キュルル「そしてその方法は……これだ！」ﾌﾟﾘﾝｯ

ざわ…！

サーバル「キュルルちゃん、なにお尻出してるのー？」

カラカル「お尻でどう動物を操るのよ！」

ゴリラ「ええ……」

ヒョウ「ケッタイなやっちゃなー」

キュルル「ボクのお尻の隙間をよく見るんだ」

カラカル「なによ？」

キュルル「これはケツ毛だ」

カラカル「！」

一期から2000年経っててもHENTAIは変わらないな

ざわざわ……！

クロヒョウ「姉ちゃん、見て。これ脱げるんやで」

ヒョウ「それも驚いたけど、なんやこれ！　こんなところに毛が生えるんかい！」

イリエワニ「ちょ、ちょっと待った。ケツに毛が生えるのは分かったけど、それと動物を操るのとどう関係があるんだい？」

キュルル「……ケツ毛相撲、って知ってるかい？」

ゴリラ「ケ、ケツ毛相撲、だって……！？」

ざわざわ……！

キュルル「そう、これはヒトの間に伝わる神事で……」

キュルル「早い話が、ケツ毛とケツ毛を結んで引っ張り合うんだ」

ざわざわ！

サーバル「すっごーい！！」

カラカル「それと動物を操るのとどう関係してくるわけ？」

キュルル「ケツ毛相撲は神聖な催し。敗者は、勝った者の言うことを聞かなければならないんだ」

ゴリラ・イリエワニ・ヒョウ・メガネカイマン・クロヒョウ「！！」

キュルル「もう分かっただろう？　ヒトが動物を操っていたという伝説の由来が、さ」ﾆｨ

クロヒョウ「姉ちゃん、ウチ産毛だから結びづらいわ」

サーバル「キュルルちゃん、これは？」

キュルル「んー、生え始めだね。まだちょっと取り組みするには早いかな」

メガネカイマン「私も結ぶほどは……」ｼｮﾎﾞﾝ

キュルル「あー、大丈夫大丈夫。
心配しなくていいよ。世の中にはケツ毛が生えないヒトもいるんだ。
俗に言う、ノン毛ってやつだね」

クロヒョウ「いやや！　ウチもケツ毛欲しい！」

メガネカイマン「わ、私も！　ケツ毛相撲したいです！」

キュルル「生えてるなら、焦る必要はないよ。野に咲く花のように強く芽吹く……それがケツ毛さ」

ヒョウ「よっしゃ、ウチのケツ毛見てみぃ！」ﾌﾟﾘﾝｯ

キュルル「ふむ……（太さはないが、本数と長さには目を見張るモノがあるな）」

イリエワニ「ふん、アタイのケツ毛の方が立派だねぇ」ﾌﾟﾘﾝｯ

キュルル「（太いな……本数や長さはヒョウさんには一歩譲るか）」

ヒョウ「へっへ、よーし勝負やイリエワニ」

イリエワニ「望むところだね」

ゴリラ「け、結局こうなるのか……」

キュルル「じゃあ、両者のケツ毛を結んで、と……」

ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ！！

ヒョウ「っ！」　イリエワニ「っ！」

キュルル「見合わないで……！　はっけよい――」

キュルル「のこったッ！」

ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ！！　ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ！！

ヒョウ「おおおおおッッッ！！」

イリエワニ「くぅうううううッッッッ！！」

ヒョウ「よしコラァァァァアア！！」

イリエワニ「なにくそォォォオオオオオ！！」

ｸﾞｲｯ！！　ｸﾞｲｯ！！

カラカル「て、手に汗握るじゃない！」

サーバル「すっごーい！」

キュルル「互角……！　両者一歩も譲らないな」

ゴリラ「お、おい。ケンカを止めるはずじゃ……」

ｶﾞｼｯ

ゴリラ「キュルル！　なぜ止める！」

キュルル「……一度始まったケツ毛相撲だ」

ゴリラ「！」

キュルル「止めるってのはヤボなもんさ……」

ゴリラ「し、しかし」

キュルル「それに、ケツ毛を通してしか分かち合えないこともある」

ゴリラ「ケツ毛を、通してしか……？」ｺﾞｸﾘ

謎SS良いぞ～

ヒョウ「（くぅ！　イリエワニのやつ、やるやないけ！）」

イリエワニ「（ヒョウ、中々やるじゃないのさ。
アタイのケツ毛を通して伝わってくる……！　あいつの熱い闘志が……！）」

ｸﾞｲｯ！　ｸﾞｲｯ！！

サーバル「すっごーい！！　なにこれなにこれー！」

カラカル「二人の毛根ももう限界よ！」

キュルル「決着は近い……！」

キュルル「！」ﾋﾟｸｯ

ラッキービースト《！》

ラッキービースト《オイ、お前ら》

サーバル「あ、起きたー！」

ラッキービースト《俺が起きたということは、よほどのことも起きるぞ》

キュルル「……来る」

カラカル「キュ、キュルル？」

ｽﾞﾄﾞｫｫｵｵｵｵﾝ！！

アムールトラ「ウゥウゥウウウウ……！」

イリエワニ「う、うわっ！」

ヒョウ「ビ、ビーストやないかい！」

クロヒョウ「ね、姉ちゃん、ウチ怖い！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！！」

キュルル「ビースト……！」

ゴリラ「み、みんな逃げて！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」

キュルル「……」

カラカル「何やってんのよ！　キュルル！　早く逃げて！」

キュルル「……」

ﾇｷﾞﾇｷﾞ、ﾊﾟｻｯ――

カラカル「な、なにズボン下ろしてんのよ！？」ｶｧｰ///

カラカル「ふ、ふざけるのは前髪だけにしなさいっ！」///

キュルル「ビースト……ボクは君に、ケツ毛相撲を申し込む」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！」

カラカル「ばっ、ばか！　そんなのが通じる相手！？」

キュルル「……感じるのさ。彼女の何処か、胸の奥で燻ってる炎を……」

サーバル「キュルルちゃん……」

キュルル「全力でぶつけたい相手を探してるんだろう？」

…ﾌﾟﾘﾝｯ！

キュルル「――さ、ボクのケツ毛と勝負だ。ビースト」

ゴリラ「な、なにを！」

ヒョウ「ビーストに勝負なんて！　い、いや、かりに応じたとしても相手はビースト化したトラやでぇ！？」

イリエワニ「で、でも見てみな……あのケツ毛」

キュルル「……」ｷﾗｷﾗ

メガネカイマン「陽光に光り輝いてる……！　まさに闇を裂く雷……！」

クロヒョウ「姉ちゃん、ウチあのケツ毛羨ましいー！」

ゴリラ「あ、あれが数多の動物を従えたという、ヒトのケツ毛か……！
た、確かにいざ目の前にすれば納得のケツ毛だ……！」

サーバル「すっごーい！」

カラカル「で、でも相手は凶暴なビーストなのよ！？」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」ﾌﾟﾘﾝｯ！

ゴリラ「な……！」

ヒョウ「ビーストがパンツを下ろしたで！？」

イリエワニ「し、信じられないねぇ！」

アムールトラ「グルルルゥ……！」ﾌﾟﾘﾝｯ

キュルル「カラカル、行司を頼む」ﾌﾟﾘﾝｯ

カラカル「は、はぁー！？　アンタたち、頭の中までケツ毛生えてるんじゃないの！？」

キュルル「お願いだ、カラカル」

カラカル「も、もうしょうがないわね。じゃあ、両者ケツ毛を結ぶわよ……！」

ｷﾞｭｯｷｭｯ！！

カラカル「両者見合わないで……はっけよい……」

カラカル「――のこった！！」

頭の中までケツ毛生えてるんじゃないのでワロタ

キュルル「はぁぁああああああああッッ！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアアッッ！」

ｸﾞｲｯ！！！！

ヒョウ「な、なんちゅー迫力や……！」

ゴリラ「あ、あぁ。それに目を離しては、いけないような……！
そんな神々しさまで感じる……！　これがケツ毛相撲……！」

キュルル「ふんッッ！」

アムールトラ「ガウッ！」ﾌﾞﾝｯ！

ｽﾞｻﾞｻﾞｻﾞｰ！！

キュルル「っ……」ﾀﾗｰ…！

サーバル「キュルルちゃんがケツ毛ごと振り回されて、その辺の枝で血が……！」

カラカル「キュルルー！　くっ、いまの無防備なビーストならアタシたちで……！」

キュルル「やめてよ！！」

カラカル「キュ、キュルル……！」

キュルル「取り組みは、まだ始まったばかりさ……！」

キュルル「お楽しみは、これからだ」

サーバル「で、でもー」

カラカル「サーバル、やめましょ」

サーバル「カラカル……」

カラカル「……アイツの顔に、泥を塗るわけにはいかないわ。
でも……勝ってよね！　キュルル！」

キュルル「あぁ！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」ﾌﾞﾝｯ！

ﾌﾞﾝｯﾌﾞﾝｯﾌﾞﾝｯﾌﾞﾝｯﾌﾞﾝｯﾌﾞﾝｯ！！

ヒョウ「ビ、ビーストのヤツ、キュルルをぶん回しはじめたで！」

メガネカイマン「ま、まるで竜巻……！」

サーバル「キュルルちゃん！」

キュルル「確かに力は大したものだ……でも！」

キュルル「なんで人類がケツ毛相撲で生態系の頂点に立てたか……教えてあげるよ！」ｷｭﾙﾙﾙﾙ！

カラカル「あ、あの奇怪な音は！？」

キュルル「ふんッッ！」ﾐﾁﾐﾁﾐﾁ……ﾌﾞﾘｭﾘｭ！

アムールトラ「ガァァァアアアアア！？」

ゴリラ「ひ、ひいいっ！」

イリエワニ「あ、あいつ！」

ヒョウ「ウンウンを出してるで！？　し、しかも見るからに硬そうや！！」

カラカル「キュルル！　いったいなにを……」

サーバル「くっさーい！！」

キュルル「ただ力が強いだけが、強いケツ毛ファイターではないよ……！」ﾆｯ

キュルル「ふん！」

ﾌﾞﾘｭﾘｭ！

ﾇﾌﾟｯ！

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！？」

カラカル「アムールトラにキュルルのウンウンが触れたわ！」

キュルル「はぁっ！」ﾐﾁﾐﾁﾐﾁ…！

アムールトラ「〜〜〜〜〜ッッッ！？」

ゴリラ「さ、さらにウンウンを出して……アムールトラのアナルにぶっといのを刺し始めた！？」

カラカル「こ、こんな戦い方もあるなんて……これがケツ毛相撲……！」ｺﾞｸﾘ

アムールトラ「ガ……」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ！

ﾊﾞｷｯ！　ｶﾞｻｶﾞｻ！　ﾊﾞｷﾞｷｷｷｯ！！

キュルル「！？」

カラカル「アムールトラが暴れ始めたわ！？」

ゴリラ「二人ともケツ毛で繋がったまま、物凄いスピードで並走してるぞ！」

サーバル「キュルルちゃん！」

ヒョウ「マズいな……」

イリエワニ「……あぁ、そうだね」

サーバル「どういうことー？」

イリエワニ「分からないのかい？　恐らく、ヒトって生き物はケツ毛が強いし、技術も大したものなんだろうね……でもね」

ヒョウ「相手はビースト。体力や耐久面では大きく差をつけられてるんやで」

ゴリラ「そ、そうか！」

イリエワニ「一度ケツ毛相撲をやったアタイたちは分かる……この密林の地形はあちこちに障害物がある」

ヒョウ「それとぶつかるのは避けられない。ということは、体力や耐久力が大きく勝負に関わってくるはずや」

カラカル「って、てことは圧倒的にキュルルが不利じゃない！」

ヒョウ「勝負はまだ分からん。追いかけるで！」

イリエワニ「ちょっと待ちな！　アタイらケツ毛結んだままなんだから、背中合わせでカニ歩きするしかないんだから！」

ヒョウ「いち、に、いち、に、で行くでぇ」

クロヒョウ「姉ちゃんかっこ悪いー。先に行ってるでー」ﾀﾀﾀｯ

カラカル「もう、キュルル！　負けたら承知しないんだからね！」ﾀﾀﾀｯ

キュルル「はぁぁああああああああッッ！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」

ﾊﾞｷｯ！　ﾊﾟｷｷｯ！　ｶﾞｻｶﾞｻッッ！

キュルル「ふんっ！」ｸｲｯ！

アムールトラ「グアッ！」ｸｲｯｸｲｯ！

キュルル「（カウンターに合わせて、逆にケツを落として引っ張ってきた……！）」

キュルル「（強い……！　ただ、力だけのファイターじゃない。
明らかに、技をもっている……ビースト、成長しているのか……この戦いの中で！）」

キュルル「ふっ！」ｷｭﾙﾙﾙﾙ！

キュルル「（ヤバい状況なのにさ……！
自分に呆れちゃうよね……！　今のボク）」

キュルル「（この勝負、最高にワクワクして楽しんでる！）」ﾆｲｯ

ﾀﾀﾀｯ！

カラカル「キュルルー！」

サーバル「キュルルちゃん！」

キュルル「ふん！　はぁ！」ｸｲｯ！　ｸﾞｲｯ！

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」

ﾌﾟﾁﾝｯ！

キュルル「もらったァ！」

ゴリラ「は、速いッ！　一瞬のすきにアムールトラの左っケツ側の毛を何本か奪った！」

ヒョウ「こ、これがヒトの力かぁ！　なんちゅー生き物や！」

キュルル「そろそろトドメといくよ！！」ｸﾞﾘﾝｯ

アムールトラ「！？」

イリエワニ「相手の背中を後ろ向きでんぐり返しで、転がるように……！？」

キュルル「――キュルル大車輪！」

ｽﾞｶﾞｧｧｧｧｱｱﾝ！！

ゴリラ「地面に叩きつけた！！」

アムールトラ「……」

キュルル「勝負あり、だ」

キュルル「君とボクを繋ぐケツ毛はもう半分も残ってない」

キュルル「ボクのケツ毛はほぼ失っていない。
このまま続けても、君の負けは明白だ」

アムールトラ「ガ……」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」ｷﾞﾝｯ

キュルル「（あぁ、その目……そうだよね、ビースト……いや、トラさん）」

キュルル「一度始まった勝負だ！　決着まで、自分のケツ毛を信じるものだよね！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！！」

キュルル「はぁぁああああああああッッ！」

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ！！

ゴリラ「！」

ヒョウ「お、おい！　アンタら、そっちは崖――」

キュルル「！？」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア！？」ｽﾞﾙｯ――

カラカル「キュ、キュルルーーー！！」

ｻﾞｯ……！　ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ……！

キュルル「か、間一髪、ってやつかな……！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア……！」

ﾌﾟﾗｰﾝ…！

メガネカイマン「キュ、キュルルさんがケツ毛だけで……！
崖に落ちたアムールトラさんを引っ張り上げている……！」

カラカル「あ、危ないわよ！　キュルル、もう勝負なんてどうだっていい！」

カラカル「アタシの爪でそのケツ毛を切るわ！　だ、だから……！」

キュルル「カラカル！　ダメだ……！」

カラカル「キュルル……！　だってそいつは、危険なビーストなのよ……！
あ、あたしはアンタがしんだら……！」ｳﾙｯ

キュルル「一度結んだケツ毛は、どうやっても断ち切れないのさ……」ｾﾞｪｾﾞｪ

キュルル「くっ、でもさすがに長い試合でボクの毛根と体力もそろそろ……！」

アムールトラ「ガァァァァアアアアアア……？」

キュルル「ふっ、離すもんか……！　他の誰もが君を敵視しても！」

キュルル「どれだけ敵が増えようとも、ボクが君の味方でいるから……！」ﾌﾗｯ

ゴリラ「い、いかん！　いま助け――」

キュルル「！　（しまった…！　だいぶ足にきてたか……）」

ﾋｭｩｩｳｳｳ！

サーバル「うみゃみゃみゃみゃー！！」

ｶﾞｼｯ！

キュルル「サ、サーバル！」

サーバル「えっへへ」

ｶﾞｼｯ

カラカル「どんくさいわね！」

ｶﾞｼｯ

ヒョウ「ウチもおるでぇ！」

ｶﾞｼｯ

イリエワニ「アタイらにケツ毛相撲を教えくれた恩人に死なれちゃ困るからねぇ」

ｶﾞｼｯ

クロヒョウ「ウチも助けるー！」

ｶﾞｼｯ

メガネカイマン「あなただけに良いカッコさせませんよ！」

ｶﾞｼｯ！

ゴリラ「うぅ、重いが……！　なんとか引き上げられそうだ……！」

ﾌﾟﾗｰﾝ……！

ゴリラ「キュルル！　ケツ毛はまだ持ちそうか！？」

アムールトラ「ガァァア……」

キュルル「あぁ。大丈夫。足はガクガクだけど……ケツ毛はこの場にいる全員だって支えられるよ」

ゴリラ「ハッ……まったく大した生き物だ。ヒトってやつは」ﾆｺｯ

そして――

アムールトラ「……」

キュルル「……またいつか、ね」

アムールトラ「……」ﾀｯ

ゴリラ「ビーストがあんなにおとなしくなるとはな」

キュルル「ケツ毛相撲を通して、彼女から伝わってきたモノがあるんだ」

ゴリラ「そりゃいったい」

キュルル「……怒り、悲しみ……そして絶望」

ゴリラ「ビースト……」

キュルル「おとなしくなったって、すぐには全部元通りなんていかないけどさ。
でも、もうフレンズを襲うようなことはないと思う」

カラカル「……ま、確かにね」

キュルル「いつか、きっといつか……そう遠くない未来で笑い合える……そんな日が来るさ」

サーバル「あはは、そうだね！」

キュルル「（そう、きっといつか――）」

――――――――――

――――――――

――――――

ロードランナー「早く！　このホテル、もうすぐ沈んじゃうって！」

かばんさん「全員、避難できた！？」

キュルル「待って、あと一人！　早く！」

？？「……でも、ワタシは……正気に戻る前は散々みんなに迷惑を……」

キュルル「……まりねィ」

？？「キュルル……？」

キュルル「黙りねィ！」

？？「！」

キュルル「ほら、早く行こう……そして、あの日の勝負の続きだ――」

アムールトラ「キュルル……！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

キュルル「――アムールトラさん！」ﾆｺｯ

ｷﾞｭｯ

キュルル「ほら、早く逃げよう！」

アムールトラ「……うんっ」ﾆｺｯ

―FIN―

見てくれてありがとう！したらな！またどこかで！