1:renpou:2017/05/25(木) 22:26:30.14 :nTPwv+va0
アイドルマスターシンデレラガールズ 神谷奈緒のSSです
アイドルそれぞれに担当Pがいます
アイドルマスターシンデレラガールズ 神谷奈緒のSSです
アイドルそれぞれに担当Pがいます
2:renpou:2017/05/25(木) 22:28:02.12 :nTPwv+va0
奈緒「んーーー!! っと、終わったなPさん」
座りっぱなしだった体をググッと伸ばす。
ラジオの収録を終わらせたあたしは、Pさんと事務所への帰路についていた。
P「お疲れ様。午後のレッスンまでだいぶ時間あるし、どこかでゆっくりご飯でも食べるか?」
奈緒「いいな~! あ、ちゃんと割り勘にしてくれよ。いつもみたいにこっそり会計するなよな!」
P「気にしなくていいのに」
奈緒「あたしが納得しないんだよ。……パ、パートナーなんだし、こういうのは分け合うもんだろ?」
P「変わった理屈だな……。じゃあ今日だけは割り勘にするか」
奈緒「今日から、だ!」
P「了解了解っと。それにしても、すっかり春らしくなったなぁ」
奈緒「話題をすり替えるなよ……。ま、確かに暖かくなってきたよな」
P「今くらいの季節が一番好きだな。ほど良い気温でのんびりしててさ」
奈緒「わかるよ。あたし、暑いの苦手だしさー」
P「あぁ……その髪だもんな。夏場にもふもふしたらカイロ触ってるみたいに熱かった」
奈緒「今度やったらぶっ飛ばすからな!」
P「でも年中もふもふしたいし……」
奈緒「んーーー!! っと、終わったなPさん」
座りっぱなしだった体をググッと伸ばす。
ラジオの収録を終わらせたあたしは、Pさんと事務所への帰路についていた。
P「お疲れ様。午後のレッスンまでだいぶ時間あるし、どこかでゆっくりご飯でも食べるか?」
奈緒「いいな~! あ、ちゃんと割り勘にしてくれよ。いつもみたいにこっそり会計するなよな!」
P「気にしなくていいのに」
奈緒「あたしが納得しないんだよ。……パ、パートナーなんだし、こういうのは分け合うもんだろ?」
P「変わった理屈だな……。じゃあ今日だけは割り勘にするか」
奈緒「今日から、だ!」
P「了解了解っと。それにしても、すっかり春らしくなったなぁ」
奈緒「話題をすり替えるなよ……。ま、確かに暖かくなってきたよな」
P「今くらいの季節が一番好きだな。ほど良い気温でのんびりしててさ」
奈緒「わかるよ。あたし、暑いの苦手だしさー」
P「あぁ……その髪だもんな。夏場にもふもふしたらカイロ触ってるみたいに熱かった」
奈緒「今度やったらぶっ飛ばすからな!」
P「でも年中もふもふしたいし……」
3:renpou:2017/05/25(木) 22:29:02.29 :nTPwv+va0
奈緒「アンタはバカか?」
P「いやいや……奈緒バカかもしれない。奈緒があまりにも可愛いすぎて」
奈緒「かわっ……!? ……い、いきなりそんな恥ずかしい事言うなよ……」
P「あっははは! 奈緒、顔赤いぞ。……シャッターチャンス!」
奈緒「あーもう! 見るな! 撮るな! ニヤニヤするな!!」
P「奈緒は面白いなぁ」
いっつもあたしを撮りやがって!
一体何になるってんだよ!
奈緒「……ったく、Pさんはあたしをからかって楽しいのかー?」
P「そりゃあ楽し……じゃなくて、えーと」
奈緒「今楽しいって言いかけたよな!?」
P「そうか?」
奈緒「そうだってば! …………はぁ……ばか、Pさんのばか」
P「ごめんごめん。ちょっとからかい過ぎたか」
奈緒「!!」
そう言ってPさんはあたしの頭を撫でてきた。
いきなりだったからビックリしたけど……まぁ嫌ではない、かな。
奈緒「アンタはバカか?」
P「いやいや……奈緒バカかもしれない。奈緒があまりにも可愛いすぎて」
奈緒「かわっ……!? ……い、いきなりそんな恥ずかしい事言うなよ……」
P「あっははは! 奈緒、顔赤いぞ。……シャッターチャンス!」
奈緒「あーもう! 見るな! 撮るな! ニヤニヤするな!!」
P「奈緒は面白いなぁ」
いっつもあたしを撮りやがって!
一体何になるってんだよ!
奈緒「……ったく、Pさんはあたしをからかって楽しいのかー?」
P「そりゃあ楽し……じゃなくて、えーと」
奈緒「今楽しいって言いかけたよな!?」
P「そうか?」
奈緒「そうだってば! …………はぁ……ばか、Pさんのばか」
P「ごめんごめん。ちょっとからかい過ぎたか」
奈緒「!!」
そう言ってPさんはあたしの頭を撫でてきた。
いきなりだったからビックリしたけど……まぁ嫌ではない、かな。
4:renpou:2017/05/25(木) 22:29:43.83 :nTPwv+va0
奈緒「ん……ちょ、ちょっとPさん。撫でるの終わり! 終了!」
P「お、もういいのか?」
奈緒「これ以上は恥ずかしいってば……ってか街中でそういう事するなよ」
P「街中じゃなかったら良いのか?」
奈緒「そ、そういう問題じゃないし!」
P「はははっ! 可愛いな~」
奈緒「はぁ……ほんと、アンタは出会った頃から変わらないな。初対面の時からちょっかい出してさ」
P「人間そんなに変わんないって。いや、加蓮ちゃんのプロデューサーは変わったな」
奈緒「あー……いっつも2人でイチャイチャしてる。見せつけられてるあたしと凛の気持ちになってみろよ」
P「はは……遠慮しておく。まさかあんなに加蓮ちゃんに惚れ込むとはなぁ」
奈緒「大体あの2人はさぁ…………ん? なぁPさん」
P「どうした?」
奈緒「あそこにいる女の子……どうしたんだろ」
目の前には10歳かそこらの女の子が一人、佇んでいた。
そわそわしながら辺りを見回している。その顔はどこか不安げだ。
P「……何か探してる感じだな。もしかしたら迷子とか」
奈緒「あたし、ちょっと話してくるよ」
P「お、おい奈緒!」
すぐ近くに保護者がいるならそれで良いんだけど、本当に迷子だったら大変だ。
奈緒「ん……ちょ、ちょっとPさん。撫でるの終わり! 終了!」
P「お、もういいのか?」
奈緒「これ以上は恥ずかしいってば……ってか街中でそういう事するなよ」
P「街中じゃなかったら良いのか?」
奈緒「そ、そういう問題じゃないし!」
P「はははっ! 可愛いな~」
奈緒「はぁ……ほんと、アンタは出会った頃から変わらないな。初対面の時からちょっかい出してさ」
P「人間そんなに変わんないって。いや、加蓮ちゃんのプロデューサーは変わったな」
奈緒「あー……いっつも2人でイチャイチャしてる。見せつけられてるあたしと凛の気持ちになってみろよ」
P「はは……遠慮しておく。まさかあんなに加蓮ちゃんに惚れ込むとはなぁ」
奈緒「大体あの2人はさぁ…………ん? なぁPさん」
P「どうした?」
奈緒「あそこにいる女の子……どうしたんだろ」
目の前には10歳かそこらの女の子が一人、佇んでいた。
そわそわしながら辺りを見回している。その顔はどこか不安げだ。
P「……何か探してる感じだな。もしかしたら迷子とか」
奈緒「あたし、ちょっと話してくるよ」
P「お、おい奈緒!」
すぐ近くに保護者がいるならそれで良いんだけど、本当に迷子だったら大変だ。
5:renpou:2017/05/25(木) 22:30:30.83 :nTPwv+va0
少女「……」
奈緒「こんにちは」
少女「!……な、何?」
奈緒「1人で立ってたから気になってさ。お母さんは近くにいるの?」
少女「……関係ないでしょ」
奈緒「……そっか」
少女「ほっといて。お母さんならすぐ私を見つけてく……っ!」
奈緒「はぐれちゃったか。大変だったな」
少女「うぅ……」
P「奈緒どうだ? やっぱり……」
奈緒「ん、迷子みたい」
P「そうだったか。さてどうするかな。交番に連れて行って保護してもらうとか……」
少女「……」
奈緒「……Pさん、一緒に探してあげようぜ。この子のお母さんを」
P「えっ!?」
少女「!!」
奈緒「確かに、交番で見てもらったほうが安心だろうけどさ、この子のお母さんも今探してると思うんだ。……それに、なんかほっとけなくて」
P「……」
奈緒「ど、どうかな? Pさんに任せるけど……」
P「……そんな顔されてダメなんて言えないな。俺も一緒に探すよ」
奈緒「Pさんありがとう! へへ~♪」
P(調子良いなぁ。ま、可愛いからオッケーか)
奈緒「なぁ、いつ頃はぐれた? 結構前?」
少女「……さっきだけど」
奈緒「さっきって言うならそんなに前じゃないかな。はぐれる前はどこら辺にいたんだ?」
少女「そこの公園……」
少女「……」
奈緒「こんにちは」
少女「!……な、何?」
奈緒「1人で立ってたから気になってさ。お母さんは近くにいるの?」
少女「……関係ないでしょ」
奈緒「……そっか」
少女「ほっといて。お母さんならすぐ私を見つけてく……っ!」
奈緒「はぐれちゃったか。大変だったな」
少女「うぅ……」
P「奈緒どうだ? やっぱり……」
奈緒「ん、迷子みたい」
P「そうだったか。さてどうするかな。交番に連れて行って保護してもらうとか……」
少女「……」
奈緒「……Pさん、一緒に探してあげようぜ。この子のお母さんを」
P「えっ!?」
少女「!!」
奈緒「確かに、交番で見てもらったほうが安心だろうけどさ、この子のお母さんも今探してると思うんだ。……それに、なんかほっとけなくて」
P「……」
奈緒「ど、どうかな? Pさんに任せるけど……」
P「……そんな顔されてダメなんて言えないな。俺も一緒に探すよ」
奈緒「Pさんありがとう! へへ~♪」
P(調子良いなぁ。ま、可愛いからオッケーか)
奈緒「なぁ、いつ頃はぐれた? 結構前?」
少女「……さっきだけど」
奈緒「さっきって言うならそんなに前じゃないかな。はぐれる前はどこら辺にいたんだ?」
少女「そこの公園……」
6:renpou:2017/05/25(木) 22:31:22.03 :nTPwv+va0
少女は今いるビル街の向こうを指さした。
確かあの辺には大きな公園がある。
P「母親を探してここまで来たってわけか」
奈緒「みたいだな……。ねぇ、あたしたちが探してやるよ。いいかな?」
少女「……人さらいかもしれないし……」
奈緒「大丈夫! お姉さんを信じて!」
少女「そこの人は怪しい顔してるし……」
P「お、俺怪しい!?」
奈緒「……あ、怪しい……けどさ! あたしが付いてるから!」
P「否定しないのかよ……」
少女「……じゃあ、探してほしい……かも」
奈緒「うん! 任せてよ。へへっ」
P(奈緒に負けないちょろさ……)
___
奈緒「さぁて、歩きながら探そうか」
あたし達は少女が先ほどまでいた公園に来ていた。
はぐれた場所がこの公園なら、母親もここを探しているはずだ。
P「初めて来たけど、こりゃかなり広いな」
奈緒「時間もあるし、くまなく探せば見つかるさ! 頑張ろうな!」
少女「う、うん」
奈緒「あっ、まだ名前言ってなかったね。あたしは神谷奈緒って言うんだ。そっちの男の人がPさん」
P「よろしく。怪しくないからね」
少女「よ、よろしく……おねがいします」
奈緒「あははっ! 好きに呼んで構わないから。じゃあ行こう!」
___
少女は今いるビル街の向こうを指さした。
確かあの辺には大きな公園がある。
P「母親を探してここまで来たってわけか」
奈緒「みたいだな……。ねぇ、あたしたちが探してやるよ。いいかな?」
少女「……人さらいかもしれないし……」
奈緒「大丈夫! お姉さんを信じて!」
少女「そこの人は怪しい顔してるし……」
P「お、俺怪しい!?」
奈緒「……あ、怪しい……けどさ! あたしが付いてるから!」
P「否定しないのかよ……」
少女「……じゃあ、探してほしい……かも」
奈緒「うん! 任せてよ。へへっ」
P(奈緒に負けないちょろさ……)
___
奈緒「さぁて、歩きながら探そうか」
あたし達は少女が先ほどまでいた公園に来ていた。
はぐれた場所がこの公園なら、母親もここを探しているはずだ。
P「初めて来たけど、こりゃかなり広いな」
奈緒「時間もあるし、くまなく探せば見つかるさ! 頑張ろうな!」
少女「う、うん」
奈緒「あっ、まだ名前言ってなかったね。あたしは神谷奈緒って言うんだ。そっちの男の人がPさん」
P「よろしく。怪しくないからね」
少女「よ、よろしく……おねがいします」
奈緒「あははっ! 好きに呼んで構わないから。じゃあ行こう!」
___
7:renpou:2017/05/25(木) 22:32:05.26 :nTPwv+va0
少女「……それじゃあお姉さんはアイドルってこと? 可愛い服着て踊るやつ?」
奈緒「そう! ま、まぁあたしには可愛い衣装は似合わないけどさ」
P「いや、誰よりも似合ってるけどなー。ほら、見てごらん」
Pさんは少女にスマホの画面を見せる。
……まさか!?
少女「わ~~! 可愛い~!」
奈緒「あーーっ!! やっぱりあたしの写真じゃないか! 見せるなよ!! ばか!」
P「コラコラ、子供の前で大声出すんじゃないって」
奈緒「くっ……覚えとけよPさん! ……と、とにかく! あたしはそういうお仕事をやってるんだ」
少女「すごいすごい! 私、アイドル好きなんだ!」
探し始めて20分ほど。少女は少しずつ、あたし達に心を開いてきてくれた。
どうやらこの子はアイドルに興味があるみたいだな。
P「おっ、アイドルやりたい? なんなら俺がプロデュースしようか」
少女「プロデュース?」
P「えーと……アイドルが歌ったり踊ったりするだろ? それを出来るようにするのがプロデュースって事だ。そして俺がプロデューサー」
少女「じゃあ、お姉さんはお兄さんがいないとアイドル出来ないってこと?」
奈緒「……ま、まぁそういうことになるかな」
P「俺たちは2人揃ってやっと1人前になれる。大切な相棒だよ」
少女「……それじゃあお姉さんはアイドルってこと? 可愛い服着て踊るやつ?」
奈緒「そう! ま、まぁあたしには可愛い衣装は似合わないけどさ」
P「いや、誰よりも似合ってるけどなー。ほら、見てごらん」
Pさんは少女にスマホの画面を見せる。
……まさか!?
少女「わ~~! 可愛い~!」
奈緒「あーーっ!! やっぱりあたしの写真じゃないか! 見せるなよ!! ばか!」
P「コラコラ、子供の前で大声出すんじゃないって」
奈緒「くっ……覚えとけよPさん! ……と、とにかく! あたしはそういうお仕事をやってるんだ」
少女「すごいすごい! 私、アイドル好きなんだ!」
探し始めて20分ほど。少女は少しずつ、あたし達に心を開いてきてくれた。
どうやらこの子はアイドルに興味があるみたいだな。
P「おっ、アイドルやりたい? なんなら俺がプロデュースしようか」
少女「プロデュース?」
P「えーと……アイドルが歌ったり踊ったりするだろ? それを出来るようにするのがプロデュースって事だ。そして俺がプロデューサー」
少女「じゃあ、お姉さんはお兄さんがいないとアイドル出来ないってこと?」
奈緒「……ま、まぁそういうことになるかな」
P「俺たちは2人揃ってやっと1人前になれる。大切な相棒だよ」
8:renpou:2017/05/25(木) 22:32:41.17 :nTPwv+va0
少女「なんかすごい……」
奈緒「あまり恥ずかしい事言うなって……。でもな、そういう割に真面目に仕事しないんだよ。この人」
P「う」
奈緒「あたしがレッスンしてるのを見もしないで居眠りするし、外回りとか言ってあたしを連れ出して遊びに行ったり」
P「うう……反省します」
少女「じゃあ……私、アイドルになったらお兄さんよりもっと真面目な人にプロデュースされたい! しかもイケメンの!」
P「けっ! どーせ不真面目でイケメンじゃないよ俺は。……意外とマセた子だな君はー!」
少女「わぷっ!? や、何するの!?」
P「このこのー!」
少女「……ふふっ! あはははは!!」
P「ようやく笑ってくれたなー! 嬉しいぞぉ!」
Pさんが少女の頭をわしゃわしゃと撫でる。
この子もいきなり撫でられて戸惑ったみたいだけど、楽しそうだ。
…………。
奈緒「ちょっとPさん! 小さい女の子にそんな事しない! セクハラだぞ!」
P「それもそうか。いやいや、ごめんな」
少女「別にいーよ。面白かったし」
P(やっぱちょろい……)
奈緒「ほ、ほら! ちゃんと探そう!」
少女「……」
ちょっとだけ胸がモヤモヤした。
あたしも大人げないなー、子供に嫉妬しちゃうなんてさ。
……はぁ……やめやめ! 今は人探しに集中だ!
少女「なんかすごい……」
奈緒「あまり恥ずかしい事言うなって……。でもな、そういう割に真面目に仕事しないんだよ。この人」
P「う」
奈緒「あたしがレッスンしてるのを見もしないで居眠りするし、外回りとか言ってあたしを連れ出して遊びに行ったり」
P「うう……反省します」
少女「じゃあ……私、アイドルになったらお兄さんよりもっと真面目な人にプロデュースされたい! しかもイケメンの!」
P「けっ! どーせ不真面目でイケメンじゃないよ俺は。……意外とマセた子だな君はー!」
少女「わぷっ!? や、何するの!?」
P「このこのー!」
少女「……ふふっ! あはははは!!」
P「ようやく笑ってくれたなー! 嬉しいぞぉ!」
Pさんが少女の頭をわしゃわしゃと撫でる。
この子もいきなり撫でられて戸惑ったみたいだけど、楽しそうだ。
…………。
奈緒「ちょっとPさん! 小さい女の子にそんな事しない! セクハラだぞ!」
P「それもそうか。いやいや、ごめんな」
少女「別にいーよ。面白かったし」
P(やっぱちょろい……)
奈緒「ほ、ほら! ちゃんと探そう!」
少女「……」
ちょっとだけ胸がモヤモヤした。
あたしも大人げないなー、子供に嫉妬しちゃうなんてさ。
……はぁ……やめやめ! 今は人探しに集中だ!
9:renpou:2017/05/25(木) 22:33:40.48 :nTPwv+va0
___
P「んー……なかなか見つからないな」
奈緒「この公園にいると思ったんだけど……」
P「あと1周したらビル街まで戻ってみるか。すれ違いになってるかもしれないから」
少女「……」
奈緒「そうだな……ごめんな。時間掛かっちゃって」
少女「ううん、私こそごめんなさい」
奈緒「謝る事ないよ。そうだ、そこのベンチでちょっと休憩しようか?」
P「歩き疲れただろ? ジュースでも買ってくるよ」
奈緒「じゃあPさん、お願い。あたしはこの子見てるから」
P「分かった。すぐ戻る」
___
奈緒「大丈夫。ちゃんと見つけてあげるからな」
少女「……」
僅かにコクン、と頷く少女。
さっきまでの笑顔は無く、最初に見た時と同じ不安な顔をしている。
気を紛らわせないと……アイドルの話題とかが良いかな!
奈緒「そういえば……」
少女「ねぇお姉さん、聞いてもいい?」
奈緒「え? うん」
あたしの声を遮って、少女が神妙な面持ちで話しかけてきた。
___
P「んー……なかなか見つからないな」
奈緒「この公園にいると思ったんだけど……」
P「あと1周したらビル街まで戻ってみるか。すれ違いになってるかもしれないから」
少女「……」
奈緒「そうだな……ごめんな。時間掛かっちゃって」
少女「ううん、私こそごめんなさい」
奈緒「謝る事ないよ。そうだ、そこのベンチでちょっと休憩しようか?」
P「歩き疲れただろ? ジュースでも買ってくるよ」
奈緒「じゃあPさん、お願い。あたしはこの子見てるから」
P「分かった。すぐ戻る」
___
奈緒「大丈夫。ちゃんと見つけてあげるからな」
少女「……」
僅かにコクン、と頷く少女。
さっきまでの笑顔は無く、最初に見た時と同じ不安な顔をしている。
気を紛らわせないと……アイドルの話題とかが良いかな!
奈緒「そういえば……」
少女「ねぇお姉さん、聞いてもいい?」
奈緒「え? うん」
あたしの声を遮って、少女が神妙な面持ちで話しかけてきた。
10:renpou:2017/05/25(木) 22:34:28.86 :nTPwv+va0
少女「アイドルって笑顔じゃなきゃダメなんだよね?」
奈緒「え……」
少女「私、迷子になって……お母さんが見つからなくて……ずっと暗い顔してる。これじゃアイドル目指せないよね」
奈緒「……」
少女「いつも笑顔でいなきゃ、アイドルになれない……」
奈緒「……バカ正直だなぁ。そんな事ないよ」
少女「どうして? テレビで見るアイドルはいつも可愛い笑顔してるのに」
奈緒「そりゃあアイドルは人を笑顔にさせるのが仕事だからな。自分が暗い顔してたらダメだよ」
少女「それじゃあ……!」
奈緒「でもな」
今度はあたしが少女の声を遮る。
奈緒「でも、皆その裏では笑顔になる為に大変な思いをしているんだ。毎日倒れそうになるまでレッスンして……喉が枯れそうになるまで歌って……」
少女「……」
奈緒「たくさん苦労した後に本番を迎えるんだ。そしたらさ、ステージに上がったら自然と笑顔になるんだよ」
少女「頑張ったから?」
奈緒「それもあるけど……あたしの為に応援してくれるファンがいてくれて、今からあたしと一緒に笑ってくれるんだって」
奈緒「なんか……そういう色んな想いが込み上げてきてさ、レッスンが大変だった事とか、そんなの忘れて心の底から笑顔になれるんだ」
少女「…………アイドルって、すごいね」
奈緒「うん、すごいよ。あたしもアイドルになって初めて気が付いた。応援ってのがこんなに力になるんだってね」
少女「……一番力になるのは……お兄さんの応援、とか?」
奈緒「……なんでそこでPさんが出てくる」
あー。
この子は何か察しやがったな。
少女「アイドルって笑顔じゃなきゃダメなんだよね?」
奈緒「え……」
少女「私、迷子になって……お母さんが見つからなくて……ずっと暗い顔してる。これじゃアイドル目指せないよね」
奈緒「……」
少女「いつも笑顔でいなきゃ、アイドルになれない……」
奈緒「……バカ正直だなぁ。そんな事ないよ」
少女「どうして? テレビで見るアイドルはいつも可愛い笑顔してるのに」
奈緒「そりゃあアイドルは人を笑顔にさせるのが仕事だからな。自分が暗い顔してたらダメだよ」
少女「それじゃあ……!」
奈緒「でもな」
今度はあたしが少女の声を遮る。
奈緒「でも、皆その裏では笑顔になる為に大変な思いをしているんだ。毎日倒れそうになるまでレッスンして……喉が枯れそうになるまで歌って……」
少女「……」
奈緒「たくさん苦労した後に本番を迎えるんだ。そしたらさ、ステージに上がったら自然と笑顔になるんだよ」
少女「頑張ったから?」
奈緒「それもあるけど……あたしの為に応援してくれるファンがいてくれて、今からあたしと一緒に笑ってくれるんだって」
奈緒「なんか……そういう色んな想いが込み上げてきてさ、レッスンが大変だった事とか、そんなの忘れて心の底から笑顔になれるんだ」
少女「…………アイドルって、すごいね」
奈緒「うん、すごいよ。あたしもアイドルになって初めて気が付いた。応援ってのがこんなに力になるんだってね」
少女「……一番力になるのは……お兄さんの応援、とか?」
奈緒「……なんでそこでPさんが出てくる」
あー。
この子は何か察しやがったな。
11:renpou:2017/05/25(木) 22:35:15.89 :nTPwv+va0
少女「なんとなく。正解でしょ?」
奈緒「…………そうだよ、Pさんの応援が一番力になるよ。……だから、それに応えてあげたいんだ。あたしをアイドルにしてくれた人だから」
少女「……」
奈緒「あたしの、大切な人だから」
少女「…………決めた! 私もアイドル目指す!」
奈緒「おっ! その意気だ!」
少女「私もたくさんの人を笑顔にしたい。そしてお姉さんみたいに大切な人を喜ばせたいな」
奈緒「……最後のはアイドルになる理由としてどうなんだ……」
少女「あっははははは!」
奈緒「……まったく、さっきまで落ち込んでいたかと思えばいきなり笑い出してさ。……はははっ!」
P「おーーーい!! 奈緒ーー!!」
奈緒「ん?」
Pさんが大声であたしを呼んでる。
どうしたのかな…………あ。
少女「お母さん!!」
P「いやぁ、自販機探してる途中で心配そうな顔した人がいたからさ」
奈緒「良かった~~!」
少女と母親はお互い涙を流して抱き合っている。
な、なんだか見ているあたしまで泣きそう……。
少女「なんとなく。正解でしょ?」
奈緒「…………そうだよ、Pさんの応援が一番力になるよ。……だから、それに応えてあげたいんだ。あたしをアイドルにしてくれた人だから」
少女「……」
奈緒「あたしの、大切な人だから」
少女「…………決めた! 私もアイドル目指す!」
奈緒「おっ! その意気だ!」
少女「私もたくさんの人を笑顔にしたい。そしてお姉さんみたいに大切な人を喜ばせたいな」
奈緒「……最後のはアイドルになる理由としてどうなんだ……」
少女「あっははははは!」
奈緒「……まったく、さっきまで落ち込んでいたかと思えばいきなり笑い出してさ。……はははっ!」
P「おーーーい!! 奈緒ーー!!」
奈緒「ん?」
Pさんが大声であたしを呼んでる。
どうしたのかな…………あ。
少女「お母さん!!」
P「いやぁ、自販機探してる途中で心配そうな顔した人がいたからさ」
奈緒「良かった~~!」
少女と母親はお互い涙を流して抱き合っている。
な、なんだか見ているあたしまで泣きそう……。
12:renpou:2017/05/25(木) 22:35:54.29 :nTPwv+va0
奈緒「Pさんお手柄じゃんか!」
P「奈緒があの時声を掛けたから見つけられたんだ。偉いよ、奈緒」
奈緒「……ありがと。Pさん」
P「ほんとに優しいな、奈緒は。良い子良い子」
奈緒「な、撫でるなよ! ……ばか」
___
少女「お兄さん、お姉さん、ありがとうございました!」
奈緒「もう迷子になるんじゃないぞ」
少女「うん!」
少女の母親はお礼を言いながら何度も頭を下げていた。
Pさんはそれを必死で落ち着かせている。
少女「あ、お姉さんちょっと」
奈緒「どうかしたか?」
少女「私、絶対アイドルになるから……その時は一緒にライブしたいです!」
奈緒「!! ……わかった! 約束だよ、絶対叶えような!」
少女「えへへ~」
奈緒「あははっ!」
___
奈緒「Pさんお手柄じゃんか!」
P「奈緒があの時声を掛けたから見つけられたんだ。偉いよ、奈緒」
奈緒「……ありがと。Pさん」
P「ほんとに優しいな、奈緒は。良い子良い子」
奈緒「な、撫でるなよ! ……ばか」
___
少女「お兄さん、お姉さん、ありがとうございました!」
奈緒「もう迷子になるんじゃないぞ」
少女「うん!」
少女の母親はお礼を言いながら何度も頭を下げていた。
Pさんはそれを必死で落ち着かせている。
少女「あ、お姉さんちょっと」
奈緒「どうかしたか?」
少女「私、絶対アイドルになるから……その時は一緒にライブしたいです!」
奈緒「!! ……わかった! 約束だよ、絶対叶えような!」
少女「えへへ~」
奈緒「あははっ!」
___
13:renpou:2017/05/25(木) 22:36:57.19 :nTPwv+va0
P「ふぅ~……一件落着。良かった良かった」
奈緒「ほんと、ありがとなPさん」
P「もうお礼は十分だよ。あの子のお母さんから一杯もらったから」
奈緒「何度も頭下げられてたな……」
P「それだけ心配だったって事かな。よし! 気分も良いし、改めてお昼ご飯にしようか」
奈緒「ん……でも午後のレッスンまであまり時間ないぞ?」
P「ふっふっふっ……実はな、ラジオ収録が延びた事にしてレッスンを遅らせてもらったんだ。だからゆっくり食べられるよ」
奈緒「はぁ……アンタはいつもそうやってサボろうとするんだから……。後でバレても知らないからなー」
P「トレーナーさんも今日ぐらい許してくれるって。さぁ行こうか!」
奈緒「ま、ずっと一緒だって言ったからな。どこまでも付き合うよ、Pさん!」
Pさんが手を差し出す。
あたしを導いてくれる人の手。
離れて迷子にならないように、ギュッと握りしめた。
奈緒「……そうだ! さっきの写真、全部消せよな!!」
P「了解了解~消しますよ~」
奈緒「消す気無いだろ!?」
P「当然!」
奈緒「ばかばか! なんでだよぉ!?」
いつもの調子でじゃれ合いながら、あたし達は歩いていく。
いつもと違い、手を繋ぎながら。
P「ふぅ~……一件落着。良かった良かった」
奈緒「ほんと、ありがとなPさん」
P「もうお礼は十分だよ。あの子のお母さんから一杯もらったから」
奈緒「何度も頭下げられてたな……」
P「それだけ心配だったって事かな。よし! 気分も良いし、改めてお昼ご飯にしようか」
奈緒「ん……でも午後のレッスンまであまり時間ないぞ?」
P「ふっふっふっ……実はな、ラジオ収録が延びた事にしてレッスンを遅らせてもらったんだ。だからゆっくり食べられるよ」
奈緒「はぁ……アンタはいつもそうやってサボろうとするんだから……。後でバレても知らないからなー」
P「トレーナーさんも今日ぐらい許してくれるって。さぁ行こうか!」
奈緒「ま、ずっと一緒だって言ったからな。どこまでも付き合うよ、Pさん!」
Pさんが手を差し出す。
あたしを導いてくれる人の手。
離れて迷子にならないように、ギュッと握りしめた。
奈緒「……そうだ! さっきの写真、全部消せよな!!」
P「了解了解~消しますよ~」
奈緒「消す気無いだろ!?」
P「当然!」
奈緒「ばかばか! なんでだよぉ!?」
いつもの調子でじゃれ合いながら、あたし達は歩いていく。
いつもと違い、手を繋ぎながら。
14:renpou:2017/05/25(木) 22:37:43.45 :nTPwv+va0
終わりです。
お姉さんしてる奈緒が見たかったんです。
奈緒可愛い。依頼出してきます。
終わりです。
お姉さんしてる奈緒が見たかったんです。
奈緒可愛い。依頼出してきます。