P「第一、事務所で待ってても来るわけがないって。鍵閉めるから家に帰りなさい」

瑞希「お、お返しの手紙に書いてあったんです。『765プロに届けに行くから待っていて』……って」

P「あー、それは多分あれだなぁ。社長あたりが明日以降に出勤する年少組のためにサプライズ仕掛けてるんだろう」

P「サンタの正体は、社長か、小鳥さんか、それとも別の誰かか……。後で俺から訊いておくから、それでおしまいな」

瑞希「……ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰはどうしてそんなに厳しいのでしょうか。そろそろ泣いちゃうぞ。……うるうる」

P「わからない子だなぁ。帰らないなら親御さんに連絡するか……」



(ｼｬﾝ､ｼｬﾝ､ｼｬﾝ､ｼｬﾝ・・・・・・)



瑞希「……これは、鈴の音？」

P「な、なんなんだ？」

謎の男性「ふぉっふぉっふぉっ。メリークリスマス！」


瑞希「め、めりーくりすます……！？」

P「し、白いひげに赤服で厚着な恰幅のいいおじさんだって……？　まさか……」


謎の男性「ミス・マカベ、君の手紙は拝見させてもらったよ。一年間、いい子にしていたのは君と親しい人からよく聞かせてもらっているとも」


瑞希「あ、あの。あなたは、もしかして……！」


謎の男性「君が欲しかった贈り物は、これで合ってるかね？　喜んでくれるかな？」


瑞希「私がお願いした通りの……あ、ありがとうございます。……さんきゅー、さんきゅーサンタクロース……！」

P「なんてことだ……なんてことだ…………」

P「……」

瑞希「……」

P「……あー。プレゼントもらえたな、瑞希」

瑞希「はい。それよりﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ、見ましたか」

P「ん？」

瑞希「今、確かに……。ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰも、しっかり見ましたよね？」

P「ああ、見た見た。……俺の負けだよ、よかったな、瑞希」

瑞希「どうです、サンタさんは本当にいたでしょう。……えっへん」

P「ははは。ま、瑞希がうれしいなら何よりだ……」

P「……今回は本当にありがとうございました」

謎の男性(？)「礼なんていいさ。ピュアな子供たちに夢を見せるのは大人の仕事だからね」

P「まさか、わざわざこんな頼みごとを引き受けてくれるとは……」

謎の男性(？)「なに、気兼ねしないでくれ……」



ｼﾞｮｰｲ･ﾛｰﾀｽ「新作の宣伝で来日した暇つぶしだから、ね」



P「ﾛｰﾀｽ監督……！」

ｼﾞｮｰｲ･ﾛｰﾀｽ「私の方こそ、大切な仲間を楽しませる役目を任せてくれた君に感謝の言葉を贈りたいところさ」

P「監督……」

ｼﾞｮｰｲ･ﾛｰﾀｽ「来年も機会があればこうした役目を引き受けたいものだが……」

P「ええ、監督！　またうちの子たちに会いに来てください！」

ｼﾞｮｰｲ･ﾛｰﾀｽ「……なあ、君。そろそろその呼び方をよしてくれないか？　なにせ今の私は映画監督ではなく……」



「名もなきサンタクロースだから、ね」

こうして瑞希の尊厳と少女の夢は静かに守られた。

当人たちのほかに彼らの働きを知るものはいない。だが、それこそが正しい大人の姿であり、彼らの使命なのである。

聖なる夜、今年もいい子にしていた子たちの元に――。



P「あ、もしもし346プロの方ですか？　夜分遅くに突然のご連絡失礼いたします」


P「……はい、そちらに『いる』と伺っているのですが……はい、お願いします。大人びた子なので、起きている最中出くわすと色々言われるかもしれませんが……はい」


P「親御さんの許可もいただいていますので……。……はい、訪問先の住所はメールで改めて…………はい」




――サンタクロースがやってくる、かもしれない。


(おしまい)

短いお話でしたが、読んでいただきありがとうございました。ﾛｰﾀｽ監督は匂わせる程度で構わないのでﾐﾘｼﾀにも出てきてほしいなぁとか思ったりします。


ﾐﾘｼﾀ時空の瑞希はサンタの不存在を看破している節がありますが、どうなのでしょう。歌織さんがサンタさんを信じていたら面白いですね。


それではまたの機会にお会いしましょう。メリークリスマス！

>>8
うざいしね

>>8
うざいしね

おつおつー、まかべーはかわいいなぁ