黒奈「……」

タプリス「え、あの。なんで……」

黒奈「千咲……いつもマフラーを巻いてるでしょ……だから……」

タプリス「……えっと、前にも言ったとき思うんですが、その、マフラーを外すのは恥ずかしくて……」

黒奈「関係ない」

タプリス「え？」

黒奈「私が見たい……だから、見せて」

タプリス「い、いやいやいや！　無理ですよ！」

黒奈「大丈夫……為せば成る……」

タプリス「何が！？」

黒奈「とにかく……マフラーを外して……話はそれから……」

タプリス「嫌です！　絶対に外しません！」

黒奈「……本当に？」

タプリス「本当です！」

黒奈「……」ｼﾞｰｯ

タプリス「……そ、そんな目で見てもダメです」

黒奈「……中々の強敵……一筋縄ではいかない……」

タプリス「な、何と言われようとマフラーは外しませんから、早く諦めて……」

黒奈「でも……だからこそ……燃える……」

タプリス「だから何が！？　とにかく、絶対にダメですからね！！」

黒奈「……」




黒奈(私は絶対に諦めない……どんな手を使ってでも)


黒奈(マフラーを外した千咲の姿を……この目に焼き付けてみせる………！)

ケース① 【無理やり剥がす】



タプリス「……」ﾃｸﾃｸ


黒奈「……」ｿﾛﾘｿﾛﾘ




黒奈「……えいっ」ｸﾞｲｯ

タプリス「むぎゅっ！？」ﾋﾞｸｯ




タプリス「ちょっと、いきなり何するんですか！！！　殺す気ですか！！？」

黒奈「その……千咲のマフラーを外したくて……」

タプリス「だからって無理に引っ張ったら首が絞まるに決まってるでしょう！！　よく考えてください！！」

黒奈「はい……ごめんなさい」ｼｭﾝ

ケース② 【二者択一】



黒奈「千咲……もしもマフラーとスカート……どちらかを脱がないといけないとしたら……どっちを脱ぐ？」

タプリス「え？　……なんですか急に」

黒奈「いいから……答えて……」

タプリス「……いや、流石にその場合はマフラーを外しますけど……」

黒奈「そう……」




黒奈「じゃあ……マフラーを外して」

タプリス「いや、もしもの話ですよね！？　外しませんよ！」

黒奈「わがまま……よくない……」

タプリス「どの口が言いますか！！」

ケース③ 【添い寝】



黒奈「千咲って……寝るときもマフラー……巻いてるの？」

タプリス「いえ、寝るときは外しますよ」

黒奈「そう……」




黒奈「じゃあ……一緒に……寝よう」

タプリス「なんでですか！？　寝ませんよ！！」

ケース④ 【言い回しを変える】



黒奈「……分かった……添い寝は諦める……」

タプリス「当然です！　大体、悪魔と寝るなんて非常識にも程が……！」




黒奈「添い寝は諦めるから……同衾しよう？」

タプリス「いや、それ意味同じですよね！？」

ケース⑤ 【ちょっとお茶目に】



黒奈「千咲……私と同衾して……ドーキドーキしよう？」

タプリス「はっ倒しますよ？」

ケース⑥ 【催眠術】



黒奈「千咲……これを見て」

タプリス「何ですか？　……五円玉？」

黒咲「千咲はだんだんマフラーを外したくなる……外したくなる……」ﾕﾗﾕﾗ

タプリス「……」




-10分後-


黒奈「外したくなる……外したくなる……」ﾕﾗﾕﾗ

タプリス「……あの、そろそろ昼休みが終わっちゃいますよ？」

黒奈「……仕方ない」ｽｯ




黒奈「続きは……また明日」

タプリス「まだやるつもりですか！？」

ケース⑦ 【突然の風】



タプリス「うぅ……今日は寒いですね……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

黒奈「うん……それに……風も冷たい……」

タプリス「は、早く学校に行きましょう……でないと、凍えてしま……」




ﾋﾞｭｫｫｵｵｵｯ




タプリス「ひゃっ！？」ﾋﾞｸｯ

黒奈「……」ﾊﾞｻｻｯ




タプリス「び、びっくりした……何ですか今の風は」

黒奈「……」

タプリス「……って、黒奈さん、フードが外れて」

黒奈「おかしい……」

タプリス「えっ？」




黒奈「今のは……突然の風で……千咲のマフラーが飛んでいく展開だったはず……！」

タプリス「いや何の話ですか」

ケース⑧ 【このマフラーは　のろわれている】



黒奈「千咲……」

タプリス「何ですか黒奈さん」

黒奈「一緒に行きたい所があるから……付いてきて……」

タプリス「行きたい所……？」




-数分後-


黒奈「……着いた」

タプリス「ここは……教会ですか？」

黒奈「そう……」

タプリス「何故悪魔のあなたが教会に……」

黒奈「それは……ここで……」




黒奈「千咲のマフラーの呪いを……解いて貰うため……」

タプリス「いや、別に呪いの装備だから外せない訳じゃないですからね！？」

ケース⑨ 【買収】



ガヴ「こんにちは、タプリス♪」ｷﾗｷﾗ

タプリス「えっ、て、天真先輩！？　その姿は……」

ガヴ「タプリス。今日はあなたにお願い事があるんです」ｷﾗｷﾗ

タプリス「お、お願い事……はい！　私に出来る事であれば！」

ガヴ「ありがとう。実は、一度でいいからマフラーを外したタプリスを見てみたくて……」ｷﾗｷﾗ

タプリス「えっ」

ガヴ「その、少しだけマフラーを外して見せて貰えないでしょうか？」ｷﾗｷﾗ

タプリス「え、えっと……マフラーを外すのは……」

ガヴ「……だめ、ですか？」ｳﾙｳﾙ

タプリス「」ｽﾞｯｷｭｰﾝ

タプリス「い、いえ！　天真先輩のお願いとあればマフラーを外すくらいなんてことないです！」

ガヴ「本当ですか！　ありがとうございます♪」ｷﾗｷﾗ

タプリス「はい！　待っててください！　今、マフラーを外して……」ｼｭﾙｼｭﾙ

ガヴ「……あ」ﾁﾗｯ



ガヴ「ごめんなさい、タプリス。ちょっと待ってて貰えますか？」

タプリス「え？」

ガヴ「すぐに終わりますから」ｽﾀｽﾀ

タプリス「え、天真先輩？　どこに……」

ガヴ「……」ｽﾀｽﾀ




ガヴ「……おい、黒奈。時間切れだ」

黒奈「……」ﾋﾞｸｯ

タプリス「え」

ガヴ「これ以上続けて欲しいなら……分かってるよな？」

黒奈「でも……これ以上は……今月の生活が……」

ガヴ「そうか。なら、仕方ないな……」ｸﾙｯ

黒奈「！　ま、待って……払う……払うから……！」

ガヴ「……ふん。最初からそうやって」

タプリス「2人とも何やってるんですかーーーー！！！」

ケース⑩ 【お風呂】



黒奈「千咲……一緒にお風呂入ろう」

タプリス「もはや形振り構わなくなってきましたね」

黒奈「大丈夫……お風呂セットと……寝巻きは持ってきた……」

タプリス「いや、そういう問題では……って、泊まる気ですか！？」

黒奈「……ダメ？」

タプリス「ダメですよ！　当然でしょう！」

黒奈「じゃあ……せめて……お風呂だけでも……」

タプリス「入りません！！　なにが『せめて』ですか！！」

黒奈「なら……沐浴を……」

タプリス「一緒です！！」

黒奈「……むー」ﾌﾟｸ

タプリス「はぁ……大体、寝るのがダメでお風呂が良い訳がないでしょう」

黒奈「……」

タプリス「それにまず、悪魔であるあなたを家に上げるはずが……」

黒奈「……まさか……千咲」

タプリス「え？」




黒奈「お風呂でもマフラーを……裸マフラー……？」

タプリス「なんでですか！？　しませんよそんな変態みたいな格好！！」

ラストケース 【プレゼント】



黒奈「千咲……今日こそ……マフラーを外して貰う……」

タプリス「はぁ……今度は何ですか？」

黒奈「……これ」ｽｯ

タプリス「紙袋？」

黒奈「中……見て……」

タプリス「……変なもの入れてませんよね」

黒奈「大丈夫……きっと気に入る……」

タプリス「怪しいですね……一体何が……あっ」ｶﾞｻｶﾞｻ

タプリス「……マフラー？」

黒奈「うん……浅葱色のマフラー……」

タプリス「もしかして、これを私に？」

黒奈「……うん……似合うと思って……プレゼント」

タプリス「……」

黒奈「だから……巻いてみて……くれる？」

タプリス「……えっと、ありがとうございます。これは明日巻いてくるので……」

黒奈「ダメ……今、巻いて」

タプリス「うっ……ど、どうしてもですか」

黒奈「……」ｺｸｯ

タプリス「……それじゃあ、私が巻き終わるまで向こうを向いて……」

黒奈「ダメ」

タプリス「うぅ……」

黒奈「……」ｼﾞｰｯ

タプリス「……」




タプリス「……はぁ。分かりました」

黒奈「！」

タプリス「仕方ないので、ここであなたのくれたマフラーを巻いてあげます」

黒奈「……いいの？」

タプリス「今回だけ！　今回だけですからね！　まったくもう……！」

黒奈「ありがとう……」



タプリス「しかし……まさか、私のマフラーを外す為だけに、新しいマフラーをプレゼントしてくるなんて……」

黒奈「それもあるけど……その後に私の選んだマフラーを巻いて貰えるから……ひとつぶで二度おいしい……」

タプリス「はぁ……本当に、あなたという悪魔は」

黒奈「いいから……それより……早くマフラーを……」ｿﾜｿﾜ

タプリス「わ、分かりましたから、ちょっと待っててください！　えっと……」




タプリス「……んしょ」ｼｭﾙ…

黒奈「！」

タプリス「……」ｼｭﾙﾙ

黒奈「……」



タプリス「あとはこっちを……」ｽｯ

黒奈「……」



タプリス「……」ﾏｷﾏｷ

黒奈「……」



タプリス「……はい。出来ました」

黒奈「……」



タプリス「その……ど、どうですか？　似合ってますか？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

黒奈「……」

タプリス「……って、あ、あれ？　黒奈さん？　なんで俯いて……」

黒奈「な……」

黒奈「なんで……マフラーの下に……ネックウォーマーが……」ｽﾞｰﾝ

タプリス「え？」





黒奈「なんで……2重ガード……」ｽﾞｰﾝ

タプリス「いやその、最近寒くなってきたので、マフラーだけじゃ心もとないと思って……」

黒奈「……」ｽﾞｫｫｵｵｵ…

タプリス「く、黒奈さん？　大丈夫ですか？　あの、なんか禍々しいオーラが……黒奈さん！？ 聞こえてますか！？　黒奈さーーん！！」



-おしまい-

-おまけ-



黒奈「……」ｼﾞｰｯ

タプリス「……」

黒奈「……」ｼﾞｰｯ

タプリス「……」

黒奈「……」ｼﾞｰｯ

タプリス「……あ、あの」

黒奈「……何？」ｼﾞｰｯ

タプリス「いくらマフラーを巻いてるとはいえ、そんなにじっと見つめられると恥ずかしいんですが……」ｶｧｧ

黒奈「大丈夫……すごく……似合ってる……」ｼﾞｰｯ

タプリス「いえ、そういう問題ではなくてですね……」

黒奈「……」ｼﾞｰｯ

タプリス「その、少しだけ視線を外して貰いたいなと……」

黒奈「無理……」ｼﾞｰｯ

タプリス「む、無理って……」

黒奈「だって……今の私は……」





黒奈「千咲の首に……首ったけだから」ﾆﾔｯ

タプリス「いや、なに『上手いこと言った』みたいな顔してるんですか！？」



-おしまい-

マフラーを付けてない首ってなんて言うんでしょう……生首？

HTML化依頼出してきます。

二人共可愛すぎてやばい…乙！