サターニャ「あ、ラフィエルじゃない。食堂行きましょ？」

ラフィエル「も、もう付きまとわないでください！　なんで一々ちょっかい出してくるんですか！」

サターニャ「だってあんた、今日も一人で昼ごはん食べるんでしょ？」

ラフィエル「そんなことはありません！　えーと、えーと……」

ラフィエル「そ、そう！　ガヴちゃん達と食べるんですからね！」ﾄﾞﾔｧ

サターニャ「ヴィネットたち教室でパン食べてるけど」

ラフィエル「うぐぐ……」

サターニャ「で、どうするの？　惨めに一人でもしゃもしゃするの？」

ラフィエル「ぐぬぬぬ……」

サターニャ「はーい。さーん、にーい、いーち」

ラフィエル「わ、わかりました！　サターニャさんと一緒してあげます！」

サターニャ「物わかりのいい子は好きよ♪」

ラフィエル「今回だけですからね！　私が大天使になった暁には、サターニャさんから浄化してやりますから！」

サターニャ「はいはーい」

ラフィエル「聞いてくださいよ！」

ガヴリール「……おい、いつまで寝てんだよ。もう昼休みだぞ？」

ヴィーネ「……が、うががが」

ガヴリール「昨日も徹夜でネトゲ？　そして朝飯食わずに学校直行？」

ヴィーネ「うん……」

ガヴリール「あのなぁ……そんなんじゃいつか身体壊すぞ？
はい、パン買ってきてやったから、ちゃんと食べろ」

ヴィーネ「うー……今日はお弁当じゃないのー？」

ガヴリール「そんな毎日作れないよ。いいから起きろっつーの」

ヴィーネ「……ねえガヴ、私思うのよ」

ガヴリール「なに？」

ヴィーネ「人類多過ぎじゃない？　ガヴのラッパで一掃してよ、こう、景気よく」

ガヴリール「なにアホなこと言ってるんだ。みんな頑張って生きてるんだぞ？」

ヴィーネ「だからこそウザいのよ……。あー人類滅びないかなー……」

ガヴリール「女子高生らしくちゃんとやってよ……」

ヴィーネ「……」ﾓｼｬﾓｼｬ

ガヴリール「あーあ、ヴィーネも出会ったときはあんなに立派な悪魔だったのに……」

ヴィーネ「ああ、人のためになりたい（笑）とかほざいてた頃の私ね。
あれは仮初めの姿よ。今の私の方が悪魔的にも正しいわ」

ガヴリール「……どうしてこうなった。髪もぼさぼさだし、目の下のクマはクッキリ」

ヴィーネ「ガヴこそ、最初の方はもっと丁寧な口調じゃなかった？
私を責める権利なんてないと思いまーす」

ガヴリール「どっかの誰かさんをずっと注意してたらこうもなるわ」

ヴィーネ「ぶー」

ヴィーネ「あ、飲み物がないしサイフもない。ガヴ、お金貸して」

ガヴリール「まずは先送りし続けてる二万円からご返却願おうか」

ヴィーネ「出世払い」

ガヴリール「アホか！」

ラフィエル「うう……ひっく。酷いですサターニャさぁん……」

ガヴリール「おいサターニャ……ちょっとは手心ってもんをだな」

サターニャ「いやいや、案ずることはないわ。私の心はそいつへの慈愛で満ちてるもの」

ヴィーネ「悪魔的な、慈愛でしょ？　あー眠」

ラフィエル「あ！　ヴィーネさん！　今日という今日は雌雄を決しますからね！」

サターニャ「立ち直り早いわねー♪」

ヴィーネ「えー、ダルイ。それにダルイ。最後にダルイ。帰って死んだらどう？」

ラフィエル「な、なんですか！　そこまで言わなくていいじゃないですかぁ！」

ガヴリール「ラフィエルも懲りないな……何回敗走してんだよ……」

ラフィエル「ふふん、甘いですよガヴちゃん。
今日は白羽家の倉庫から持って来た、この道具があるんですから！！」ｼﾞｬｼﾞｬｰﾝ

ヴィーネ「……へー、実銃じゃない。銃刀法って知ってる？」

ラフィエル「白羽の権力で治外法権です！」

サターニャ「権力って便利ね～」

ガヴリール「ら、ラフィエル！　流石に実銃はまずいって！」ｱﾀﾌﾀ

ラフィエル「安心してください。撃たれたら三分間しゃっくりが止まらなくなるだけです！」

ガヴリール「あー……そう。頑張って」

ラフィエル「ふふん、ヴィーネさん。これまでの暴言やらなにやらを撤回するなら今のうちですよ？」ﾄﾞﾔｧ

ヴィーネ「……ラフィ、ちょっと貸してくれないかしら」

ラフィエル「ほへ？」

ヴィーネ「だって、万が一暴発なんてしたら危ないでしょ？
ラフィは天使だし、ゴミ……じゃなかった、知らない人を巻き込むことは望まないはずよ」

ラフィエル「そ、それもそうですね……」

ガヴリール「ら、ラフィ！　それ騙され――モガッ」

サターニャ「ごめんねガヴリール。黙ってた方が面白くなりそうなのよ」

ガヴリール「モガガ！　モガガガ！」

ヴィーネ「FPSで銃の構造は知ってるわ。ちょっとメンテしてあげるから貸してみなさい」

ラフィエル「で、では、お願いしますね……」

ヴィーネ「かかったなアホが！！」ﾊﾞｰﾝ!!

ラフィエル「ぎゃひっ！」

ガヴリール「容赦ねえな！」

サターニャ「ぷぐっｗｗｗｗｗｗぷぐぐぐぐｗｗｗｗｗｗｗ」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

なんなのこれは…

ガヴリール「サターニャと一緒に下校なんて初めてだな」

サターニャ「そういえばそうね。あ、そうだ、これを機にもう少しお互いのことを知るってのはどう？」

ガヴリール「あー……そういえば私、お前のこと殆ど知らないもんなー」

サターニャ「そこのスタバにでも入る？」

ガヴリール「ああ。お代は持つよ。今月も仕送り上がってたんだ」

サターニャ「あら、あんたも？　私も好きなことしてるだけでぐんぐん上がって行くのよね～」

ガヴリール「……ヴィーネも上がってるらしいけどな」

サターニャ「あれはあれで味があるからいいじゃないの」

ガヴリール「うぅ……放っておいたらどんどん駄目になって行く気がぁぁ……」

サターニャ「ファイトよガヴリールｗｗｗｗｗｗｗ」

ガヴリール「これのカロリーってさ、豚骨ラーメン一杯に相当するらしいよ」

サターニャ「あら、年頃の女子高生にとっては大敵ね～」

ガヴリール「でも美味いんだよなぁ……」

店員「お待たせいたしましたー」

ガヴリール「……なにこれ。ケーキ？」

サターニャ「ほら、子供の頃食べたじゃない。三つガムがあって、どれか一つが超すっぱい」

ガヴリール「あぁ……なるへそ」

サターニャ「ガヴリールから食べていいわよ？」

ガヴリール「じゃ、じゃあこの右の奴かな」

サターニャ「ちなみに一時的に味覚が死ぬレベルですっぱいらしいから気を付けてね」

ガヴリール「ガヴリール危機一髪！」

サターニャ「ふふふ……どれを選ぶの？」

ガヴリール「……くっ、ここは自分の直感を信じるしかないか」

ガヴリール「はむ」

ガヴリール「チョコレートだ。美味い」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

サターニャ「……チッ。じゃあ私はこれを」

ガヴリール「いま舌打ちしなかった？」

サターニャ「なんのことかしら？」

ガヴリール「あ、ラフィエルだ……っていねえ！」

サターニャ「ラフィエルー♪　ケーキ食べたくなーい？」

ラフィエル「え？　ケーキですか！？　はい、食べたいです！」ﾊﾟｧｧ

ガヴリール「お、おい、気をつけろよ？」

ラフィエル「はむ……あ、美味しうぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！」

ガヴリール「ラフィエぇぇぇぇぇぇぇぇぇル！！」

サターニャ「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

スマホ『お姉ちゃんメールだよ☆』

ヴィーネ「……あ？　ああ、ガヴからか」

ガヴリール『すまん。風邪ひいた。今日は休むから一人で頑張れ』

ヴィーネ「……」

ラフィエル「ヴィーネさん！　なにスマホなんか見てるんですか！？」

ヴィーネ「あー、ガヴが風邪だって」

サターニャ「あら、それじゃあお見舞いにいかないといけないわね」

ヴィーネ「あんた面白くなりそうしか考えてないでしょ？」

サターニャ「そんなことないわよ。そう、それこそ喪に服す勢いで……」

ヴィーネ「死んでるじゃない。縁起でもない」

ラフィエル「安心してください、私とガヴちゃんは旧知の間柄です！
風邪をひいて看病し合ったことも……えーと、覚えてる限りではありませんがどこかであったでしょう、多分！」

ヴィーネ「あーそう」

サターニャ「あら、あんた行かないの？」

ヴィーネ「機会があれば」

サターニャ「くくっ、素直じゃないわね♪」

ヴィーネ「っさいわよ……」

サターニャ「ガヴリール～、看病に来てあげたわよー」

ガヴリール「ありがと～……」

ラフィエル「ガヴちゃんガヴちゃん！　私が来たからには百人力です！
……天使の数え方って『人』でよかったんでしたっけ？」

サターニャ「あってるわよ」

ラフィエル「百人力です！」

ガヴリール「……おう」

サターニャ「見なさいガヴリール。パッケージの印刷が薄れたバトルドーム買ってきたわよ」

ラフィエル「これでエキサイティングして、風邪菌ごとき追い払って追撃して殲滅してやりましょう！！」ｸﾞｯ

バトルドーム『カキィン！！　カキィン！！　トゥゥゥゥトゥゥゥゥトゥゥゥゥ！！』

ガヴリール「ああああうるさあああい！！　頭に響く！！」

サターニャ「あら」ﾎﾟｰｲ

ラフィエル「きゃー！」ﾎﾟｰｲ

ガヴリール「安静にしてなきゃいけないの！　空気読め！」ﾊﾞｰﾝ!!

サターニャ「追い出されちゃったわねｗｗｗｗｗｗｗ」

ラフィエル「あれ～？　バトルドームより野球板の方がよかったのでしょうか？」

サターニャ「そういう問題じゃないと思うわよ？」

ガヴリール「くぅぅぅ……寝られん」

ガヴリール（たしか眠るためには、なんだっけ、なんか数えればいいんだよな……）

ガヴリール（……んー、なんだっけ。とにかく温かいもの）

ガヴリール（ヴィーネ！？）

ガヴリール「うっ」ｽﾞｷｯ

ガヴリール（頭痛が痛い。違った、頭痛が酷い……もうこの際だからヴィーネでいいや）

ガヴリール「ヴィネットが～一人～……

……ん？　あれ、おい、ヴィーネ。飛べよ。
ああやめろ、欠伸するな。おい寝るんじゃない！　寝転がるな！　立て！

なんで私が寝るために数えてるのにお前が寝るんだよ。ああもう、言う事聞けって！

大渋滞じゃん！　まずいまずいまずい……これ下の方のヴィーネ圧死してんじゃないの？

ってそんなこと言ってる間にものべつ幕なしに増え続ける！　バイオハザード６で見たぞこの光景！　どれがほんとのママ！？
止めろー！　止まれ―！

ガヴリール「止まれぇぇぇぇぇぇ！」ｶﾞﾊﾞｯ

ヴィーネ「げ」

ガヴリール「あ、あれ？　ヴィーネ……お見舞いに来てくれたんだ」

ヴィーネ「ま、まあ、ね。うん、普段、色々してもらってるし、たまには、その、恩返ししないといけないなって思って……」

ガヴリール「……うん、ありがと」

ヴィーネ「……お、おかゆ買ってきたから。キッチン借りるわね」

ガヴリール「あ、ああ……サンキュ」

ヴィーネ「そ、その……」

ガヴリール「？」

ヴィーネ「早く、直してね」

ガヴリール「……あんがと」

ガヴリールＳＳにハズレは無いと思ってたけど考えを改めるわ

ラフィエル「うっ……私としたことが傘を忘れてしまうなんて」

サターニャ「あら。あんた傘忘れたの？　一緒に入る？」

ラフィエル「げっ、サターニャさん。なにか企んでるんじゃないですか？」

サターニャ「ふん、心外ね。私が、いつ、そんなことしたってのよ～♪」ﾆﾔﾆﾔ

ラフィエル「悪魔のような悪魔の笑顔！」

サターニャ「まあ冗談はさておき、濡れ鼠になってどっかの天使みたいに風邪ひくのも嫌でしょ？　さっさと入んなさい」

ラフィエル「ほ、本当に？　本当になにもしませんね？」

サターニャ「……」

ラフィエル「無言ですかサターニャさん！」

サターニャ「し、しないわよ？」

ラフィエル「目は口ほどに物を言うんですよサターニャさん……」ｹﾞﾝﾅﾘ

キャラの立ち位置交代させたかった

余計な事すんなよ(´・ω・`)

いいんでね？

え、これで終わり？
とりあえず、完走しようよ

魅力半減でしゅ