1:テスト ◆EtMuQzvQp.:2018/09/24(月) 02:24:13 :OGS6tOqQ
俺の名はD
…そうスレタイでは名乗ったのだが、当然の事がこれはあくまでイニシャルだ
本名は寺田 大輔(てらだ だいすけ)
みんな大好き“Tさん”と名乗っても問題ない名前だが、俺は「破ぁ!」1つで悪霊を倒せるほど強くないなので“D”と名乗っている
まあ、ぶっちゃけ名前の所は霊能力者になるのだから本名とかイニシャルとかは割とどうでもいい話なのだが
俺の名はD
…そうスレタイでは名乗ったのだが、当然の事がこれはあくまでイニシャルだ
本名は寺田 大輔(てらだ だいすけ)
みんな大好き“Tさん”と名乗っても問題ない名前だが、俺は「破ぁ!」1つで悪霊を倒せるほど強くないなので“D”と名乗っている
まあ、ぶっちゃけ名前の所は霊能力者になるのだから本名とかイニシャルとかは割とどうでもいい話なのだが
2:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 02:34:49 :OGS6tOqQ
因みに寺生まれのTさんとは違い、俺はガッツリこの力を主に使う職業に就いている
別にそういう会社とか組織がある訳じゃなく、個人事務所ではあるのだが
勿論インチキではない
正真正銘のモノホンの悪霊退治だ
そう、例えば
息子さん「クケッ……!クケケケッ!」
母親「先生っ、息子は……!」
霊能力者「任せておいて下さい」
こんな風に
因みに寺生まれのTさんとは違い、俺はガッツリこの力を主に使う職業に就いている
別にそういう会社とか組織がある訳じゃなく、個人事務所ではあるのだが
勿論インチキではない
正真正銘のモノホンの悪霊退治だ
そう、例えば
息子さん「クケッ……!クケケケッ!」
母親「先生っ、息子は……!」
霊能力者「任せておいて下さい」
こんな風に
3:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 02:41:33 :OGS6tOqQ
息子さん「クケーッ!」
じたばた
霊能力者「物理的に縛ってるとはいえ、あんまし時間はかけられないね」
母親「息子は助かりますか!?」
霊能力者「んー、多分大丈夫かと。さて、」
助手「“D”先生、どのセットを今回は使いますか」
霊能力者「セットXで」
助手「了解しました」
パカッ
霊能力者「これでよし、と」
母親「あのー、先生……。それは……?」
霊能力者「霧吹きと十字架ですけど」
息子さん「クケーッ!」
じたばた
霊能力者「物理的に縛ってるとはいえ、あんまし時間はかけられないね」
母親「息子は助かりますか!?」
霊能力者「んー、多分大丈夫かと。さて、」
助手「“D”先生、どのセットを今回は使いますか」
霊能力者「セットXで」
助手「了解しました」
パカッ
霊能力者「これでよし、と」
母親「あのー、先生……。それは……?」
霊能力者「霧吹きと十字架ですけど」
4:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 02:50:37 :OGS6tOqQ
母親「まあ、それは見れば……」
霊能力者「……まあ、言いたいことは分かりますよ?ただ最近の除霊はマルチにカバーしないとやってられないんですよ」
母親「は、はあ」
霊能力者「助手ー、霧吹き頼む」
助手「はい」
プシャッ
息子さん「ギィィヤァァァァァア!!」
母親「!!」
助手「ただのオリーブオイルなので大丈夫ですよ」
霊能力者「効いたってことはやっぱりかー。やっぱりあれかー」
母親「あれとはなんですか!息子には何がついてるのですか!?」
霊能力者「悪魔です」
母親「」
母親「まあ、それは見れば……」
霊能力者「……まあ、言いたいことは分かりますよ?ただ最近の除霊はマルチにカバーしないとやってられないんですよ」
母親「は、はあ」
霊能力者「助手ー、霧吹き頼む」
助手「はい」
プシャッ
息子さん「ギィィヤァァァァァア!!」
母親「!!」
助手「ただのオリーブオイルなので大丈夫ですよ」
霊能力者「効いたってことはやっぱりかー。やっぱりあれかー」
母親「あれとはなんですか!息子には何がついてるのですか!?」
霊能力者「悪魔です」
母親「」
5:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 02:59:09 :OGS6tOqQ
助手「正確には映画『エクソシスト』に出てくるようなアレです」
霊能力者「コイツがモノホンなら面倒だな。一応本も用意しておいてくれ」
助手「かしこまりました」
母親「あ、悪魔って」
霊能力者「なんか最近外来種的なノリで日本にもきてるみたいなんですよー」
母親「外来種って……」
霊能力者「さっきも言った通りモノホンのガチ悪魔なら俺の“本業”とは少し違う分野になるので面倒ですけど。多分違うと思うので安心してください」
母親「違う?」
息子さん「クケーッ!」
霊能力者「まあ見といて下さい」
助手「正確には映画『エクソシスト』に出てくるようなアレです」
霊能力者「コイツがモノホンなら面倒だな。一応本も用意しておいてくれ」
助手「かしこまりました」
母親「あ、悪魔って」
霊能力者「なんか最近外来種的なノリで日本にもきてるみたいなんですよー」
母親「外来種って……」
霊能力者「さっきも言った通りモノホンのガチ悪魔なら俺の“本業”とは少し違う分野になるので面倒ですけど。多分違うと思うので安心してください」
母親「違う?」
息子さん「クケーッ!」
霊能力者「まあ見といて下さい」
6:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:07:47 :OGS6tOqQ
助手「先生、全ての準備が整いました」
霊能力者「じゃあやりましょか」
息子さん「クケケケーッ!」
じたばた
霊能力者「オラッ!」
ギンッ
息子さん「グゲッ」
助手「霧吹きもどうぞ」
プシャッ
息子さん「グゲゲッ」
霊能力者「十字架見えてんだろ、名前を言え」
息子さん「グギッ、グギゲゲゲッ……!」
助手「先生、全ての準備が整いました」
霊能力者「じゃあやりましょか」
息子さん「クケケケーッ!」
じたばた
霊能力者「オラッ!」
ギンッ
息子さん「グゲッ」
助手「霧吹きもどうぞ」
プシャッ
息子さん「グゲゲッ」
霊能力者「十字架見えてんだろ、名前を言え」
息子さん「グギッ、グギゲゲゲッ……!」
7:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:16:11 :OGS6tOqQ
霊能力者「こりゃどっちか分からんなぁ……。助手、」
助手「銀で出来たフォークもどうですか?」
プスッ
息子さん「グゴギィィイイイイイイイ!!」
霊能力者「名前を言えば外に出られるよ?」
息子さん「べ、ベリアル!我が名はベリアルッ!!」
ボワンッ
母親「ひっ!あ、悪魔っ!?」
助手「先生」
霊能力者「……」
霊能力者「こりゃどっちか分からんなぁ……。助手、」
助手「銀で出来たフォークもどうですか?」
プスッ
息子さん「グゴギィィイイイイイイイ!!」
霊能力者「名前を言えば外に出られるよ?」
息子さん「べ、ベリアル!我が名はベリアルッ!!」
ボワンッ
母親「ひっ!あ、悪魔っ!?」
助手「先生」
霊能力者「……」
8:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:19:28 :OGS6tOqQ
ベリアル?「このエクソシスト共め!次は貴様らにとり憑いてやるっ!!」
母親「ひいっ!」バタリッ
助手「先生」
霊能力者「分かってるよ」
ベリアル?「怖気付いたか」
霊能力者「……可哀想だからお前にさいごに1つ教えてやるよ」
ベリアル?「な、何をいきなり」
霊能力者「本物の悪魔は日本語じゃ喋らんぞ」
ベリアル?「え」
霊能力者「破ァッ!」
チュボンッ!
ベリアル?「このエクソシスト共め!次は貴様らにとり憑いてやるっ!!」
母親「ひいっ!」バタリッ
助手「先生」
霊能力者「分かってるよ」
ベリアル?「怖気付いたか」
霊能力者「……可哀想だからお前にさいごに1つ教えてやるよ」
ベリアル?「な、何をいきなり」
霊能力者「本物の悪魔は日本語じゃ喋らんぞ」
ベリアル?「え」
霊能力者「破ァッ!」
チュボンッ!
9:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:23:46 :OGS6tOqQ
助手「起きて下さい」
母親「あれ?悪魔は……」
霊能力者「あのもどきは無事除霊したので問題はありません」
母親「で、では息子は!」
霊能力者「ご覧の通り」
息子さん「Zzz......」
母親「ああ…!」
霊能力者 「これでもう大丈夫ですよ」
助手「起きて下さい」
母親「あれ?悪魔は……」
霊能力者「あのもどきは無事除霊したので問題はありません」
母親「で、では息子は!」
霊能力者「ご覧の通り」
息子さん「Zzz......」
母親「ああ…!」
霊能力者 「これでもう大丈夫ですよ」
10:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:36:13 :OGS6tOqQ
──────
────
──
助手「それにしても最近増えましたね、“悪魔もどき”」
霊能力者「……正直今さら感あるけど、どっかで流行ってんのかねぇ」
本来ならば地縛霊という存在で産まれる筈であった悪霊
しかし、現代のネット社会では誰もが簡単にイメージの共有を行い、拡散する時代
人の恐怖に対するイメージの変化はハッキリとこちらの世界にも影響していた
積もり積もった多くの“ソレ”が現実のものとして現れる様になったのだ
既存のものとは比べ物にならない形で
──────
────
──
助手「それにしても最近増えましたね、“悪魔もどき”」
霊能力者「……正直今さら感あるけど、どっかで流行ってんのかねぇ」
本来ならば地縛霊という存在で産まれる筈であった悪霊
しかし、現代のネット社会では誰もが簡単にイメージの共有を行い、拡散する時代
人の恐怖に対するイメージの変化はハッキリとこちらの世界にも影響していた
積もり積もった多くの“ソレ”が現実のものとして現れる様になったのだ
既存のものとは比べ物にならない形で
11:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:41:13 :OGS6tOqQ
霊能力者「……」
助手「……私の顔になにか」
霊能力者「別にー」
これはそんな徐々に無理ゲー化していく悪霊たちと仕事で戦う霊能力者、“寺生まれのD”の日常の物語
霊能力者「……」
助手「……私の顔になにか」
霊能力者「別にー」
これはそんな徐々に無理ゲー化していく悪霊たちと仕事で戦う霊能力者、“寺生まれのD”の日常の物語
12:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:43:20 :OGS6tOqQ
第1破ァッ!「こっくりさん」
第1破ァッ!「こっくりさん」
13:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 03:51:26 :OGS6tOqQ
教頭「やあ、大輔くん!よく来てくれたね」
霊能力者「お久しぶりです、先生」
教頭「あれから8年か。職業が職業だからこうして君の元気な姿が見れて嬉しいよ」
霊能力者「先生も変わらずお元気のようで」
教頭「今ではお陰様で教頭さ」
霊能力者「その頭がようやく似合う役職に着きましたね」
キラーン
教頭「減らず口も変わらんなぁ」
教頭「やあ、大輔くん!よく来てくれたね」
霊能力者「お久しぶりです、先生」
教頭「あれから8年か。職業が職業だからこうして君の元気な姿が見れて嬉しいよ」
霊能力者「先生も変わらずお元気のようで」
教頭「今ではお陰様で教頭さ」
霊能力者「その頭がようやく似合う役職に着きましたね」
キラーン
教頭「減らず口も変わらんなぁ」
14:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 04:01:16 :OGS6tOqQ
助手「……」
教頭「ところで君の隣の可愛い娘さんは……」
霊能力者「仕事の助手です」
助手「どうも」ぺこり
教頭「おーこれはこれは、こちらこそ。それにしても大輔の隣りに女性とは。お前もようやく……」
霊能力者「そんなんじゃないですよ」
助手「……」
ゲシッ
霊能力者「いたいっ。事実だろ」
教頭「ふむ……、」
助手「……」
教頭「ところで君の隣の可愛い娘さんは……」
霊能力者「仕事の助手です」
助手「どうも」ぺこり
教頭「おーこれはこれは、こちらこそ。それにしても大輔の隣りに女性とは。お前もようやく……」
霊能力者「そんなんじゃないですよ」
助手「……」
ゲシッ
霊能力者「いたいっ。事実だろ」
教頭「ふむ……、」
15:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 22:48:28 :kfTVv9ko
出落ちかと思ったけど中々どうして
オカルト系のスレが立つの久しぶりな気がするし頑張ってほしい
出落ちかと思ったけど中々どうして
オカルト系のスレが立つの久しぶりな気がするし頑張ってほしい
16:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 23:38:49 :OGS6tOqQ
霊能力者「それにしても凄いもん呼んでますね」
教頭「この距離でも分かるのかね」
霊能力者「グラウンド挟んだこの校門からもハッキリとその教室の前に浮かぶ“社(やしろ)”が見えますし」
教頭「社?は見えんが、やはり我々では対象不能レベルだったか」
霊能力者「最近のヤツらはドアを開けてこんにちはをしても立ち向かって来ますしね。鳩と同じですよ」
教頭「学長を説得するのに苦労したが、やはり君を呼んで正解だったようだ」
霊能力者「少なくとも不正解ではなかったと思いますよ」
霊能力者「それにしても凄いもん呼んでますね」
教頭「この距離でも分かるのかね」
霊能力者「グラウンド挟んだこの校門からもハッキリとその教室の前に浮かぶ“社(やしろ)”が見えますし」
教頭「社?は見えんが、やはり我々では対象不能レベルだったか」
霊能力者「最近のヤツらはドアを開けてこんにちはをしても立ち向かって来ますしね。鳩と同じですよ」
教頭「学長を説得するのに苦労したが、やはり君を呼んで正解だったようだ」
霊能力者「少なくとも不正解ではなかったと思いますよ」
17:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/24(月) 23:47:18 :OGS6tOqQ
助手「先生、そろそろ」
霊能力者「そうだね。そろそろ気づかれるかもしれないし行こうか」
教頭「……事前に伝えてはいるが、」
霊能力者「分かってますよ。教室の中には女子生徒が3人、少なくとも脱出の痕跡は無く監禁状態は2時間半。“最悪の場合”だった時のアフタフォローも仕事の内ですから」
教頭「すまない……」
霊能力者「大丈夫ですよ。邪神でも降ろしていなければまだ間に合いますよ」
助手「準備はしておいた方が宜しいですか?」
霊能力者「“最悪の場合”は有り得なくもないからね。すぐに出せるように」
助手「先生、そろそろ」
霊能力者「そうだね。そろそろ気づかれるかもしれないし行こうか」
教頭「……事前に伝えてはいるが、」
霊能力者「分かってますよ。教室の中には女子生徒が3人、少なくとも脱出の痕跡は無く監禁状態は2時間半。“最悪の場合”だった時のアフタフォローも仕事の内ですから」
教頭「すまない……」
霊能力者「大丈夫ですよ。邪神でも降ろしていなければまだ間に合いますよ」
助手「準備はしておいた方が宜しいですか?」
霊能力者「“最悪の場合”は有り得なくもないからね。すぐに出せるように」
18:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 00:00:30 :bEuVCsdM
教頭「……」
霊能力者「それと教頭先生にお願いがあるのですが、ここから先は俺の事を“D”と呼んでください。絶対に」
教頭「それはどうしてかね?」
霊能力者「名前は結構大事なものでしてね。ものによっちゃ死んじゃうので、出来るだけ守ってくださいね」
教頭「分かった。君の言う通りにしよう、D」
霊能力者「さて、悪霊退治に行くとしますか」
教頭「……」
霊能力者「それと教頭先生にお願いがあるのですが、ここから先は俺の事を“D”と呼んでください。絶対に」
教頭「それはどうしてかね?」
霊能力者「名前は結構大事なものでしてね。ものによっちゃ死んじゃうので、出来るだけ守ってくださいね」
教頭「分かった。君の言う通りにしよう、D」
霊能力者「さて、悪霊退治に行くとしますか」
19:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 00:06:36 :bEuVCsdM
──────
────
──
ガチャガチャ
教頭「閉まっているな」
霊能力者「鍵開けてるのに開かないという事は、既に何かしらの物が降りて受肉も済ませてると見て良さそうですね」
教頭「受肉……!」
霊能力者「あ、そんな教頭先生が思ってるほど物騒なものじゃないですよ。ようはとり憑いてるだけですから」
助手「どうされますか」
霊能力者「まだ相手も分からないしなぁ……」
教頭「どうやって入るのだね?」
霊能力者「助手」
助手「はい」
霊能力者「斬って」
助手「はい」
ズパンッ!
──────
────
──
ガチャガチャ
教頭「閉まっているな」
霊能力者「鍵開けてるのに開かないという事は、既に何かしらの物が降りて受肉も済ませてると見て良さそうですね」
教頭「受肉……!」
霊能力者「あ、そんな教頭先生が思ってるほど物騒なものじゃないですよ。ようはとり憑いてるだけですから」
助手「どうされますか」
霊能力者「まだ相手も分からないしなぁ……」
教頭「どうやって入るのだね?」
霊能力者「助手」
助手「はい」
霊能力者「斬って」
助手「はい」
ズパンッ!
20:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 00:12:56 :bEuVCsdM
ゴトンッ......
霊能力者「お邪魔しまーす」
教頭「い、今のは、」
助手「お気になさらず」
霊能力者「後で説明しますよ」
女子高生A・B「」グタッ......
教頭「き、きみたち!」
?「おや、随分と物騒なお客様ですね」
霊能力者「そうですかいね」
助手「相手から見ればそうかも」
?「まさかここに入って来ようとは。儀式が中断してしまったではないか」
霊能力者「何の儀式かは知らんが、名前の割に妙に強そうだな“こっくりさん”」
こっくりさん「おや、知っているのかね」
ゴトンッ......
霊能力者「お邪魔しまーす」
教頭「い、今のは、」
助手「お気になさらず」
霊能力者「後で説明しますよ」
女子高生A・B「」グタッ......
教頭「き、きみたち!」
?「おや、随分と物騒なお客様ですね」
霊能力者「そうですかいね」
助手「相手から見ればそうかも」
?「まさかここに入って来ようとは。儀式が中断してしまったではないか」
霊能力者「何の儀式かは知らんが、名前の割に妙に強そうだな“こっくりさん”」
こっくりさん「おや、知っているのかね」
21:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 00:24:28 :bEuVCsdM
霊能力者「学校の教室で手軽に呼べて取り憑くヤツなんてあんたくらいなもんだしね」
こっくりさん「そうかそうか」ピョコン
霊能力者「それにしても最近のこっくりさんはとり憑いた相手を狐っ娘にしちゃうのか」
ピコピコ
こっくりさん「こちらも最初は普段通り狐の姿になると思ったのだが。どうも最近の人間はこのような姿がお好みらしい」
助手「そうなのですか?」
霊能力者「俺が知るか」
教頭「すまんが私も分からんな」
こっくりさん「不本意な姿ではあるが、お陰で嘗てないほどの力を得られたのだから問題はない」
霊能力者「こっちからすれば大問題だ」
霊能力者「学校の教室で手軽に呼べて取り憑くヤツなんてあんたくらいなもんだしね」
こっくりさん「そうかそうか」ピョコン
霊能力者「それにしても最近のこっくりさんはとり憑いた相手を狐っ娘にしちゃうのか」
ピコピコ
こっくりさん「こちらも最初は普段通り狐の姿になると思ったのだが。どうも最近の人間はこのような姿がお好みらしい」
助手「そうなのですか?」
霊能力者「俺が知るか」
教頭「すまんが私も分からんな」
こっくりさん「不本意な姿ではあるが、お陰で嘗てないほどの力を得られたのだから問題はない」
霊能力者「こっちからすれば大問題だ」
22:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 00:32:38 :bEuVCsdM
こっくりさん「儀式も中断されたことだ。折角だから貴様にこの力の試運転に付き合ってもらおう」
霊能力者「どうしてそうなる」
こっくりさん「ほれっ」
ズビャンッ!
霊能力者「あっぶね」ピョンッ
バキバキッ......!
教頭「床が……!」
助手「“こっくりさん”というのに物理的に強いですね」
こっくりさん「ふむ、以前に比べ物理干渉力が上がっているか」
霊能力者「8年前とは真逆だな」
こっくりさん「っ!もしやお主」
こっくりさん「儀式も中断されたことだ。折角だから貴様にこの力の試運転に付き合ってもらおう」
霊能力者「どうしてそうなる」
こっくりさん「ほれっ」
ズビャンッ!
霊能力者「あっぶね」ピョンッ
バキバキッ......!
教頭「床が……!」
助手「“こっくりさん”というのに物理的に強いですね」
こっくりさん「ふむ、以前に比べ物理干渉力が上がっているか」
霊能力者「8年前とは真逆だな」
こっくりさん「っ!もしやお主」
23:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 00:40:28 :bEuVCsdM
霊能力者「またぶち殺しに来たよ」
こっくりさん「前回の小童か」
霊能力者「せーかい」
教頭「もしやと思っていたが、これは8年前のと同じやつなのか!」
霊能力者「ええ、8年前の他のみんなが卒業式の真っ只中で祓ってやったやつです」
助手「通りで帰ってきたらボロボロだと思ったら」
こっくりさん「あの時は泣いておったな」
霊能力者「人生に1度の卒業式がお祓い式になればそうなるさ。お前には分からんだろうが」
霊能力者「またぶち殺しに来たよ」
こっくりさん「前回の小童か」
霊能力者「せーかい」
教頭「もしやと思っていたが、これは8年前のと同じやつなのか!」
霊能力者「ええ、8年前の他のみんなが卒業式の真っ只中で祓ってやったやつです」
助手「通りで帰ってきたらボロボロだと思ったら」
こっくりさん「あの時は泣いておったな」
霊能力者「人生に1度の卒業式がお祓い式になればそうなるさ。お前には分からんだろうが」
24:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 18:50:02 :bEuVCsdM
こっくりさん「呼ばれきたのに随分とまあ」
霊能力者「呼ばれても来るな」
こっくりさん「これは手厳しい」
助手「先生、あまり時間が」
霊能力者「おっと、私怨抜きでもお前にはさっさと消えて貰わんとな」
こっくりさん「月並みではあるが、前回同様そう上手くいけるかな」
霊能力者「百も承知だ。肉体にほぼ融合してるヤツの処置の面倒さは規模問わずだ」
教頭「だ……、じゃなくてD!どうにかなりそうか?」
霊能力者「特に問題はありませんよ。助手、30%解放して時間を稼いでくれ」
助手「了解しました」
霊能力者「頼むよ。じゃ、先生はそこで倒れてる2人をここから出して俺に着いてきて」
教頭「お、おい!」
こっくりさん「呼ばれきたのに随分とまあ」
霊能力者「呼ばれても来るな」
こっくりさん「これは手厳しい」
助手「先生、あまり時間が」
霊能力者「おっと、私怨抜きでもお前にはさっさと消えて貰わんとな」
こっくりさん「月並みではあるが、前回同様そう上手くいけるかな」
霊能力者「百も承知だ。肉体にほぼ融合してるヤツの処置の面倒さは規模問わずだ」
教頭「だ……、じゃなくてD!どうにかなりそうか?」
霊能力者「特に問題はありませんよ。助手、30%解放して時間を稼いでくれ」
助手「了解しました」
霊能力者「頼むよ。じゃ、先生はそこで倒れてる2人をここから出して俺に着いてきて」
教頭「お、おい!」
25:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 19:11:28 :bEuVCsdM
ガララッ......
助手「……見逃すのですね」
こっくりさん「何をするかは知らんが、今回もそこまで長く遊べそうになさそうだしの。それなら久しぶりに似たもの同士で戯れるのも乙なものよ」
助手「そうですか」
シャキン
こっくりさん「おお、怖い怖い」
助手「それでは稼がせてもらいます」
こっくりさん「楽しませてみせよ」
バシュンッ!
助手「……」
ズゴンッ
こっくりさん「ん?消えた……、」ゾワッ
“今、貴女の後ろに居るの”
ガララッ......
助手「……見逃すのですね」
こっくりさん「何をするかは知らんが、今回もそこまで長く遊べそうになさそうだしの。それなら久しぶりに似たもの同士で戯れるのも乙なものよ」
助手「そうですか」
シャキン
こっくりさん「おお、怖い怖い」
助手「それでは稼がせてもらいます」
こっくりさん「楽しませてみせよ」
バシュンッ!
助手「……」
ズゴンッ
こっくりさん「ん?消えた……、」ゾワッ
“今、貴女の後ろに居るの”
26:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 19:29:50 :bEuVCsdM
こっくりさん「ぬっ!」ぐるりっ
ガキンッ
助手「どうされました」
こっくりさん「……これは面妖な。何がどうなっているのやら」
助手「そうですか?」
こっくりさん「一瞬同族かと思ったが違うのか……?」
助手「私に聞かれましても」
こっくりさん「ふむ、ならばとにかく全力で当たらせて貰おう」
助手「どうぞお好きに」
こっくりさん「ていやっ」ジュポンッ
助手「尻尾が9本……」
こっくりさん「どっせい」
ズババババッ
こっくりさん「ぬっ!」ぐるりっ
ガキンッ
助手「どうされました」
こっくりさん「……これは面妖な。何がどうなっているのやら」
助手「そうですか?」
こっくりさん「一瞬同族かと思ったが違うのか……?」
助手「私に聞かれましても」
こっくりさん「ふむ、ならばとにかく全力で当たらせて貰おう」
助手「どうぞお好きに」
こっくりさん「ていやっ」ジュポンッ
助手「尻尾が9本……」
こっくりさん「どっせい」
ズババババッ
27:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 22:07:31 :eMaCZUrs
メリーさんなのか……? でもメリーさんって憑依するタイプじゃなさそうだし、どうなんだろ
メリーさんなのか……? でもメリーさんって憑依するタイプじゃなさそうだし、どうなんだろ
28:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 10:21:37 :uYs/vIrA
助手「……」
フッ......
こっくりさん「っ!」
ズドドドドドドッ......
こっくりさん「またか」
“今、黒板の前にいるの”
こっくりさん「不思議なものだ」くるり
助手「もう慣れましたか」
こっくりさん「慣れるもなにも驚きが先行してそれどころじゃない」
助手「はあ」
こっくりさん「一瞬同族かと思ったがどうもそれは違うようだ。常に人の気配を感じるが、その面妖な動きをする一瞬だけは別物」
助手「……」
こっくりさん「“怨霊”そのものだ」
助手「……」ザワザワ
こっくりさん「そっちが本性か」
助手「……」
フッ......
こっくりさん「っ!」
ズドドドドドドッ......
こっくりさん「またか」
“今、黒板の前にいるの”
こっくりさん「不思議なものだ」くるり
助手「もう慣れましたか」
こっくりさん「慣れるもなにも驚きが先行してそれどころじゃない」
助手「はあ」
こっくりさん「一瞬同族かと思ったがどうもそれは違うようだ。常に人の気配を感じるが、その面妖な動きをする一瞬だけは別物」
助手「……」
こっくりさん「“怨霊”そのものだ」
助手「……」ザワザワ
こっくりさん「そっちが本性か」
29:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 10:53:16 :uYs/vIrA
助手「ふっ……!」
ジャキンッ
こっくりさん「身の丈程の包丁を瞬時に生成とは。“口裂け女”でも出来ん芸当だ」
助手「……張り切りすぎました」
こっくりさん「この狭い空間でその大きさは邪魔だろうな」
助手「何とかします」
こっくりさん「ふむふむ。では続けようか」シュルッ
ズドンッ
助手「……」フッ
助手「ふっ……!」
ジャキンッ
こっくりさん「身の丈程の包丁を瞬時に生成とは。“口裂け女”でも出来ん芸当だ」
助手「……張り切りすぎました」
こっくりさん「この狭い空間でその大きさは邪魔だろうな」
助手「何とかします」
こっくりさん「ふむふむ。では続けようか」シュルッ
ズドンッ
助手「……」フッ
30:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 11:06:51 :uYs/vIrA
こっくりさん「さてはて、試してみるかの」
“今、あなたの「前にいるの」
助手「!?」シュタンッ
こっくりさん「おお、試してみるもんだ」ズビャッ
助手「くっ」
ズバズバッ!
こっくりさん「宣言後に相手が認識した場所に移動する、か。うむ、実に初見殺しだ」
助手「……」
こっくりさん「タネが分かってしまえばもう問題ない。さて、どうするかね」
こっくりさん「さてはて、試してみるかの」
“今、あなたの「前にいるの」
助手「!?」シュタンッ
こっくりさん「おお、試してみるもんだ」ズビャッ
助手「くっ」
ズバズバッ!
こっくりさん「宣言後に相手が認識した場所に移動する、か。うむ、実に初見殺しだ」
助手「……」
こっくりさん「タネが分かってしまえばもう問題ない。さて、どうするかね」
31:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 11:22:35 :uYs/vIrA
助手「……私の役目は時間稼ぎなので」
こっくりさん「ん?」
ガララッ
霊能力者「そ、あくまでもお前を消すのは俺だ」
助手「先生」
こっくりさん「小童か」
霊能力者「もう準備は出来ている。こっくりさんはお帰りの時間だ」
こっくりさん「出来るもんかな。私は既にこの少女の肉体とほぼ同化している。引き剥がすことも出来んぞ」
霊能力者「ほぼなら問題ない」
教頭「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
ダダダダダダダダダッ!
ズシャー......
助手「……私の役目は時間稼ぎなので」
こっくりさん「ん?」
ガララッ
霊能力者「そ、あくまでもお前を消すのは俺だ」
助手「先生」
こっくりさん「小童か」
霊能力者「もう準備は出来ている。こっくりさんはお帰りの時間だ」
こっくりさん「出来るもんかな。私は既にこの少女の肉体とほぼ同化している。引き剥がすことも出来んぞ」
霊能力者「ほぼなら問題ない」
教頭「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
ダダダダダダダダダッ!
ズシャー......
32:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 11:27:01 :uYs/vIrA
霊能力者「教頭先生お疲れ様です」
ダッダッダッ、
教頭「よ、呼んできやったぞ!だから早くなとかしてくれ!」
ダッダッダッ、
助手「何かがきてますね」
ダッダッダッ、
ダンッ
こっくりさん「……なんだコイツは」
霊能力者「紹介しよう。我が母校唯一の怪談、“動く人体模型”さんだ」
人体模型「……」
霊能力者「教頭先生お疲れ様です」
ダッダッダッ、
教頭「よ、呼んできやったぞ!だから早くなとかしてくれ!」
ダッダッダッ、
助手「何かがきてますね」
ダッダッダッ、
ダンッ
こっくりさん「……なんだコイツは」
霊能力者「紹介しよう。我が母校唯一の怪談、“動く人体模型”さんだ」
人体模型「……」
33:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 11:36:55 :uYs/vIrA
教頭「それでどうするんだ?戦わせる気か
霊能力者「まさか。まあ、見ておいて下さいよ」
こっくりさん「そいつでどうにかなるとで、も……!?」
ズズズズズ......
人体模型「……」
こっくりさん「力が……、抜けていく……?」へたり
ズズズズズ......
霊能力者「幾ら新しく力を得ようとルーツは変わらない。手軽に呼べる代わりの代償だな」
教頭「一体何が……」
シュウウウ......
助手「社が消えていってます」
霊能力者「当然だな」
教頭「それでどうするんだ?戦わせる気か
霊能力者「まさか。まあ、見ておいて下さいよ」
こっくりさん「そいつでどうにかなるとで、も……!?」
ズズズズズ......
人体模型「……」
こっくりさん「力が……、抜けていく……?」へたり
ズズズズズ......
霊能力者「幾ら新しく力を得ようとルーツは変わらない。手軽に呼べる代わりの代償だな」
教頭「一体何が……」
シュウウウ......
助手「社が消えていってます」
霊能力者「当然だな」
34:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 11:50:52 :uYs/vIrA
こっくりさん「お前……、何を、した……」
霊能力者「簡単な事さ。お前さんは自分が降霊するという儀式空間を教室に作ることでその力を増させた。だから本来の空間に戻してやってるだけさ」
人体模型「……」
ズズズズズ......
こっくりさん「異物、か……」
霊能力者「そうだ。この学校では“動く人体模型”が主として存在している。こいつから見て学校の教室に社は不純物として判定された訳だ」
教頭「まさかコイツが役にたつとは」
人体模型「……」
こっくりさん「う、うああ、あ、あぁぁ、あ……」
ポコンッ
こっくりさん「お前……、何を、した……」
霊能力者「簡単な事さ。お前さんは自分が降霊するという儀式空間を教室に作ることでその力を増させた。だから本来の空間に戻してやってるだけさ」
人体模型「……」
ズズズズズ......
こっくりさん「異物、か……」
霊能力者「そうだ。この学校では“動く人体模型”が主として存在している。こいつから見て学校の教室に社は不純物として判定された訳だ」
教頭「まさかコイツが役にたつとは」
人体模型「……」
こっくりさん「う、うああ、あ、あぁぁ、あ……」
ポコンッ
35:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/29(土) 12:59:53 :Aj9.cb7o
おもしろい
36:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 11:10:05 :SoYDHyTA
女子高生C「」ドサッ
狐「……ここまでか」
霊能力者「今回は随分と諦めがいいな」
狐「厄介なヤツが増えたしの。今回は大人しく消えてやろう」
人体模型「……」
霊能力者「出来ればもう2度と現れて欲しくないな」
狐「それは無理だ。呼ぶのはそっちだから」
霊能力者「さっきも言ったが呼ばれてもくるな」
狐「無茶を言う。全く我儘な連中だ」
霊能力者「我儘じゃないとやってられないんでね。破ァッ!」
チュボンッ!
女子高生C「」ドサッ
狐「……ここまでか」
霊能力者「今回は随分と諦めがいいな」
狐「厄介なヤツが増えたしの。今回は大人しく消えてやろう」
人体模型「……」
霊能力者「出来ればもう2度と現れて欲しくないな」
狐「それは無理だ。呼ぶのはそっちだから」
霊能力者「さっきも言ったが呼ばれてもくるな」
狐「無茶を言う。全く我儘な連中だ」
霊能力者「我儘じゃないとやってられないんでね。破ァッ!」
チュボンッ!
37:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 11:19:19 :SoYDHyTA
助手「気配消失、完全に消滅しました」
霊能力者「うし、仕事おわりだな」
教頭「D、こいつはどうするんだ……?」
人体模型「……」
霊能力者「あー、それは気にしなくていいですよ」
教頭「祓ってくれないのか」
霊能力者「寧ろ祓わないほうがいいですよ」
人体模型「……」くるっ
ダッダッダッ......
助手「帰っていきましたね」
教頭「悪いやつではないのか?」
霊能力者「あれがビビらせる対象は夜遅くの校内にいる“異物”ですから。上手く付き合えば格安警備員ですよ」
教頭「ふむ……」
助手「気配消失、完全に消滅しました」
霊能力者「うし、仕事おわりだな」
教頭「D、こいつはどうするんだ……?」
人体模型「……」
霊能力者「あー、それは気にしなくていいですよ」
教頭「祓ってくれないのか」
霊能力者「寧ろ祓わないほうがいいですよ」
人体模型「……」くるっ
ダッダッダッ......
助手「帰っていきましたね」
教頭「悪いやつではないのか?」
霊能力者「あれがビビらせる対象は夜遅くの校内にいる“異物”ですから。上手く付き合えば格安警備員ですよ」
教頭「ふむ……」
38:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 11:24:23 :SoYDHyTA
霊能力者「では俺たちは帰りますね。報酬は指定口座の方に振り込んでおいて下さい」
助手「失礼します」ぺこり
教頭「またなにかあれば頼むよ」
霊能力者「スケジュールが空いてれば。では、」
スタスタスタ......
教頭「……あいつも随分と立派になったものだ。さて、」
ごちゃあ......
教頭「教室の修繕費はどうやって引っ張りだそうか」
霊能力者「では俺たちは帰りますね。報酬は指定口座の方に振り込んでおいて下さい」
助手「失礼します」ぺこり
教頭「またなにかあれば頼むよ」
霊能力者「スケジュールが空いてれば。では、」
スタスタスタ......
教頭「……あいつも随分と立派になったものだ。さて、」
ごちゃあ......
教頭「教室の修繕費はどうやって引っ張りだそうか」
39:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 11:44:23 :SoYDHyTA
──────
────
──
助手「先生」くいっ
霊能力者「……なに?」
助手「1つ確認したい事なのですが、“こっくりさん”は学校の怪談ではなかったのでしょうか。“動く人体模型”に異物と認識されていたので違うのは間違えないようなのですが……」
霊能力者「学校の怪談ていうのは受動的な要素が需要の存在なんだよ」
助手「受動的……」
霊能力者「学校という限定的なフィールドに入った者に対して発生する、そこに憑いてるヤツが起こす事象が学校の怪談、七不思議と呼ばれるものだ」
助手「こっくりさんも満たしているのでは?」
霊能力者「残念ながらこっくりさんはこっち側から行う儀式を通して発生する能動的な存在だ。あくまで学校にいる存在ではなく、端的に言えばお客様なのさ」
助手「なるほど」
霊能力者「それにさ、あれは別に学校じゃなくても出来る。自宅でやったとしてもアイツは出てくる」
助手「確かにそう考えるとあまり“学校の怪談”という感じはしませんね」
──────
────
──
助手「先生」くいっ
霊能力者「……なに?」
助手「1つ確認したい事なのですが、“こっくりさん”は学校の怪談ではなかったのでしょうか。“動く人体模型”に異物と認識されていたので違うのは間違えないようなのですが……」
霊能力者「学校の怪談ていうのは受動的な要素が需要の存在なんだよ」
助手「受動的……」
霊能力者「学校という限定的なフィールドに入った者に対して発生する、そこに憑いてるヤツが起こす事象が学校の怪談、七不思議と呼ばれるものだ」
助手「こっくりさんも満たしているのでは?」
霊能力者「残念ながらこっくりさんはこっち側から行う儀式を通して発生する能動的な存在だ。あくまで学校にいる存在ではなく、端的に言えばお客様なのさ」
助手「なるほど」
霊能力者「それにさ、あれは別に学校じゃなくても出来る。自宅でやったとしてもアイツは出てくる」
助手「確かにそう考えるとあまり“学校の怪談”という感じはしませんね」
40:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 12:00:25 :SoYDHyTA
霊能力者「……はあ、“こっくりさん”の件は片付いたがこっからが大変そうだ」
助手「終わったのではないのですか?」
霊能力者「本来ならばとり憑いて終わりのこっくりさんが儀式をおっぱじめてたんだ。多分だけど、近いうちに今日倒れていた3人から別件で依頼がきそうだ」
助手「……」
霊能力者「これだから面倒なんだよ」
「祓って終わりどころか、たまにどんどん連鎖していくってのがさ」
霊能力者「……はあ、“こっくりさん”の件は片付いたがこっからが大変そうだ」
助手「終わったのではないのですか?」
霊能力者「本来ならばとり憑いて終わりのこっくりさんが儀式をおっぱじめてたんだ。多分だけど、近いうちに今日倒れていた3人から別件で依頼がきそうだ」
助手「……」
霊能力者「これだから面倒なんだよ」
「祓って終わりどころか、たまにどんどん連鎖していくってのがさ」
41:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 12:01:13 :SoYDHyTA
第1破ァッ! 終わり
第1破ァッ! 終わり
42:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 12:15:15 :SoYDHyTA
ワード解説
物理干渉力↓
・霊が物理的にとやかくする力。基本的には物理的にいろいろと出来るヤツの方が霊としては力がある
・特にそこには存在しない物を出せる様なヤツは極めて危険。つまり田舎道を走るタクシーの後部座席をぐっしょり濡らす女は脅威的な力を持っている
タクシー女>『エクソシスト』の悪魔
くらいのイメージ
ワード解説
物理干渉力↓
・霊が物理的にとやかくする力。基本的には物理的にいろいろと出来るヤツの方が霊としては力がある
・特にそこには存在しない物を出せる様なヤツは極めて危険。つまり田舎道を走るタクシーの後部座席をぐっしょり濡らす女は脅威的な力を持っている
タクシー女>『エクソシスト』の悪魔
くらいのイメージ
43:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 15:32:37 :SoYDHyTA
第2破ァッ!「くねくね」
第2破ァッ!「くねくね」
44:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 15:48:06 :SoYDHyTA
霊能力者「実際問題さ、なんで俺って“破ァッ!”出来るんだろ」
助手「……才能があるからでは」
霊能力者「そう、それだ」
助手「なにがですか」
霊能力者「この手の道をインチキ無しで選んで者の大半が“才能がある”で片付けられてしまう」
助手「特性を考えれば元からの素養がある程度は必要不可欠ですし、当然と思いますが」
霊能力者「でもその才能ですら差があるんだぜ」
助手「……TさんとD先生みたいに、ですか」
霊能力者「ああ。同じ才能でありながら方や“破ァッ!”1つで全てを解決出来るヤツもいれば、俺みたいに様々な道具や策を用いてやっとこさ“破ァッ!”が撃てるヤツもいる」
助手「同じ“才能”でも開きがあると」
霊能力者「そして俺はガッツリその手の技術を幼少の頃から英才教育の如く受けてこれだ」
霊能力者「実際問題さ、なんで俺って“破ァッ!”出来るんだろ」
助手「……才能があるからでは」
霊能力者「そう、それだ」
助手「なにがですか」
霊能力者「この手の道をインチキ無しで選んで者の大半が“才能がある”で片付けられてしまう」
助手「特性を考えれば元からの素養がある程度は必要不可欠ですし、当然と思いますが」
霊能力者「でもその才能ですら差があるんだぜ」
助手「……TさんとD先生みたいに、ですか」
霊能力者「ああ。同じ才能でありながら方や“破ァッ!”1つで全てを解決出来るヤツもいれば、俺みたいに様々な道具や策を用いてやっとこさ“破ァッ!”が撃てるヤツもいる」
助手「同じ“才能”でも開きがあると」
霊能力者「そして俺はガッツリその手の技術を幼少の頃から英才教育の如く受けてこれだ」
45:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 16:04:01 :SoYDHyTA
助手「D先生の才能がTさんと同様の“破ァッ!”特化でしたら私は存在していませんが」
霊能力者「すまん、別にそんなつもりで言った訳じゃないんだが」
助手「分かってますよ。冗談です」
霊能力者「真顔過ぎて反応に困るんだよなぁ」
助手「で、何が言いたいのでしょうか」
霊能力者「……つまるところ、この“破ァッ!”というものは後天的に身につけられんじゃないかと」
助手「霊媒塾を開きたいということですか」
霊能力者「かなり先読みをした答えが返って来たけど正解」
助手「理由を聞かせて貰っても」
霊能力者「俺みたいに微妙なヤツは育成に回って、現場は量産型Tに任せるってした方が効率が良くないかなーと」
助手「それは面白い発想ですね」
霊能力者「だろ?」
助手「ですが、」
霊能力者「ん?」
助手「3年前にD先生が『後天的に“破ァッ!”の才能は身につかない』、という論文を出していなければその考えを支持していました」
助手「D先生の才能がTさんと同様の“破ァッ!”特化でしたら私は存在していませんが」
霊能力者「すまん、別にそんなつもりで言った訳じゃないんだが」
助手「分かってますよ。冗談です」
霊能力者「真顔過ぎて反応に困るんだよなぁ」
助手「で、何が言いたいのでしょうか」
霊能力者「……つまるところ、この“破ァッ!”というものは後天的に身につけられんじゃないかと」
助手「霊媒塾を開きたいということですか」
霊能力者「かなり先読みをした答えが返って来たけど正解」
助手「理由を聞かせて貰っても」
霊能力者「俺みたいに微妙なヤツは育成に回って、現場は量産型Tに任せるってした方が効率が良くないかなーと」
助手「それは面白い発想ですね」
霊能力者「だろ?」
助手「ですが、」
霊能力者「ん?」
助手「3年前にD先生が『後天的に“破ァッ!”の才能は身につかない』、という論文を出していなければその考えを支持していました」
46:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 16:14:23 :SoYDHyTA
霊能力者「だよなぁ。自分で研究して結論出してるもんなぁ、『無理』って」
助手「……」
霊能力者「どっかで今の人類のルーツは1人の女性とかいう話を見たけど、それならなんで全人類その才能持ってないんだよ」
助手「……」
霊能力者「全員持っときゃ俺もこんな道選ばなくて良かったのにさ」
助手「……」
霊能力者「他の寺生まれが全員Tになればなぁ、」
助手「先生」
霊能力者「……なに」
助手「現実逃避はその辺にして、そろそろコレと向き合ってあげて下さい」
霊能力者「……どうしてもか」
助手「どうしてもです」
霊能力者「……帰りてぇ」
助手「もう覚悟を決めましょう。仕事ですから」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「だよなぁ。自分で研究して結論出してるもんなぁ、『無理』って」
助手「……」
霊能力者「どっかで今の人類のルーツは1人の女性とかいう話を見たけど、それならなんで全人類その才能持ってないんだよ」
助手「……」
霊能力者「全員持っときゃ俺もこんな道選ばなくて良かったのにさ」
助手「……」
霊能力者「他の寺生まれが全員Tになればなぁ、」
助手「先生」
霊能力者「……なに」
助手「現実逃避はその辺にして、そろそろコレと向き合ってあげて下さい」
霊能力者「……どうしてもか」
助手「どうしてもです」
霊能力者「……帰りてぇ」
助手「もう覚悟を決めましょう。仕事ですから」
くねくね「……」くねっ
47:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 16:20:59 :SoYDHyTA
霊能力者「あー気持ちわりぃ。イメージ図のウン倍も気持ち悪い」
助手「そうですね。私も初めて実物を見ましたが、想像以上です」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「動きと見た目がクソみたいなマッチしてて吐き気がしてくる」
助手「怖い、と言うよりもキモいが先にきますね」
くねくね「……」くねくね
霊能力者「動くんじゃねぇ!」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「あー気持ちわりぃ。イメージ図のウン倍も気持ち悪い」
助手「そうですね。私も初めて実物を見ましたが、想像以上です」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「動きと見た目がクソみたいなマッチしてて吐き気がしてくる」
助手「怖い、と言うよりもキモいが先にきますね」
くねくね「……」くねくね
霊能力者「動くんじゃねぇ!」
くねくね「……」くねっ
48:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 16:28:20 :SoYDHyTA
助手「D先生、確かに見た目はかなり気持ち悪いですが『動くな』は言い過ぎでは?」
霊能力者「なんでさ」
助手「D先生がここに到着してからかれこれ1時間、彼はここから動かず待っててくれているんですよ」
くねくね「……」くね~
霊能力者「そんな事言われても」
助手「目の前で先生がずっとどうでもいい話をして現実逃避をしている間も、ずっとこの場で終わるのを待っててくれていたんですよ」
霊能力者「その間に移動して欲しかったけどな」
くねくね「……」くねっ
助手「D先生、確かに見た目はかなり気持ち悪いですが『動くな』は言い過ぎでは?」
霊能力者「なんでさ」
助手「D先生がここに到着してからかれこれ1時間、彼はここから動かず待っててくれているんですよ」
くねくね「……」くね~
霊能力者「そんな事言われても」
助手「目の前で先生がずっとどうでもいい話をして現実逃避をしている間も、ずっとこの場で終わるのを待っててくれていたんですよ」
霊能力者「その間に移動して欲しかったけどな」
くねくね「……」くねっ
49:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 16:32:40 :SoYDHyTA
霊能力者「……」
くねくね「……」くね~
霊能力者「……」
くねくね「……」くねっくねっ
霊能力者「……」
くねくね「……」くねねっ
霊能力者「……」
くねくね「……」ねくねく
霊能力者「……」
くねくね「……」くね~
霊能力者「……」
くねくね「……」くねっくねっ
霊能力者「……」
くねくね「……」くねねっ
霊能力者「……」
くねくね「……」ねくねく
50:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 16:39:33 :SoYDHyTA
霊能力者「いや無理だ。動くだけで気持ち悪さが乗算されて見てるだけでご飯3杯吐ける」
助手「ダメです。しっかり飲み込んでありのままの彼と真摯に向き合って対処して下さい」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「……キャンセルは」
助手「ダメです。既に報酬の半分を前払いで振り込んで貰ってます」
霊能力者「やるしかないのか」
助手「やるしかありません」
霊能力者「いや無理だ。動くだけで気持ち悪さが乗算されて見てるだけでご飯3杯吐ける」
助手「ダメです。しっかり飲み込んでありのままの彼と真摯に向き合って対処して下さい」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「……キャンセルは」
助手「ダメです。既に報酬の半分を前払いで振り込んで貰ってます」
霊能力者「やるしかないのか」
助手「やるしかありません」
51:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 16:47:40 :SoYDHyTA
くねくね「……」くねっ
霊能力者「でも向き合ったところで半分お手上げなんだよなぁ、現状」
助手「何故ですか」
霊能力者「だってこいつ生物として実体があるし」
助手「それは本当ですか」
霊能力者「……見とけよ」
ぺとっ
ぐにぃ
くねくね「……」くねっ!
助手「なんと」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「でも向き合ったところで半分お手上げなんだよなぁ、現状」
助手「何故ですか」
霊能力者「だってこいつ生物として実体があるし」
助手「それは本当ですか」
霊能力者「……見とけよ」
ぺとっ
ぐにぃ
くねくね「……」くねっ!
助手「なんと」
52:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 17:00:37 :SoYDHyTA
霊能力者「俺の“破ァッ!”は“生物として実体がある”というものには効かないからな。困った事に」
助手「それは困りましたね」
くねくね「……」くねっ
助手「ですがこの周辺の村では既に3人が“くねくね”を見たことによる錯乱状態であると言われています。ここで手を打たなければ」
霊能力者「……」
助手「ところで、先ほど気になっていたのですが」
霊能力者「なに?」
助手「先生は見ていらしても平気なんですね」
霊能力者「……いまさら?」
助手「先生がすぐに現実逃避をし始めたので言うタイミングがありませんでした」
霊能力者「俺の“破ァッ!”は“生物として実体がある”というものには効かないからな。困った事に」
助手「それは困りましたね」
くねくね「……」くねっ
助手「ですがこの周辺の村では既に3人が“くねくね”を見たことによる錯乱状態であると言われています。ここで手を打たなければ」
霊能力者「……」
助手「ところで、先ほど気になっていたのですが」
霊能力者「なに?」
助手「先生は見ていらしても平気なんですね」
霊能力者「……いまさら?」
助手「先生がすぐに現実逃避をし始めたので言うタイミングがありませんでした」
53:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 17:10:47 :SoYDHyTA
霊能力者「訓練してたしね」
助手「訓練、ですか」
霊能力者「小学生の頃にEとな」
助手「E……。あ、“邪視”のEさんですか」
霊能力者「ああ。裸眼のアイツと2時間ひたすら見つめ合うとかいう拷問を3年ちょっとぐらい」
助手「それで耐性ができたということですか」
霊能力者「慣れって怖いな」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「お前の見た目には慣れないけど」
霊能力者「訓練してたしね」
助手「訓練、ですか」
霊能力者「小学生の頃にEとな」
助手「E……。あ、“邪視”のEさんですか」
霊能力者「ああ。裸眼のアイツと2時間ひたすら見つめ合うとかいう拷問を3年ちょっとぐらい」
助手「それで耐性ができたということですか」
霊能力者「慣れって怖いな」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「お前の見た目には慣れないけど」
54:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 17:16:56 :SoYDHyTA
※邪視とは
・見つめ合った相手を極度のダウナー状態にして発狂させる眼を持つ者、又は類似するモノ
・不浄なもの(排泄物や裸体)とかがアレルギーレベルで弱点。それらを裸眼で見たりすると逆に発狂する
※邪視とは
・見つめ合った相手を極度のダウナー状態にして発狂させる眼を持つ者、又は類似するモノ
・不浄なもの(排泄物や裸体)とかがアレルギーレベルで弱点。それらを裸眼で見たりすると逆に発狂する
55:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 17:40:15 :6ego0usI
助手「外的要素であれば村人に対策してもらう形で対処出来ると思ったのですが、そこやり方は無理そうですね」
霊能力者「こいつがやる前に村人が全滅するな」
助手「……切り刻んでみますか?」
くねくね「……」くねっ!
霊能力者「それは出来れば最後の手段に」
助手「そうですか」ぽいっ
くねくね「……」くねー
霊能力者「……うーん。ネットで調べてもこいつに関する話はとにかく中途半端だな」
助手「私も事前に調べて見ましたが、これといった対処方どころか“くねくね”自身のエピソードすらありませんでした」
くねくね「……」くね~
霊能力者「マジで何なんだよオマエは」
ぐに~
くねくね「……」くねっ!
霊能力者「……!」
助手「外的要素であれば村人に対策してもらう形で対処出来ると思ったのですが、そこやり方は無理そうですね」
霊能力者「こいつがやる前に村人が全滅するな」
助手「……切り刻んでみますか?」
くねくね「……」くねっ!
霊能力者「それは出来れば最後の手段に」
助手「そうですか」ぽいっ
くねくね「……」くねー
霊能力者「……うーん。ネットで調べてもこいつに関する話はとにかく中途半端だな」
助手「私も事前に調べて見ましたが、これといった対処方どころか“くねくね”自身のエピソードすらありませんでした」
くねくね「……」くね~
霊能力者「マジで何なんだよオマエは」
ぐに~
くねくね「……」くねっ!
霊能力者「……!」
56:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 17:47:32 :6ego0usI
助手「見た目通り柔らかいですね」
霊能力者「助手」
助手「はい?」
霊能力者「少し試したい事ができた。これが無理ならセットTを用いた処理をするから準備を頼む」
助手「村の方に事前に許可を取ってませんが」
霊能力者「なにか言われたら謝り倒す。あくまでそれを使うのは今から試す事が無理だった時だ」
助手「わかりました。では取りに行ってきます」
タッタッタッ......
くねくね「……」くねくね~
霊能力者「おい」
くねくね「……」くねっ
助手「見た目通り柔らかいですね」
霊能力者「助手」
助手「はい?」
霊能力者「少し試したい事ができた。これが無理ならセットTを用いた処理をするから準備を頼む」
助手「村の方に事前に許可を取ってませんが」
霊能力者「なにか言われたら謝り倒す。あくまでそれを使うのは今から試す事が無理だった時だ」
助手「わかりました。では取りに行ってきます」
タッタッタッ......
くねくね「……」くねくね~
霊能力者「おい」
くねくね「……」くねっ
57:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 17:57:03 :6ego0usI
霊能力者「俺と意思疎通が出来るなら“くね~”と動け」
くねくね「……」くね~
霊能力者「本当に出来ているなる“くね~”と動け」
くねくね「……」くね~
霊能力者「……こいつマジでこっちの言葉理解出来てんのか」
くねくね「……」くね~
霊能力者「俺が今から聞くことにハイなら“くねっ”違うなら“くね~”それ以外なら“くねくねっ”と動け」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「オーケー、それなら1つ目だ。まずお前は“霊”か?」
くねくね「……」くね~
霊能力者「“霊”ではない、か。じゃあ次に、お前は山に憑く神かそれに類似するものか」
くねくね「……」くね~
霊能力者「……自分でも分からないか?」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「俺と意思疎通が出来るなら“くね~”と動け」
くねくね「……」くね~
霊能力者「本当に出来ているなる“くね~”と動け」
くねくね「……」くね~
霊能力者「……こいつマジでこっちの言葉理解出来てんのか」
くねくね「……」くね~
霊能力者「俺が今から聞くことにハイなら“くねっ”違うなら“くね~”それ以外なら“くねくねっ”と動け」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「オーケー、それなら1つ目だ。まずお前は“霊”か?」
くねくね「……」くね~
霊能力者「“霊”ではない、か。じゃあ次に、お前は山に憑く神かそれに類似するものか」
くねくね「……」くね~
霊能力者「……自分でも分からないか?」
くねくね「……」くねっ
58:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 18:08:37 :6ego0usI
霊能力者「土地神でも無ければ妖怪でもない、久しぶりの“新型”か」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「うん、何とかなりそうだ。少なくとも“架空の伝承”タイプじゃなさそうだし」
助手「持ってきました」
どしんっ
霊能力者「ご苦労。ま、使わんと思うけど」
助手「処理手段が思いついたのですね」
霊能力者「ああ。グロい処理はしなくて済みそうだ」
助手「生物系を物理除霊は見た目が酷いですから、避けれて良かっですね」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「土地神でも無ければ妖怪でもない、久しぶりの“新型”か」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「うん、何とかなりそうだ。少なくとも“架空の伝承”タイプじゃなさそうだし」
助手「持ってきました」
どしんっ
霊能力者「ご苦労。ま、使わんと思うけど」
助手「処理手段が思いついたのですね」
霊能力者「ああ。グロい処理はしなくて済みそうだ」
助手「生物系を物理除霊は見た目が酷いですから、避けれて良かっですね」
くねくね「……」くねっ
59:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 18:44:32 :6ego0usI
霊能力者「さて次だ。これが出来るなら仕事はお終いだ」
くねくね「……」くねくねっ
霊能力者「棒状になれるか?」
くねくね「……」くねっ
くねっ、くねねっ
ぽんっ
くねくね「……」にょろーん
助手「……普通に気持ち悪い見た目になりましたね」
霊能力者「見た目はキモいが大成功だ。俺の予想通りだ」
助手「予想通り、ですか」
霊能力者「ああ。さっき調べていて気づいたんだが、“その姿を見てそれをくねくねだと認識したらアウト”というのがコイツで発生する害だ」
助手「媒体によってシチュエーション等に違いはありますが、確かに大体はそのような形ですね」
霊能力者「そう、だから誰もこいつの生態が分かってないんだ。本人様含めてな」
くねくね「……」くねっ
霊能力者「さて次だ。これが出来るなら仕事はお終いだ」
くねくね「……」くねくねっ
霊能力者「棒状になれるか?」
くねくね「……」くねっ
くねっ、くねねっ
ぽんっ
くねくね「……」にょろーん
助手「……普通に気持ち悪い見た目になりましたね」
霊能力者「見た目はキモいが大成功だ。俺の予想通りだ」
助手「予想通り、ですか」
霊能力者「ああ。さっき調べていて気づいたんだが、“その姿を見てそれをくねくねだと認識したらアウト”というのがコイツで発生する害だ」
助手「媒体によってシチュエーション等に違いはありますが、確かに大体はそのような形ですね」
霊能力者「そう、だから誰もこいつの生態が分かってないんだ。本人様含めてな」
くねくね「……」くねっ
60:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 19:02:48 :q1P.TDug
棒状でクネクネとしてるってそれもしかしてバ(ry
棒状でクネクネとしてるってそれもしかしてバ(ry
61:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 19:03:22 :6ego0usI
霊能力者「つまりコイツ自体にはアンデンティティーがあんまりないんだ」
助手「確かにくねくねと動いていて白い事以外は特に存在そのものについては言及されていませんね」
霊能力者「だからこっちから介入できる要素がある」
くねくね「……」にょろーん
霊能力者「確証はなかったが、こいつ自身が出来ると思ったら出来るみたいだ」
助手「“くねくね動いてる白いなにか”であれば問題ないということですか」
霊能力者「“名前と現象”が主体なお陰で成立したことだな」
くねくね「……」にょろーん
霊能力者「つまりコイツ自体にはアンデンティティーがあんまりないんだ」
助手「確かにくねくねと動いていて白い事以外は特に存在そのものについては言及されていませんね」
霊能力者「だからこっちから介入できる要素がある」
くねくね「……」にょろーん
霊能力者「確証はなかったが、こいつ自身が出来ると思ったら出来るみたいだ」
助手「“くねくね動いてる白いなにか”であれば問題ないということですか」
霊能力者「“名前と現象”が主体なお陰で成立したことだな」
くねくね「……」にょろーん
62:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 19:16:40 :6ego0usI
助手「……もう一声何とかできませんか」
くねくね「……」にょろり
霊能力者「そうだな。……球体状になれるか?」
くねくね「……」にょろにょろ
にゅるん、くねねっ
ぽんっ
くねくね「……」ぽよんっ
助手「……スライムみたいですね」
霊能力者「元がツルツルだったのに丸くなったせいかツヤも増して某ゲームのスライムにしか見えないな」
くねくね「……」ぴょこん
霊能力者「げっ、てっぺんに突起物増やして形近づけやがった」
助手「茶目っ気がありますね」
くねくね「……」ぽよよん
助手「……もう一声何とかできませんか」
くねくね「……」にょろり
霊能力者「そうだな。……球体状になれるか?」
くねくね「……」にょろにょろ
にゅるん、くねねっ
ぽんっ
くねくね「……」ぽよんっ
助手「……スライムみたいですね」
霊能力者「元がツルツルだったのに丸くなったせいかツヤも増して某ゲームのスライムにしか見えないな」
くねくね「……」ぴょこん
霊能力者「げっ、てっぺんに突起物増やして形近づけやがった」
助手「茶目っ気がありますね」
くねくね「……」ぽよよん
63:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 20:23:14 :6ego0usI
霊能力者「これでよし、かな」
助手「……なるほど。この見た目なら“くねくね”とは思えませんね」
霊能力者「あの発狂現象の発動条件はこいつの存在認識というのがメインだ。それなら見た目を変えちまえばいい。この見た目なら“くねくね”には繋がらないからな」
くねくね「……」ぽよんっ
霊能力者「ぽよんぽよんしてるのは少し想定外ではあったが」
助手「完全にアンデンティティーが死んでますね」
霊能力者「おい、今後は常にこの姿でいろ。分かったら“ぽよよん”、無理なら“ぽよんっ”」
くねくね「……」ぽよよん
助手「先ほどとは違い可愛らしいですね」
霊能力者「これなら問題ないだろ。何かあったら次こそテルミットだけど」
霊能力者「これでよし、かな」
助手「……なるほど。この見た目なら“くねくね”とは思えませんね」
霊能力者「あの発狂現象の発動条件はこいつの存在認識というのがメインだ。それなら見た目を変えちまえばいい。この見た目なら“くねくね”には繋がらないからな」
くねくね「……」ぽよんっ
霊能力者「ぽよんぽよんしてるのは少し想定外ではあったが」
助手「完全にアンデンティティーが死んでますね」
霊能力者「おい、今後は常にこの姿でいろ。分かったら“ぽよよん”、無理なら“ぽよんっ”」
くねくね「……」ぽよよん
助手「先ほどとは違い可愛らしいですね」
霊能力者「これなら問題ないだろ。何かあったら次こそテルミットだけど」
64:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 20:32:28 :6ego0usI
──────
────
──
霊能力者「─ということで、無力化した状態で山の中に戻しました。見かけることがあるかもしれませんが無害ですのでご安心下さい」
村長「此度はありがとうございました」
助手「錯乱状態の方には先ほどお渡しした札を入れたお風呂の中に毎日30分程度入れて下さい。個人差はありますが、1週間ほどで元に戻られます」
村長「ありがとうございます。その、また何かあった時には、」
霊能力者「その時にはすぐにご連絡ください。今度は完全に消しますので」
村長「分かりました。帰りには気を付けて下さい」
霊能力者「ええ。それでは」
ざっざっざっ......
──────
────
──
霊能力者「─ということで、無力化した状態で山の中に戻しました。見かけることがあるかもしれませんが無害ですのでご安心下さい」
村長「此度はありがとうございました」
助手「錯乱状態の方には先ほどお渡しした札を入れたお風呂の中に毎日30分程度入れて下さい。個人差はありますが、1週間ほどで元に戻られます」
村長「ありがとうございます。その、また何かあった時には、」
霊能力者「その時にはすぐにご連絡ください。今度は完全に消しますので」
村長「分かりました。帰りには気を付けて下さい」
霊能力者「ええ。それでは」
ざっざっざっ......
65:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 20:39:44 :6ego0usI
村長「……」
村人「言わなくてよかったんか?」
村長「気づいておらんようだし、そのまま行ってくれるならその方がいいだろう」
村人「ま、そっか」
村長「高い金払っておるんだ。これぐらいのアフターケアがあってもよかろう」
村長「……」
村人「言わなくてよかったんか?」
村長「気づいておらんようだし、そのまま行ってくれるならその方がいいだろう」
村人「ま、そっか」
村長「高い金払っておるんだ。これぐらいのアフターケアがあってもよかろう」
66:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 20:46:00 :6ego0usI
霊能力者「あいつら絶対気づいてただろ」
助手「ですね」
霊能力者「背中に引っ付いてるってどんな逆だよ」
助手「そうですね」
霊能力者「……どうする」
助手「山に返すのが無難かと思います」
霊能力者「だよなぁ」
助手「……」
霊能力者「……」
助手「……あの」
霊能力者「なんだ」
助手「今後の研究には丁度いいサンプルになるとおもうのですが」
霊能力者「なら持って帰るか」
助手「そう仰られるなら」
くねくね「……」ぽよんっ
霊能力者「あいつら絶対気づいてただろ」
助手「ですね」
霊能力者「背中に引っ付いてるってどんな逆だよ」
助手「そうですね」
霊能力者「……どうする」
助手「山に返すのが無難かと思います」
霊能力者「だよなぁ」
助手「……」
霊能力者「……」
助手「……あの」
霊能力者「なんだ」
助手「今後の研究には丁度いいサンプルになるとおもうのですが」
霊能力者「なら持って帰るか」
助手「そう仰られるなら」
くねくね「……」ぽよんっ
67:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 20:47:07 :6ego0usI
第2破ァッ!終わり
第2破ァッ!終わり
68:以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/07(日) 21:12:10 :q1P.TDug
テルミットで調べてみたら使い道一覧に除霊ってあって草
雑魚相手ならクネクネで無双できそうだけど、このDさんはそういう使い方しなさそうかもな
テルミットで調べてみたら使い道一覧に除霊ってあって草
雑魚相手ならクネクネで無双できそうだけど、このDさんはそういう使い方しなさそうかもな