1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:35:27.123 :boQFBhZBDHAPPY.net
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。
ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。
この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……。
元木梨沙(30) グラビアアイドル
【落ち目のグラドル】
ホーッホッホッホ……。」
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。
ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。
この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……。
元木梨沙(30) グラビアアイドル
【落ち目のグラドル】
ホーッホッホッホ……。」
2:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:37:18.969 :boQFBhZBDHAPPY.net
東京。芸能事務所「戸部プロダクション」。執務室で、社長とグラビアアイドルが会話をしている。
戸部「梨沙。お前に仕事の話があるんだがな……」
テロップ「戸部欽也(49) 戸部プロダクション社長」
梨沙「仕事の話……ですか。どうせまた、どこかのドサ回りの話でしょ?」
テロップ「元木梨沙(30) グラビアアイドル・タレント」
戸部「いや、それよりももっと重要な話だ。お前だからできる仕事だよ」
梨沙「一体何の仕事ですか?」
戸部「決まってるだろう。お前のヘアヌード写真集を発表するんだよ!」
梨沙「えっ、あたしのヘアヌード写真集ですか!?」
戸部「そうだ。今のお前は落ち目だが、昔はグラドルとしてそれなりに人気があった」
「だから……、ヘアヌード写真集を発表すれば、ある程度売れるはずだ」
「どうだ、引き受けるか?ギャラもかなりの額が出るらしいぞ……」
梨沙「わ、分かりました……。この仕事、やります……」
東京。芸能事務所「戸部プロダクション」。執務室で、社長とグラビアアイドルが会話をしている。
戸部「梨沙。お前に仕事の話があるんだがな……」
テロップ「戸部欽也(49) 戸部プロダクション社長」
梨沙「仕事の話……ですか。どうせまた、どこかのドサ回りの話でしょ?」
テロップ「元木梨沙(30) グラビアアイドル・タレント」
戸部「いや、それよりももっと重要な話だ。お前だからできる仕事だよ」
梨沙「一体何の仕事ですか?」
戸部「決まってるだろう。お前のヘアヌード写真集を発表するんだよ!」
梨沙「えっ、あたしのヘアヌード写真集ですか!?」
戸部「そうだ。今のお前は落ち目だが、昔はグラドルとしてそれなりに人気があった」
「だから……、ヘアヌード写真集を発表すれば、ある程度売れるはずだ」
「どうだ、引き受けるか?ギャラもかなりの額が出るらしいぞ……」
梨沙「わ、分かりました……。この仕事、やります……」
3:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:39:19.049 :boQFBhZBDHAPPY.net
とある大型書店。アダルトコーナーに、元木梨沙のヘアヌード写真集が山積みされている。
透明なビニールで覆われた梨沙の写真集。彼女の写真集を手に取る一人の男性。
園田(梨沙……。お前のこんな姿を目にするなんて……)
テロップ「園田勝人(30) 芸人、お笑いコンビ『卵かけご飯』ボケ担当」
悲しげな表情を浮かべる園田。
夕方。とある公園。時計台の側に立り、ある人物を待つ園田。
梨沙「勝っちゃん、待ったー?」
園田「おう、梨沙!」
園田の前に、梨沙が姿を現す。
園田「それにしても、びっくりしたよ。お前がヘアヌード写真集を出すなんて……」
とある大型書店。アダルトコーナーに、元木梨沙のヘアヌード写真集が山積みされている。
透明なビニールで覆われた梨沙の写真集。彼女の写真集を手に取る一人の男性。
園田(梨沙……。お前のこんな姿を目にするなんて……)
テロップ「園田勝人(30) 芸人、お笑いコンビ『卵かけご飯』ボケ担当」
悲しげな表情を浮かべる園田。
夕方。とある公園。時計台の側に立り、ある人物を待つ園田。
梨沙「勝っちゃん、待ったー?」
園田「おう、梨沙!」
園田の前に、梨沙が姿を現す。
園田「それにしても、びっくりしたよ。お前がヘアヌード写真集を出すなんて……」
4:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:41:15.844 :boQFBhZBDHAPPY.net
梨沙「うん。事務所の人にやらされたんだけどね……。あたしのこんな姿を見て、失望した?」
園田「そんなことはないよ。お前がどんなことになっても、俺はお前を愛し続けるつもりだ」
梨沙と園田が手をつなぎ、公園を立ち去る。2人の後ろ姿を眺めていたのは、例の男――喪黒福造だ。
喪黒「…………」
どうやら、喪黒はまたしても何かの企みを思いついたようだ。
夜。マンション、園田の部屋。梨沙と園田がコタツに向かい合い、液晶テレビを見ている。
コタツの上には、2人分のコンビニ弁当とチューハイの缶が置かれている。
テレビに映るバラエティー番組。ひな壇の上で、何かを話す芸人たち。爆笑する出演者たち。
園田「俺もテレビに出たかったなぁ。売れっ子芸人になるのが夢だったのに……」
「現実にやってることは、競艇場とかショッピングモールとかのドサ回り……」
梨沙「あたしもだよ。タレントの才能があれば、今ごろはテレビに出まくってたのに……」
梨沙「うん。事務所の人にやらされたんだけどね……。あたしのこんな姿を見て、失望した?」
園田「そんなことはないよ。お前がどんなことになっても、俺はお前を愛し続けるつもりだ」
梨沙と園田が手をつなぎ、公園を立ち去る。2人の後ろ姿を眺めていたのは、例の男――喪黒福造だ。
喪黒「…………」
どうやら、喪黒はまたしても何かの企みを思いついたようだ。
夜。マンション、園田の部屋。梨沙と園田がコタツに向かい合い、液晶テレビを見ている。
コタツの上には、2人分のコンビニ弁当とチューハイの缶が置かれている。
テレビに映るバラエティー番組。ひな壇の上で、何かを話す芸人たち。爆笑する出演者たち。
園田「俺もテレビに出たかったなぁ。売れっ子芸人になるのが夢だったのに……」
「現実にやってることは、競艇場とかショッピングモールとかのドサ回り……」
梨沙「あたしもだよ。タレントの才能があれば、今ごろはテレビに出まくってたのに……」
5:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:43:16.125 :boQFBhZBDHAPPY.net
園田「梨沙、お前は一時はテレビによく出ていただろう。売れないままの俺と違ってさ……」
梨沙「あのころは忙しかったけど、楽しかったなー」
「そのおかげで、勝っちゃんにいろいろご飯とかおごったりしたよ……」
園田「ああ。お前には世話になった……。本当に感謝している……」
梨沙(勝っちゃんは、うだつが上がらない男だね。何で、私はこんな甲斐性なしを好きになってしまったんだろう……)
ある日。とあるパチンコ屋。パチンコ台の前に座り、熱心にハンドルを握る梨沙。
喪黒がパチンコ屋に入り、梨沙の隣の席に座る。パチンコをしようとせず、隣にいる梨沙を横目で見る喪黒。
梨沙がいるパチンコ台の下皿の出玉が空になる。 がっかりした表情になる梨沙。
梨沙「あああ……。今日こそは勝てると思ったのに……」
喪黒「もしもし……。よろしかったら、これを使ってくださいよ」
喪黒は、梨沙に1万円札を渡す。
園田「梨沙、お前は一時はテレビによく出ていただろう。売れないままの俺と違ってさ……」
梨沙「あのころは忙しかったけど、楽しかったなー」
「そのおかげで、勝っちゃんにいろいろご飯とかおごったりしたよ……」
園田「ああ。お前には世話になった……。本当に感謝している……」
梨沙(勝っちゃんは、うだつが上がらない男だね。何で、私はこんな甲斐性なしを好きになってしまったんだろう……)
ある日。とあるパチンコ屋。パチンコ台の前に座り、熱心にハンドルを握る梨沙。
喪黒がパチンコ屋に入り、梨沙の隣の席に座る。パチンコをしようとせず、隣にいる梨沙を横目で見る喪黒。
梨沙がいるパチンコ台の下皿の出玉が空になる。 がっかりした表情になる梨沙。
梨沙「あああ……。今日こそは勝てると思ったのに……」
喪黒「もしもし……。よろしかったら、これを使ってくださいよ」
喪黒は、梨沙に1万円札を渡す。
6:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:45:21.233 :boQFBhZBDHAPPY.net
パチンコ台を打ち続ける梨沙。彼女はさっきまでとは違い、笑顔になっている。
梨沙の椅子の後ろには、銀玉で満杯のドル箱がいくつも積まれている。
パチンコ店を出て、街を歩く喪黒と梨沙。
梨沙「おじさん、本当にありがとうございます!おかげで久々に勝つことができましたよ!」
喪黒「いやぁ、どういたしまして……と言いたいところですが。ちょっと気になることがありまして、ねぇ……」
梨沙「何ですか!?」
喪黒「あなたは、芸能人として売れなくなり始めていますから……。生活に困っているはずですよねぇ」
「それなのに、パチンコに金を使っていいのですか?元木梨沙さん……」
梨沙「ど、どうしてそれを!?何で、私が元木梨沙だと分かったんですか!?」
喪黒「だって、あなた……。一時はテレビに出まくっていたでしょう。だから、顔を覚えてしまったのですよ」
梨沙「そうなんですか……」
パチンコ台を打ち続ける梨沙。彼女はさっきまでとは違い、笑顔になっている。
梨沙の椅子の後ろには、銀玉で満杯のドル箱がいくつも積まれている。
パチンコ店を出て、街を歩く喪黒と梨沙。
梨沙「おじさん、本当にありがとうございます!おかげで久々に勝つことができましたよ!」
喪黒「いやぁ、どういたしまして……と言いたいところですが。ちょっと気になることがありまして、ねぇ……」
梨沙「何ですか!?」
喪黒「あなたは、芸能人として売れなくなり始めていますから……。生活に困っているはずですよねぇ」
「それなのに、パチンコに金を使っていいのですか?元木梨沙さん……」
梨沙「ど、どうしてそれを!?何で、私が元木梨沙だと分かったんですか!?」
喪黒「だって、あなた……。一時はテレビに出まくっていたでしょう。だから、顔を覚えてしまったのですよ」
梨沙「そうなんですか……」
7:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:47:13.087 :boQFBhZBDHAPPY.net
喪黒「やれやれ……。私の仕事柄、あなたを放っておくわけにはいきませんねぇ……」
喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。
梨沙「……ココロのスキマ、お埋めします?」
喪黒「実はですねぇ……。私、人々の心のスキマをお埋めするボランティアをしているのですよ」
梨沙「人生相談とか、そういうお仕事なんですか?」
喪黒「あなたのような人を救うのが、私の仕事なんです。何なら、相談に乗りましょうか?」
BAR「魔の巣」。喪黒と梨沙が席に腰掛けている。
梨沙「近年のあたしは、昔に比べるとろくな仕事がないんですよ」
喪黒「あなたの今のお仕事、大方想像がつきますよ。おそらく、ドサ回りの営業が多いのでしょう」
梨沙「はい、そうです……。それどころか、最近のあたしはヘアヌード写真集まで出したんです」
喪黒「元木さん。こう言うのも何ですが……。グラビアアイドルというのは賞味期限があるんですよ」
「あのころのあなたは若かったから、グラドルとしての需要があったのです」
喪黒「やれやれ……。私の仕事柄、あなたを放っておくわけにはいきませんねぇ……」
喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。
梨沙「……ココロのスキマ、お埋めします?」
喪黒「実はですねぇ……。私、人々の心のスキマをお埋めするボランティアをしているのですよ」
梨沙「人生相談とか、そういうお仕事なんですか?」
喪黒「あなたのような人を救うのが、私の仕事なんです。何なら、相談に乗りましょうか?」
BAR「魔の巣」。喪黒と梨沙が席に腰掛けている。
梨沙「近年のあたしは、昔に比べるとろくな仕事がないんですよ」
喪黒「あなたの今のお仕事、大方想像がつきますよ。おそらく、ドサ回りの営業が多いのでしょう」
梨沙「はい、そうです……。それどころか、最近のあたしはヘアヌード写真集まで出したんです」
喪黒「元木さん。こう言うのも何ですが……。グラビアアイドルというのは賞味期限があるんですよ」
「あのころのあなたは若かったから、グラドルとしての需要があったのです」
8:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:49:13.534 :boQFBhZBDHAPPY.net
梨沙「それは言えてますよね……。グラドルは若くなくなったら、もう終わり。それが芸能界ですよ」
喪黒「昔は売れっ子だったあなたからすれば、今の落ち目の境遇はさぞ虚しいでしょう」
「しかしながら……。あなたの心のスキマというのは、お仕事のことだけではないはずです」
梨沙「その通りです。あたしが悩んでいることは、今の『彼』との関係なんです」
喪黒「元木さんの『彼』というのは……。恋人の園田勝人さんのことですか?」
梨沙「そ、そうです……!そこまであたしのことを知っていたなんて……」
喪黒「いやぁ……。仕事柄、長年、人間の観察を行ってきたおかげですよ」
梨沙「は、はあ……」
喪黒「おそらく今のあなたは、園田さんとの関係に対して倦怠感を覚えているはずですよねぇ?」
梨沙「ええ……。彼はお笑い芸人だけど、本当に頼りない人なんです」
喪黒「園田さんのお笑いコンビは、あまり売れていませんからねぇ」
梨沙「そうなんです。仕事があったころのあたしは、彼にご飯とかおごったりしてました」
「いつか、この人が芸人として売れる日が来るんじゃないか……と信じて……」
梨沙「それは言えてますよね……。グラドルは若くなくなったら、もう終わり。それが芸能界ですよ」
喪黒「昔は売れっ子だったあなたからすれば、今の落ち目の境遇はさぞ虚しいでしょう」
「しかしながら……。あなたの心のスキマというのは、お仕事のことだけではないはずです」
梨沙「その通りです。あたしが悩んでいることは、今の『彼』との関係なんです」
喪黒「元木さんの『彼』というのは……。恋人の園田勝人さんのことですか?」
梨沙「そ、そうです……!そこまであたしのことを知っていたなんて……」
喪黒「いやぁ……。仕事柄、長年、人間の観察を行ってきたおかげですよ」
梨沙「は、はあ……」
喪黒「おそらく今のあなたは、園田さんとの関係に対して倦怠感を覚えているはずですよねぇ?」
梨沙「ええ……。彼はお笑い芸人だけど、本当に頼りない人なんです」
喪黒「園田さんのお笑いコンビは、あまり売れていませんからねぇ」
梨沙「そうなんです。仕事があったころのあたしは、彼にご飯とかおごったりしてました」
「いつか、この人が芸人として売れる日が来るんじゃないか……と信じて……」
9:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:51:11.141 :boQFBhZBDHAPPY.net
喪黒「でも、彼は今に至るまで芽が出ずじまいだった……というわけですよねぇ」
梨沙「はい。彼はあまりにもうだつが上がらなくて……。今のあたしは、うんざりし始めてます」
喪黒「しかしながら、元木さんは園田さんのことを愛しているでしょう」
梨沙「ええ……。全く、あたしはどうしてこんな人を好きになってしまったんだろう……」
「いないよりマシというか……。ある意味、今じゃ腐れ縁みたいなものですよね……」
喪黒「それでいいんですよ」
梨沙「えっ!?」
喪黒「どういう人間であれ、あなたを愛してくれる人がいる……」
「その存在がどんなにありがたいか、分かりますか?」
梨沙「そ、それは……」
喪黒「元木さんは、園田さんの存在が心の支えになっているはずですよ」
「あなたがどんな状態になっても、ありのままの姿を受け入れてくれる存在なのですから……」
梨沙「そ、そういえば……、そう……」
喪黒「でも、彼は今に至るまで芽が出ずじまいだった……というわけですよねぇ」
梨沙「はい。彼はあまりにもうだつが上がらなくて……。今のあたしは、うんざりし始めてます」
喪黒「しかしながら、元木さんは園田さんのことを愛しているでしょう」
梨沙「ええ……。全く、あたしはどうしてこんな人を好きになってしまったんだろう……」
「いないよりマシというか……。ある意味、今じゃ腐れ縁みたいなものですよね……」
喪黒「それでいいんですよ」
梨沙「えっ!?」
喪黒「どういう人間であれ、あなたを愛してくれる人がいる……」
「その存在がどんなにありがたいか、分かりますか?」
梨沙「そ、それは……」
喪黒「元木さんは、園田さんの存在が心の支えになっているはずですよ」
「あなたがどんな状態になっても、ありのままの姿を受け入れてくれる存在なのですから……」
梨沙「そ、そういえば……、そう……」
10:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:53:14.223 :boQFBhZBDHAPPY.net
喪黒「元木さん。あなたの心のスキマを埋める一番いい方法は、結婚をすることですよ」
梨沙「今の彼と結婚するんですか?」
喪黒「そうです。元木さんを愛してくれるのは、園田さんだけですし……」
「彼と結婚をすることは、グラビアアイドルとしてのあなたのいい引き際になります」
梨沙「で、ですが……。彼は売れない芸人なんですよ!今、結婚をしたら、間違いなくお金に困ることになるでしょう」
喪黒「妻として、何かの働きに出ればいいでしょう。例えば、パートタイマーとか……」
「共稼ぎをすれば、少しは生活に余裕が出るはずです」
梨沙「パートタイマー……。いくら何でも、落ちぶれすぎですよ!」
喪黒「そんなことはありません。パートタイマーは立派な仕事です。一見、平凡に見える仕事こそが、社会を支えているのですよ」
梨沙「そ、そうですか……」
喪黒「元木さん。いっそのこと、彼に思い切って告白してみなさい。『結婚したい』と……」
梨沙「わ、分かりました……。やってみます……」
喪黒「元木さん。あなたの心のスキマを埋める一番いい方法は、結婚をすることですよ」
梨沙「今の彼と結婚するんですか?」
喪黒「そうです。元木さんを愛してくれるのは、園田さんだけですし……」
「彼と結婚をすることは、グラビアアイドルとしてのあなたのいい引き際になります」
梨沙「で、ですが……。彼は売れない芸人なんですよ!今、結婚をしたら、間違いなくお金に困ることになるでしょう」
喪黒「妻として、何かの働きに出ればいいでしょう。例えば、パートタイマーとか……」
「共稼ぎをすれば、少しは生活に余裕が出るはずです」
梨沙「パートタイマー……。いくら何でも、落ちぶれすぎですよ!」
喪黒「そんなことはありません。パートタイマーは立派な仕事です。一見、平凡に見える仕事こそが、社会を支えているのですよ」
梨沙「そ、そうですか……」
喪黒「元木さん。いっそのこと、彼に思い切って告白してみなさい。『結婚したい』と……」
梨沙「わ、分かりました……。やってみます……」
11:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:55:14.008 :boQFBhZBDHAPPY.net
とある地方都市。ショッピングモール。特設ステージで、コントを演じるお笑いコンビ『卵かけご飯』。
園田のボケに対し、ツッコミを入れる相方・根本。
テロップ「根本仁(33) 芸人、お笑いコンビ『卵かけご飯』ツッコミ担当」
ステージの周りで、『卵かけご飯』のコントを見守る客たち。観衆の中には、梨沙の姿がある。
夜。あるビジネスホテル。客室の中に、園田と梨沙がいる。
園田「お前……。こんな遠くの街まで、わざわざ俺の芸を見に来てくれたのか」
梨沙「勝っちゃんに、どうしても言いたいことがあってね……」
園田「言いたいこと……。そりゃあ何だい?」
梨沙「あたし、勝っちゃんと結婚したいんだけど……」
園田「結婚か……。本当に俺のような人間でいいのかい?」
梨沙「うん……。あたし、勝っちゃんのこと好きだから……」
とある地方都市。ショッピングモール。特設ステージで、コントを演じるお笑いコンビ『卵かけご飯』。
園田のボケに対し、ツッコミを入れる相方・根本。
テロップ「根本仁(33) 芸人、お笑いコンビ『卵かけご飯』ツッコミ担当」
ステージの周りで、『卵かけご飯』のコントを見守る客たち。観衆の中には、梨沙の姿がある。
夜。あるビジネスホテル。客室の中に、園田と梨沙がいる。
園田「お前……。こんな遠くの街まで、わざわざ俺の芸を見に来てくれたのか」
梨沙「勝っちゃんに、どうしても言いたいことがあってね……」
園田「言いたいこと……。そりゃあ何だい?」
梨沙「あたし、勝っちゃんと結婚したいんだけど……」
園田「結婚か……。本当に俺のような人間でいいのかい?」
梨沙「うん……。あたし、勝っちゃんのこと好きだから……」
12:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:57:14.000 :boQFBhZBDHAPPY.net
BAR「魔の巣」。喪黒と梨沙が席に腰掛けている。
喪黒「どうやら、園田さんとの婚約が成立したようですねぇ」
梨沙「でも、あたしは内心では不安があるんです。結婚した後、彼とうまくやっていけるんだろうか……と」
喪黒「大丈夫です。あなたたち2人に愛情があれば、お互いの足りない部分をフォローし合えますよ」
梨沙「そうだといいんですけど……」
喪黒「元木さん。今までのあなたは、紆余曲折を経て園田さんとの関係を続けてきたのでしょう?」
「だから、ある意味お似合いのカップルですよ。結婚すれば、おしどり夫婦になれますよ」
梨沙「は、はあ……」
喪黒「相手を選ぶならば、気が合って長続きする関係こそが重要です」
梨沙「確かに……」
喪黒「だから、あなたには私と約束していただきたいことがあります」
「元木さん、彼とは絶対に別れてはいけません。何があっても、婚約を成し遂げてください」
梨沙「わ、分かりました……。喪黒さん」
BAR「魔の巣」。喪黒と梨沙が席に腰掛けている。
喪黒「どうやら、園田さんとの婚約が成立したようですねぇ」
梨沙「でも、あたしは内心では不安があるんです。結婚した後、彼とうまくやっていけるんだろうか……と」
喪黒「大丈夫です。あなたたち2人に愛情があれば、お互いの足りない部分をフォローし合えますよ」
梨沙「そうだといいんですけど……」
喪黒「元木さん。今までのあなたは、紆余曲折を経て園田さんとの関係を続けてきたのでしょう?」
「だから、ある意味お似合いのカップルですよ。結婚すれば、おしどり夫婦になれますよ」
梨沙「は、はあ……」
喪黒「相手を選ぶならば、気が合って長続きする関係こそが重要です」
梨沙「確かに……」
喪黒「だから、あなたには私と約束していただきたいことがあります」
「元木さん、彼とは絶対に別れてはいけません。何があっても、婚約を成し遂げてください」
梨沙「わ、分かりました……。喪黒さん」
13:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 18:59:12.009 :boQFBhZBDHAPPY.net
夜。マンション、園田の部屋。部屋でテレビを見る梨沙と園田。テレビには、お笑い番組が映っている。
梨沙(この番組に出ている人たちと違って、勝っちゃんは売れないまま……)
(本当に、結婚生活やっていけるのかな……。しかも、彼は平凡だけど人間的に物足りない……)
園田の部屋を去り、道を歩く梨沙。彼女の前に、高級車が停車する。
車の窓から、男が顔を出す。整った顔立ちで、スーツにノーネクタイの男性だ。
柴崎「やぁ、お嬢さん」
テロップ「柴崎俊一(40) IT企業社長」
梨沙に名刺を渡す柴崎。
梨沙「柴崎さんは、IT企業の社長なんですか……。お金持ちなんですねー」
柴崎「お金を稼ぎまくっても、孤独は寂しいですよ。だから、君とデートでもしたいですね」
梨沙「え、デート!?あたしにはすでに婚約者がいますし……」
柴崎「俺は君のファンなんです。デートだけなら、別にいいでしょう」
柴崎の車に乗る梨沙。車が発車する。
夜。マンション、園田の部屋。部屋でテレビを見る梨沙と園田。テレビには、お笑い番組が映っている。
梨沙(この番組に出ている人たちと違って、勝っちゃんは売れないまま……)
(本当に、結婚生活やっていけるのかな……。しかも、彼は平凡だけど人間的に物足りない……)
園田の部屋を去り、道を歩く梨沙。彼女の前に、高級車が停車する。
車の窓から、男が顔を出す。整った顔立ちで、スーツにノーネクタイの男性だ。
柴崎「やぁ、お嬢さん」
テロップ「柴崎俊一(40) IT企業社長」
梨沙に名刺を渡す柴崎。
梨沙「柴崎さんは、IT企業の社長なんですか……。お金持ちなんですねー」
柴崎「お金を稼ぎまくっても、孤独は寂しいですよ。だから、君とデートでもしたいですね」
梨沙「え、デート!?あたしにはすでに婚約者がいますし……」
柴崎「俺は君のファンなんです。デートだけなら、別にいいでしょう」
柴崎の車に乗る梨沙。車が発車する。
14:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 19:01:13.994 :boQFBhZBDHAPPY.net
とある高級レストラン。一緒に食事をする梨沙と柴崎。
柴崎「いっそのこと、俺は君と結婚したいと思ってるんです」
梨沙「そ、そんな……。さっきも言ったように、あたしには婚約者がいますから……」
柴崎「ああ、あのお笑い芸人のことですか」
「あいつは芸人としてうだつが上がらないままだから、結婚しても君は貧乏暮らしが続くでしょう」
「でも、俺と結婚すれば君はセレブ生活を送ることができますよ。どっちがいいか分かりますよね?」
梨沙「うーーーん……」
柴崎「あの男と別れても、別にどうってことありませんよ。むしろ、あいつとの結婚は先が見えてます」
「あんな奴とつるんで、わざわざ自滅の道を選ぶんですか?俺なら、君を幸せにすることができますよ」
梨沙「そ、そうですよね……」
柴崎の車が、梨沙の自宅マンションの近くに到着する。柴崎に手を振る梨沙。
廊下の前で、自室のドアの鍵を開ける梨沙。彼女が部屋に入ると、室内には喪黒がいる。
梨沙「も、喪黒さん……!!なぜ、あたしの部屋にいるんですか!?」
喪黒「元木梨沙さん……。あなた約束を破りましたね」
とある高級レストラン。一緒に食事をする梨沙と柴崎。
柴崎「いっそのこと、俺は君と結婚したいと思ってるんです」
梨沙「そ、そんな……。さっきも言ったように、あたしには婚約者がいますから……」
柴崎「ああ、あのお笑い芸人のことですか」
「あいつは芸人としてうだつが上がらないままだから、結婚しても君は貧乏暮らしが続くでしょう」
「でも、俺と結婚すれば君はセレブ生活を送ることができますよ。どっちがいいか分かりますよね?」
梨沙「うーーーん……」
柴崎「あの男と別れても、別にどうってことありませんよ。むしろ、あいつとの結婚は先が見えてます」
「あんな奴とつるんで、わざわざ自滅の道を選ぶんですか?俺なら、君を幸せにすることができますよ」
梨沙「そ、そうですよね……」
柴崎の車が、梨沙の自宅マンションの近くに到着する。柴崎に手を振る梨沙。
廊下の前で、自室のドアの鍵を開ける梨沙。彼女が部屋に入ると、室内には喪黒がいる。
梨沙「も、喪黒さん……!!なぜ、あたしの部屋にいるんですか!?」
喪黒「元木梨沙さん……。あなた約束を破りましたね」
15:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 19:03:13.796 :boQFBhZBDHAPPY.net
梨沙「なっ……」
喪黒「私は言ったはずですよ。彼とは絶対に別れてはいけない、何があっても婚約を成し遂げろ……と」
「それにも関わらず……。あなたは彼を捨てて、IT企業の社長に乗り換えようとしていますねぇ」
梨沙「だ、だって……。彼は売れない芸人のままだから、結婚しても先行きが不透明なまま……」
「でも、IT企業の社長のあの人なら……。あたしも安心して結婚生活を送れますよ……!」
喪黒「ほう……、それがあなたの答えですか。愛よりもお金を選ぶとは、実にけしからんですなぁ」
梨沙「で、ですが……、あたしは……」
喪黒「約束を破った以上、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」
喪黒は梨沙に右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」
梨沙「キャアアアアアアアアアアアア!!!」
とある港に高級車が停車する。車から出てくる梨沙と柴崎。港には、大型のコンテナがいくつも見える。
柴崎「ここは、俺のお気に入りの場所の一つなんです。これから、君には特別な役目が待っていますよ」
梨沙「なっ……」
喪黒「私は言ったはずですよ。彼とは絶対に別れてはいけない、何があっても婚約を成し遂げろ……と」
「それにも関わらず……。あなたは彼を捨てて、IT企業の社長に乗り換えようとしていますねぇ」
梨沙「だ、だって……。彼は売れない芸人のままだから、結婚しても先行きが不透明なまま……」
「でも、IT企業の社長のあの人なら……。あたしも安心して結婚生活を送れますよ……!」
喪黒「ほう……、それがあなたの答えですか。愛よりもお金を選ぶとは、実にけしからんですなぁ」
梨沙「で、ですが……、あたしは……」
喪黒「約束を破った以上、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」
喪黒は梨沙に右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」
梨沙「キャアアアアアアアアアアアア!!!」
とある港に高級車が停車する。車から出てくる梨沙と柴崎。港には、大型のコンテナがいくつも見える。
柴崎「ここは、俺のお気に入りの場所の一つなんです。これから、君には特別な役目が待っていますよ」
16:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 19:05:14.606 :boQFBhZBDHAPPY.net
両手を叩く柴崎。彼の合図とともに、屈強な男たちが梨沙をを力づくで抑え込む。
梨沙「ムウッ……!!」
男の手で、クロロホルムの布を顔に当てられる梨沙。意識を失った梨沙が、男たちによってコンテナに入れられる。
コンテナの扉が閉まる。バタアンッ!!!ほくそ笑む柴崎。梨沙はコンテナの中で眠ったままだ。
男「あいつを、これからどうするつもりですか?」
柴崎「売り飛ばすんだよ。ここまでの上玉なら、高値で取引できるだろうさ」
テロップ「数年後――」
東京、赤坂。銀河テレビ。スタジオの中で、お笑いのコンテストが行われている。
コントを行うお笑いグループ。数々のグループを見守る審査員たち、アナウンサー、観客たち。
審査員「コントグランプリ決勝……!!優勝は……、卵かけご飯!!」
園田・根本「やったあああああっ!!!」
両手を叩く柴崎。彼の合図とともに、屈強な男たちが梨沙をを力づくで抑え込む。
梨沙「ムウッ……!!」
男の手で、クロロホルムの布を顔に当てられる梨沙。意識を失った梨沙が、男たちによってコンテナに入れられる。
コンテナの扉が閉まる。バタアンッ!!!ほくそ笑む柴崎。梨沙はコンテナの中で眠ったままだ。
男「あいつを、これからどうするつもりですか?」
柴崎「売り飛ばすんだよ。ここまでの上玉なら、高値で取引できるだろうさ」
テロップ「数年後――」
東京、赤坂。銀河テレビ。スタジオの中で、お笑いのコンテストが行われている。
コントを行うお笑いグループ。数々のグループを見守る審査員たち、アナウンサー、観客たち。
審査員「コントグランプリ決勝……!!優勝は……、卵かけご飯!!」
園田・根本「やったあああああっ!!!」
17:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 19:08:41.382 :boQFBhZBDHAPPY.net
優勝が決まり、アナウンサーのインタビューに答える園田。
園田「今回の優勝は、彼女にささげたいと思っています。俺が売れなかったころ、一生懸命支えてくれたあの人です」
「俺は、彼女と過ごした日々を一度も忘れたことはありません。今、俺がここにいるのは彼女のおかげなんです!」
一方、東南アジアのある国では――。売春宿に、全裸になった梨沙がいる。両手両足を切断され、舌さえも抜かれた姿で――。
現地の金持ちの男たちが、笑みを浮かべながら梨沙を取り囲む。涙目になり、言葉にならない声で叫び声を上げる梨沙。
梨沙「ウッ、ウーッ、オーーーーッ……!!!」
売春宿の前にいる喪黒。
喪黒「男が女を愛し、女が男を愛するということ……。これらの積み重ねによって、人類の歴史が成り立ってきました」
「しかしながら……。男と女の愛の気持ちとは一体何かについて、説明ができる人は、そんなに多くはないはずです」
「あえて言うならば、お互いが一緒にいるだけで安心することができる……。そういう気持ちではないでしょうか?」
「そもそも、男と女の愛というものは目には見えませんし……。いくら大金を出しても、それを買うことはできません」
「だから、元木梨沙さん……。目には見えないものをもう少し大切にしていれば、あなたはこんなことにはならなかったのに……」
「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
―完―
優勝が決まり、アナウンサーのインタビューに答える園田。
園田「今回の優勝は、彼女にささげたいと思っています。俺が売れなかったころ、一生懸命支えてくれたあの人です」
「俺は、彼女と過ごした日々を一度も忘れたことはありません。今、俺がここにいるのは彼女のおかげなんです!」
一方、東南アジアのある国では――。売春宿に、全裸になった梨沙がいる。両手両足を切断され、舌さえも抜かれた姿で――。
現地の金持ちの男たちが、笑みを浮かべながら梨沙を取り囲む。涙目になり、言葉にならない声で叫び声を上げる梨沙。
梨沙「ウッ、ウーッ、オーーーーッ……!!!」
売春宿の前にいる喪黒。
喪黒「男が女を愛し、女が男を愛するということ……。これらの積み重ねによって、人類の歴史が成り立ってきました」
「しかしながら……。男と女の愛の気持ちとは一体何かについて、説明ができる人は、そんなに多くはないはずです」
「あえて言うならば、お互いが一緒にいるだけで安心することができる……。そういう気持ちではないでしょうか?」
「そもそも、男と女の愛というものは目には見えませんし……。いくら大金を出しても、それを買うことはできません」
「だから、元木梨沙さん……。目には見えないものをもう少し大切にしていれば、あなたはこんなことにはならなかったのに……」
「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
―完―
18:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/11/20(火) 19:15:27.899 :pO376uOR0HAPPY.net
女ざまぁ
女ざまぁ