」
霞「・・・・・・」
霞は、自分でも驚くほどのショックを受けた。
満潮を、自分と同じようなキツイ言葉をかける娘であると思っていた。
しかし、今の満潮は違う。
自分にはない輝きを放っていたのだ。
大潮「なら、次はこの2番艦大潮が!」
大潮は満潮に続いて、ドアをノックする。
8: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:13:11.73 :UBIhOAlo0
大潮「失礼します!」
提督「おお、大潮。珍しいな」
大潮「えへへ・・・ねえ、司令官」
大潮は、提督と机を挟んで立つ。
さっきまでは、平静を保っていた。しかし実際に目の前に立つと、突然、心拍数が上がりだす。
大潮「・・・・・・ 」
提督「ん? どうした」
大潮はうつむきながら声にならない声を出す。
『司令官、好きです』
しかしその声はあまりに小さく、提督には聞こえない。
大潮「では! 失礼します!」
提督「おお!」
赤くなった顔を勢い良く上げ、大潮はそそくさと執務室から出て行く。
大潮「失礼します!」
提督「おお、大潮。珍しいな」
大潮「えへへ・・・ねえ、司令官」
大潮は、提督と机を挟んで立つ。
さっきまでは、平静を保っていた。しかし実際に目の前に立つと、突然、心拍数が上がりだす。
大潮「・・・・・・ 」
提督「ん? どうした」
大潮はうつむきながら声にならない声を出す。
『司令官、好きです』
しかしその声はあまりに小さく、提督には聞こえない。
大潮「では! 失礼します!」
提督「おお!」
赤くなった顔を勢い良く上げ、大潮はそそくさと執務室から出て行く。
9: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:13:39.76 :UBIhOAlo0
大潮「いやー、心臓がアゲアゲになっちゃったよ!」
満潮「失敗じゃない。何言ってんのか全く聞こえなかったわよ」
荒潮「うふふふふ。じゃあ、次は・・・」
朝潮「では、この1番艦朝潮。出ます!」
荒潮「あらあら・・・」
朝潮は荒潮を差し置き、執務室のドアの前に立つ。
荒潮「朝潮ちゃんも、結構ノリ気だったのね」
霞「単に真面目なだけでしょ」
***
大潮「いやー、心臓がアゲアゲになっちゃったよ!」
満潮「失敗じゃない。何言ってんのか全く聞こえなかったわよ」
荒潮「うふふふふ。じゃあ、次は・・・」
朝潮「では、この1番艦朝潮。出ます!」
荒潮「あらあら・・・」
朝潮は荒潮を差し置き、執務室のドアの前に立つ。
荒潮「朝潮ちゃんも、結構ノリ気だったのね」
霞「単に真面目なだけでしょ」
***
10: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:14:07.68 :UBIhOAlo0
***
コンコン。
ドアのノック音が、執務室に響く。
「失礼します!」
朝潮は執務室に入り、部屋の中央に立つ。
普段、任務の報告をする時と同じ位置である。
「どうした、朝潮。こんな時間に」
提督の声に、朝潮は無意識に頬を紅潮させた。
そして、体全体が熱くなるのを感じつつ、
思わず提督から目を伏せる。
今からやることは、決して義務ではない。
朝潮の、純粋な『願い』である。
「・・・おこがましいことは、承知なのですが・・・」
ドキドキドキドキ。
加速度的に速さを増す鼓動の調子を整えつつ、
朝潮は慎重に声を発する。
***
コンコン。
ドアのノック音が、執務室に響く。
「失礼します!」
朝潮は執務室に入り、部屋の中央に立つ。
普段、任務の報告をする時と同じ位置である。
「どうした、朝潮。こんな時間に」
提督の声に、朝潮は無意識に頬を紅潮させた。
そして、体全体が熱くなるのを感じつつ、
思わず提督から目を伏せる。
今からやることは、決して義務ではない。
朝潮の、純粋な『願い』である。
「・・・おこがましいことは、承知なのですが・・・」
ドキドキドキドキ。
加速度的に速さを増す鼓動の調子を整えつつ、
朝潮は慎重に声を発する。
11: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:14:51.11 :UBIhOAlo0
「・・・司令官を、ぎゅっと、しても、よろしいでしょうか」
照れくさい言葉を、朝潮は言い切った。
言い切れたという安心感をバネにして、朝潮は真っ赤な顔を上げ、
少量の涙と共に、提督をまっすぐ見つめる。
朝潮の目の先には、穏やかな微笑みでもって朝潮を歓迎する提督がいる。
「ああ、いいよ」
提督は椅子から立ち上がり、朝潮の立っているところまで、自ら歩み寄る。
提督は、慈愛に満ちた顔でもって、朝潮を優しく抱いた。
暖かい時間が、二人を優しく包み込む。
***
「・・・司令官を、ぎゅっと、しても、よろしいでしょうか」
照れくさい言葉を、朝潮は言い切った。
言い切れたという安心感をバネにして、朝潮は真っ赤な顔を上げ、
少量の涙と共に、提督をまっすぐ見つめる。
朝潮の目の先には、穏やかな微笑みでもって朝潮を歓迎する提督がいる。
「ああ、いいよ」
提督は椅子から立ち上がり、朝潮の立っているところまで、自ら歩み寄る。
提督は、慈愛に満ちた顔でもって、朝潮を優しく抱いた。
暖かい時間が、二人を優しく包み込む。
***
12: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:15:20.88 :UBIhOAlo0
***
朝潮「少々照れくさいけど、とても幸せな時間でした」
湯上がりのように赤く火照った朝潮を見て、他の姉妹は何も言葉を発することができない。
次元の違う何かを、そこに感じ取った。
霞「・・・もう、帰りましょう」
満潮「・・・そうね」
荒潮「素直って、難しいわね〜」
結局、本来の主役であった霞に出番が回ってくることなく、彼女たちは部屋に戻る。
***
朝潮「少々照れくさいけど、とても幸せな時間でした」
湯上がりのように赤く火照った朝潮を見て、他の姉妹は何も言葉を発することができない。
次元の違う何かを、そこに感じ取った。
霞「・・・もう、帰りましょう」
満潮「・・・そうね」
荒潮「素直って、難しいわね〜」
結局、本来の主役であった霞に出番が回ってくることなく、彼女たちは部屋に戻る。
13: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:23:16.01 :UBIhOAlo0
満潮も克服したのだから、自分もいつかは、この毒舌を克服できるはず。
霞は安易に、そう考えていた。
しかし、満潮と自分の差は、予想を遥かに超えて、大きかった。
そして、自分もいつかそのうち、自然に提督と仲良しになれるという希望は、氷解した。
それに呼応して、提督に対する想いは、益々強くなっていった。
霞「作戦が終了したわ」
提督「霞か、遠征はどうだった」
霞「いつもどおり、成功よ」
提督「ご苦労。続きで頼んで、申し訳ない。ゆっくり休んでくれ」
霞「・・・はい」
いつもなら、霞はもっと不機嫌そうに振る舞い、さっさと執務室を出て行く。
しかし、この時は違った。
霞は、頬を赤らめ、覇気のない表情でもって、虚空を見つめていた。
恋する者に対して、クズなどという罵倒語を使うだろうか。
気持ちが強くなれば、自然と、振る舞いも変わる。
満潮も克服したのだから、自分もいつかは、この毒舌を克服できるはず。
霞は安易に、そう考えていた。
しかし、満潮と自分の差は、予想を遥かに超えて、大きかった。
そして、自分もいつかそのうち、自然に提督と仲良しになれるという希望は、氷解した。
それに呼応して、提督に対する想いは、益々強くなっていった。
霞「作戦が終了したわ」
提督「霞か、遠征はどうだった」
霞「いつもどおり、成功よ」
提督「ご苦労。続きで頼んで、申し訳ない。ゆっくり休んでくれ」
霞「・・・はい」
いつもなら、霞はもっと不機嫌そうに振る舞い、さっさと執務室を出て行く。
しかし、この時は違った。
霞は、頬を赤らめ、覇気のない表情でもって、虚空を見つめていた。
恋する者に対して、クズなどという罵倒語を使うだろうか。
気持ちが強くなれば、自然と、振る舞いも変わる。
14: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:24:06.12 :UBIhOAlo0
提督「・・・霞、どうかしたか?」
霞「・・・・・・」
提督「霞、どこか、体が悪いのか?」
提督にとっては、口の悪い、生意気な部下である霞。
しかし、他の艦娘と等しく大切な部下である。
提督「霞!」
霞「はい!」
提督「・・・具合でも、悪いのか?」
霞「いや、そんなこと・・・」
提督は、手を霞の額にかざす。
いつもの霞なら、触るなと嫌悪感をむき出しにして、反発するだろう。
しかし、今の霞は違う。
いつも以上に、『素直』だった。
提督「・・・霞、どうかしたか?」
霞「・・・・・・」
提督「霞、どこか、体が悪いのか?」
提督にとっては、口の悪い、生意気な部下である霞。
しかし、他の艦娘と等しく大切な部下である。
提督「霞!」
霞「はい!」
提督「・・・具合でも、悪いのか?」
霞「いや、そんなこと・・・」
提督は、手を霞の額にかざす。
いつもの霞なら、触るなと嫌悪感をむき出しにして、反発するだろう。
しかし、今の霞は違う。
いつも以上に、『素直』だった。
15: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:25:23.27 :UBIhOAlo0
提督「・・・俺のベッドで寝るか? 自室よりは、静かで寝心地が良いだろう」
霞「・・・・・・」
提督「霞、どうする?」
霞「・・・寝るわ」
提督は、霞の肩を支えながら、寝室に霞を案内する。
清潔に整えられた寝室である。
しかし、特有の生活臭が、霞の鼻をくすぐる。
提督「・・・汚いとは思うが、落ち着いたら好きに出て行ってくれ」
霞「・・・ありがとう」
霞は提督になされるがままに、制服のままベッドに入った。
遠征での疲労が眠気を誘い、提督のベッドで、霞は深く眠った。
***
提督「・・・俺のベッドで寝るか? 自室よりは、静かで寝心地が良いだろう」
霞「・・・・・・」
提督「霞、どうする?」
霞「・・・寝るわ」
提督は、霞の肩を支えながら、寝室に霞を案内する。
清潔に整えられた寝室である。
しかし、特有の生活臭が、霞の鼻をくすぐる。
提督「・・・汚いとは思うが、落ち着いたら好きに出て行ってくれ」
霞「・・・ありがとう」
霞は提督になされるがままに、制服のままベッドに入った。
遠征での疲労が眠気を誘い、提督のベッドで、霞は深く眠った。
***
16: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:26:00.86 :UBIhOAlo0
***
寝室をでて、執務室に顔を出す。
執務中の提督が、霞に気がつく
提督「起きたか、体調はどうだ?」
霞「うん、もう大丈夫」
提督「それは良かった」
霞はそこに佇む。
すぐに部屋に戻るものと思っていた提督は、霞を再び心配する。
提督「・・・どうした、霞。まだ、どこか悪いのか?」
霞「いえ・・・あの・・・」
この奇跡的な状況、この上ないチャンス。
霞は想いを口にしようと思った。
しかし、まるで金縛りにあったように、体は動かない。
提督「・・・霞?」
霞「・・・ううん、大丈夫。ありがとう、司令官。」
霞はそのまま、部屋に戻った。
***
寝室をでて、執務室に顔を出す。
執務中の提督が、霞に気がつく
提督「起きたか、体調はどうだ?」
霞「うん、もう大丈夫」
提督「それは良かった」
霞はそこに佇む。
すぐに部屋に戻るものと思っていた提督は、霞を再び心配する。
提督「・・・どうした、霞。まだ、どこか悪いのか?」
霞「いえ・・・あの・・・」
この奇跡的な状況、この上ないチャンス。
霞は想いを口にしようと思った。
しかし、まるで金縛りにあったように、体は動かない。
提督「・・・霞?」
霞「・・・ううん、大丈夫。ありがとう、司令官。」
霞はそのまま、部屋に戻った。
17: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:27:00.44 :UBIhOAlo0
霞「・・・ただいま」
朝潮「おかえりなさい! 遅かったわね」
霞「うん・・・ちょっとね」
荒潮は、霞の服の不自然な皺に気がつく。
荒潮はニヤニヤと微笑みながら、霞をからかう。
荒潮「あら霞ちゃん・・・意外と大胆なのね」
霞「ち、違うのよ! そういうことはないから!」
朝潮「ん? そういうことって、なにが?」
霞「んー・・・もう! とにかく、何でもないから!」
***
霞「・・・ただいま」
朝潮「おかえりなさい! 遅かったわね」
霞「うん・・・ちょっとね」
荒潮は、霞の服の不自然な皺に気がつく。
荒潮はニヤニヤと微笑みながら、霞をからかう。
荒潮「あら霞ちゃん・・・意外と大胆なのね」
霞「ち、違うのよ! そういうことはないから!」
朝潮「ん? そういうことって、なにが?」
霞「んー・・・もう! とにかく、何でもないから!」
***
18: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:28:15.73 :UBIhOAlo0
***
コン。コン。
夜の執務室に、澄んだノックの音が響く。
「失礼します」
夜。任務はとうに終了している時間に執務室に姿を表したのは、霞。
昨日、遠征の報告に来た際に、顔色の悪さを見かねて提督は彼女を寝室に寝かせた。
それから今まで、提督は心の端で、霞のことを心配していた。
「霞、体調は万全か?」
「ええ、司令官のおかげです」
「そうか、それは良かったよ」
2人の間に、沈黙が漂う。
霞には、言うべきことがある。
しかし、この沈黙が、ただでさえ言い難いこと益々言い難くさせる。
「・・・どうした、霞、何か、言いたいことでも?」
***
コン。コン。
夜の執務室に、澄んだノックの音が響く。
「失礼します」
夜。任務はとうに終了している時間に執務室に姿を表したのは、霞。
昨日、遠征の報告に来た際に、顔色の悪さを見かねて提督は彼女を寝室に寝かせた。
それから今まで、提督は心の端で、霞のことを心配していた。
「霞、体調は万全か?」
「ええ、司令官のおかげです」
「そうか、それは良かったよ」
2人の間に、沈黙が漂う。
霞には、言うべきことがある。
しかし、この沈黙が、ただでさえ言い難いこと益々言い難くさせる。
「・・・どうした、霞、何か、言いたいことでも?」
19: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:29:08.01 :UBIhOAlo0
バクバクバクバク。
加速度的に速さを増す鼓動を必死に抑えて、
霞は声を発する。
「・・・私を、抱きしめてください!」
霞は言い切った。ついに、言い切った。
霞は真っ赤に火照った顔を上げて、
嬉し涙を目に浮かべて、提督をまっすぐ見つめる。
提督は目を丸くして霞を見つめる。
そして、優しく微笑んだ。
「ああ、いいよ」
提督は椅子から立ち上がり、霞に歩み寄る。
霞も、震える体でもって、提督に近づく。
ぎゅっ――――
時間が止まる。ここには、霞と提督の2人しかいない。
そして、暖かい時間は、再び、ゆったりと流れ出す。
***
***
***
バクバクバクバク。
加速度的に速さを増す鼓動を必死に抑えて、
霞は声を発する。
「・・・私を、抱きしめてください!」
霞は言い切った。ついに、言い切った。
霞は真っ赤に火照った顔を上げて、
嬉し涙を目に浮かべて、提督をまっすぐ見つめる。
提督は目を丸くして霞を見つめる。
そして、優しく微笑んだ。
「ああ、いいよ」
提督は椅子から立ち上がり、霞に歩み寄る。
霞も、震える体でもって、提督に近づく。
ぎゅっ――――
時間が止まる。ここには、霞と提督の2人しかいない。
そして、暖かい時間は、再び、ゆったりと流れ出す。
***
***
***
20: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:30:43.89 :UBIhOAlo0
霞「司令官、おはよう」
提督「ああ、おはよう」
廊下でのすれ違い。いつもの日常。
満潮「霞、司令官と仲良くなってよかったじゃない」
霞「・・・うん」
満潮に対して、霞は頬を赤らめて応える。
昨夜のことは、霞は誰にも言っていない。
自分だけの、秘密である。
朝雲「霞! ごはん食べましょう!」
霞「うん! 今行くわ」
満潮「あ、私はお姉さんと用事があるから、ここで」
霞「わかったわ、またね! 霰も、一緒に行きましょう」
山雲「今日はカレーみたいよ〜」
霰「・・・・・・」
食堂へと向かう霞たちを、満潮は見送る。
そして、姉たちのもとへと向かう。
霞「司令官、おはよう」
提督「ああ、おはよう」
廊下でのすれ違い。いつもの日常。
満潮「霞、司令官と仲良くなってよかったじゃない」
霞「・・・うん」
満潮に対して、霞は頬を赤らめて応える。
昨夜のことは、霞は誰にも言っていない。
自分だけの、秘密である。
朝雲「霞! ごはん食べましょう!」
霞「うん! 今行くわ」
満潮「あ、私はお姉さんと用事があるから、ここで」
霞「わかったわ、またね! 霰も、一緒に行きましょう」
山雲「今日はカレーみたいよ〜」
霰「・・・・・・」
食堂へと向かう霞たちを、満潮は見送る。
そして、姉たちのもとへと向かう。
21: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:31:11.39 :UBIhOAlo0
朝潮「霞が司令官と仲良くなれて、嬉しいわ」
大潮「良い感じになってきたと思ったら、まさか抱き合うとは」
荒潮「霞ちゃん、嬉しそうだったわね〜」
満潮「・・・ともかく、霞が元気になって、なによりだわ」
荒潮「満潮姉さん・・・もしかして、ヤキモチ?」
満潮「違うから!」
(霞が頑張って素直になる話 -FIN)
朝潮「霞が司令官と仲良くなれて、嬉しいわ」
大潮「良い感じになってきたと思ったら、まさか抱き合うとは」
荒潮「霞ちゃん、嬉しそうだったわね〜」
満潮「・・・ともかく、霞が元気になって、なによりだわ」
荒潮「満潮姉さん・・・もしかして、ヤキモチ?」
満潮「違うから!」
(霞が頑張って素直になる話 -FIN)
22: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:35:56.51 :UBIhOAlo0
閲覧ありがとう御座います.読みやすい文体を模索中です.
過去作の”欠けた歯車、良質な物【艦これ】 ”を読み返したら,自分でも感動するぐらい綺麗な話でびっくりしました.興味があれば,読んでみてください.
過去作
電「二重人格……」
提督「艦むすの感情」
艦娘という存在
朝潮は『不安症候群』
朝潮はずっと秘書艦
映画『艦これ』 -平和を守るために
深海の提督さん
お酒の席~恋をする頃
忠犬あさしお
影の薄い思いやり
欠けた歯車、良質な物【艦これ】
【艦これ】お役に立てるのなら
お役に立てたのなら【艦これ】
【艦これ】<霧の中で>他短編
朝潮の身長が伸びる話
霞が頑張って素直になる話
閲覧ありがとう御座います.読みやすい文体を模索中です.
過去作の”欠けた歯車、良質な物【艦これ】 ”を読み返したら,自分でも感動するぐらい綺麗な話でびっくりしました.興味があれば,読んでみてください.
過去作
電「二重人格……」
提督「艦むすの感情」
艦娘という存在
朝潮は『不安症候群』
朝潮はずっと秘書艦
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深海の提督さん
お酒の席~恋をする頃
忠犬あさしお
影の薄い思いやり
欠けた歯車、良質な物【艦これ】
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朝潮の身長が伸びる話
霞が頑張って素直になる話
23: ◆zPnN5fOydI:2017/01/08(日) 23:38:50.86 :UBIhOAlo0
【書き込みますが,処理をお願いします】
<メモ>
自分にはきっと,もうほのぼの系の話は無理なのだと分かってきた
欠けた歯車の文体で焦燥感が出せるか
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自分にはきっと,もうほのぼの系の話は無理なのだと分かってきた
欠けた歯車の文体で焦燥感が出せるか