ラノベで読みたい

ｶﾞﾀｺﾞﾄ…　ｶﾞﾀｺﾞﾄ…

マナー子牛「一曲歌うとしましょうか」

マナー子牛「あーるー晴れたーひーるー下がりー♪」

マナー子牛「ドナドナドーナードーナー♪」

牧場主「おい、辛気臭い歌を歌うなよ」

マナー子牛「人が歌ってる時に野次を入れるのはマナー違反ですよ」

牧場主「す、すみません」

社会批判のギャグにしても古すぎる

牧場主「よーし、止まれ」ｸﾞｲｯ

牧場主「市場に着いたぞ」

マナー子牛「着きました、でしょう」

牧場主「……着きました」

マナー子牛「よろしい」

厳しい牛だな

オチが予想できない

なんとも言えない笑いが出た

これいつ笑うときくるの？

牧場主「よし、降りろ」

マナー子牛「子牛を荷馬車から降ろす時は、丁重に持ち運んであげるのがマナーです」

牧場主「子供とはいえ牛なんだぞ。持ち運ぶって……」

マナー子牛「早くしなさい」

牧場主「わ、分かったよ……ふんっ！」ｸﾞｲｯ

牧場主「お、重……っ！」ﾖﾛﾖﾛ…

牧場主「子牛いかがっすかー」

マナー子牛「いかがですか、でしょう」

牧場主「いかがですかー」

マナー子牛「もっと背筋はピンとしなさい。猫背ではみっともないですよ」

牧場主「はいはい」

マナー子牛「はいは一回」

牧場主「はい！」

子牛うぜぇな
泣き叫ぶまで拷問にかけたくなってきた

肉屋「おっ、子牛か。買おうかな」

牧場主「毎度ありがとうございまーす！」

肉屋「じゃあ、代金はこれで」ﾋﾟﾗｯ

牧場主「毎度ー！」

マナー子牛「お札を渡す時はきっちり向きを揃えて渡すのがマナーです」

肉屋「は、はい……」ｻｻｻｯ

子牛のCVは杉田智和で

>>12
あー

肉屋「じゃあ解体して、売りさばくとするか」

マナー子牛「解体する時は刃をよく研ぐのがマナーです」

肉屋「おっと、すまねえ」ｼｬｰｺｼｬｰｺ

肉屋「では……」

マナー子牛「最初の一撃はためらいなく振り下ろすようにしましょう」

肉屋「わ、分かってるよ！」

ドシュッ！

か…哀しすぎるぜ…ﾄﾞﾅﾄﾞﾅｰ

家畜という生命

肉屋「やっと解体が終わった……」

マナー肉「解体が終わったからといって、満足してはいけません」

肉屋「え！？」

マナー肉「肉を売りやすいよう、上手に切り分けましょう」

肉屋「なんで喋れるの……！？」

マナー肉「早くしなさい」

肉屋「分かりましたァ！」

食べられる時もテーブルマナーにうるさそう

肉屋「いらっしゃいませー！」

主婦「あら、このお肉おいしそうね」

肉屋「はい、さっき解体したばかりですから！」

主婦「じゃあこれいただくわ」

肉屋「毎度ー！」

マナー肉「購入した肉は傷まないうちにすみやかに家に持ち帰るのがマナーです」

主婦「わ、分かったわ！」

主婦「今夜はステーキにしよっと！」

主婦「さっそく火を……」

マナー肉「待ちなさい」

主婦「え？」

マナー肉「ろくに下ごしらえもしないでいきなり焼くつもりですか」

マナー肉「まずは肉を叩いたり、筋に切れ目を入れたりして、柔らかくしなければなりません」

主婦「は、はいっ！」

お料理スレｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!

次はマナーステーキかな

土に還ってもマナーマナー言ってそう

マナー肉「焼く前にしっかり塩コショウをまぶしておくのもポイントです」

主婦「分かりました！」ﾊﾟｯﾊﾟｯ

主婦「ではお肉を……」

ｼﾞｭﾜｧｧｧｧｧ…

マナー肉「肉を焼く時は色の変化に注意しなければなりませんよ」

主婦「気をつけます！」

主婦「今夜は奮発してステーキよ！」

旦那「おっ、嬉しいなー」

少年「やったー！　いただきまーす！」

マナーステーキ「待ちなさい」

少年「え！？」

マナーステーキ「食事をする時はまず手を洗いなさい」

少年「ごめんなさいっ！」

こいつ直接体内に

少年「今度こそ……いただきまーす！」

マナーステーキ「ナイフは右、フォークは左に持つのです」

少年「は、はいっ！」

マナーステーキ「それとライスを食べる時はフォークの背に乗せて食べなければなりません」

旦那「それ別にやらなくていいらしいけどなぁ」

マナーステーキ「黙りなさい。私がルールです。私が正しいのです」

旦那「す、すみません」

つよい

お腹すいてきた

少年「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

少年「……」ｺﾞｸﾝ

少年「おいしー！」

マナーステーキ「もっとよく噛みなさい」

マナーステーキ「最低50回は咀嚼してから飲み込むのです」

少年「はい……」ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ

旦那「ふぅー、食った食った」

少年「おいしかったー！」

主婦「ありがと」

少年「食べたら眠くなってきちゃった」ｺﾞﾛﾝ…

マナーステーキ「食事の後すぐ横になると牛になりますよ。軽くウォーキングでもしなさい」

少年「お腹の中から声が！？」

少年「んー……」

ﾌﾟﾘｯ

少年「出たー」

マナー大便「出した後はお尻をしっかり拭くようにしましょう」

少年「うわあ！？」

少年「……」

マナー大便「便をよく観察して、自分の健康状態をチェックしましょう」

マナー大便「トイレットペーパーは三角折りにして後の人が使いやすいようにしましょう」

マナー大便「さらに、スリッパはちゃんと揃えて……」

少年「……」ｸｲｯ

マナー大便「便を流す時は……」

ｼﾞｬｧｧｧｧｧ…

…………

……

……

……

幼女「パパ、それでその牛さんはどうなっちゃったのー？」

父「どうなったんだろうねえ……」

父「きっとどんどん分解されていって、今はもう別の生き物に生まれ変わっちゃったのかもしれないね」

幼女「ふーん……」

父「おっと、もうこんな時間か。仕事に行ってくるよ」

幼女「いってらっしゃーい」

教室――

ﾜｲﾜｲ…

父「では本日もマナー講義を始めさせて頂きます」

父「まずは自動車を運転する時のマナーです」

父「人や動物を目的地まで運ぶ時は自動車を揺らさないようにしましょう」

父「……」ﾆﾔｯ







END

えっどういうこと
怖い

？